チーズという物体について

 

最近はチーズを食べるようにしてる。

理由は健康にいいからというのと、美味しいから。ただあんまり食べ過ぎるのも良くないから一日に3切れを限度としている。

チーズの良さはその大きさだ。多すぎるわけでもなく、小さすぎるわけでもない、6Pに分割されたそのひとかけらは、間食として食すのに丁度いいのだ。

味も最適だ。まろやかなしょっぱさは腹持ちがよく、食べ過ぎるという事もないし胃もたれするという事もない。まるで午前十時半に食べる為だけにに生まれてきたような食べ物だ。

とはいえぼくはこれが、つまり市販のプロセスチーズが、チーズとしては一種邪道なものという事を知っている。安価なプロセスチーズはナチュラルチーズを加工して固めて保存しやすくしたもので、いわば天然物に対する養殖ものといったところだ。違ってたらごめんなさい。

僕は所謂ナチュラルチーズに分類されるチーズのほとんどを食した事がない。いつかは買ってきて食べたいとも思うが如何せん高価であるから余裕が無い。おそらくこれから長い間市販のプロセスチーズがぼくにとってのチーズとなるようだが、それはそれでいいのかもしれない。チーズを一切れ食べる事でより上手く生活が回るというのなら、他に問題となる点は無いだろう。

実はこれまでぼくはチーズがあまり好きではなかった。というのは、チーズの匂いが駄目だったのだ。
よくあるスナック菓子で、チーズ味というのがあったが、あの風味がどうも苦手だった。あのきつすぎる匂いは邪魔過ぎる。元祖のチーズはあれほどの匂いを持つことはないが、多少なりとも似通った風味を持っているから、昔からチーズを食べる事は無かった。

それが最近は知らず知らずのうちに食べられるようになったのだから不思議だ。

歳をとって舌がこなれてきたという事もあるだろうが、何よりの理由としては自分自身の健康にあった。ここ数年で「体力が無ければそもそも何も出来ない」という事に気付き始め、運動や食事に気を遣うようになってきたのだ。やはり身体のパフォーマンスを高めるというのは大事だと思う。飲酒によって一夜を潰してしまう事が最近は多々だが。

ところでぼくはチーズのどの成分が、どのように身体に作用してより良い状態にしてくれるのか、実は知らなかったりする。ぼくが知っているのは「チーズが身体にいい」らしいという事だけで、実際は言う程でないか、もっと有用な手段があるのかもしれない。ただ、一つだけ言えるのは例え身体によくないとしても、ぼくはたまにチーズを食べるのをやめられないだろうという事だ。もちろん、3切れを限度として。

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