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対策をとれば大丈夫、なわけなくて

大規模な同人イベントが開催されていく中で、9月に控えている「文学フリマ大阪」が開催の方向に動いているそうで、出展申し込みをしている私はさてどうしようかと考えているところです。大阪モデルは本日から「黄色信号」となる見込みで、まだ先行き不安な思いもあり、なんかそんな感じで書き散らかしますので、適当に流しそうめん対応でお願いします。

そもそもの話でアレなんですけど、対策を取れば大丈夫だと言えるのは、すべての人がひとり残らずガイドラインを厳守して行動する前提です。

先日読んでいた、エボラ出血熱と人類の戦いを描いた「ホット・ゾーン」という本に、メインガという女性看護師が登場します。彼女はアフリカの病院でエボラ出血熱の患者を看護し、やがて自分にもエボラの初期症状が現れますが、当初それを認めることができなかった様子が生々しく描かれています。すぐに自身が勤める病院にかかれば、もしかしたら助かったかもしれないのに、そう出来なかった。なぜなら、彼女は若く、ヨーロッパ留学も決まり、輝かしい未来が待っていたから。

エボラのはずはない、大丈夫と自分に言い聞かせながら、街へ出てパスポートを申請し、買い物や食事をし、そうして何日か経った頃には、エボラだと認めざるを得ない症状に見舞われ、最後は自身が勤めていた病院で息を引き取ります。

彼女に少しでも共感したなら、自分自身に対して用心しなければならないと思います。

たまたま少し怠いだけ、このところ疲れがたまっていたから、ただの風邪だと思う、もともと平熱も高めだし。新刊もあるし、会いたい人もいるから、年に一度だから。ちゃんと消毒すれば、人にさえうつさなければ。

たったひとりが心の中にこういう考えを抱いて会場に来たら、それでイベントの存続自体が危ぶまれることになります。そして、人の心の中は見えません。

そもそも同人イベントが開催できているのは、(主催者様や参加者さんの様々な努力とはまた別の話としてとらえてほしいのですが)一般に開催が認知されていないためという側面もあるのでは、と思っています。プロ野球は感染者が出る前から新聞に否定的な記事が載っていますし、マラソン大会や音楽フェスは年内の開催が軒並み中止になっています。だからやるな、という話ではなく、やると決まった以上は、参加者として自分で考えなければならないということです。

いや、ここまで全部「文フリ大阪どうしようかな」という悩みを吐露しただけなんだけど、何だろうなこの暗黒森林(「三体Ⅱ暗黒森林」読み終わりました!)。でも本当に、悪意がなくてもクラスターは発生するし、どれだけ対策を取っていても、感染者がひとりそこにいたと分かればニュースになるわけで、仕事上そういう場所に居合わせるわけにいかないということもあって、しばらく頭抱えてると思います。それ以前に、かかったら死ぬ予感しかないし。

開催までの間に、「開催嬉しい、おめでとう、新刊出そう!」と喜べる状況になることを祈っていますが、どうだろうな..不安を抱えたまま決断しないといけないような気もするな...。



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