雑記:「やりたい事ばかりだが時間と体力がない」問題に対する一つの考察;20191223
やりたい事ばかりだ。
だがそれをやりきる時間と体力がない。
こんな状態に陥った人は他にもいるのではないだろうか?
なにかやりたいという気持ちがあるのに「何か」ができない。やろうとしても頭の中がもやもやして何をすればいいのか分からない。あるいは、継続して物事をやろうと思っても長く続かなくて、結局やめてしまう。そもそも時間が無くてできない。
安心(?)ほしい。この文章はそれらの問いに解答を示すものではない。むしろ、私もまたこういった「だるい」という悩みに振り回されている真っ最中なのだ。それを解決する過程で行った思考やメモをまとめて、文章に直したのがこの記事である。これが少しでも人の知見に役立つ事を願う。
〇体力がない。
例えば絵を描こうとしても一時間くらいで作業に飽きる、疲れる、それで結局止めてしまう。こういった体力の限界――「創作の面倒くささ」「仕事の面倒くささ」「勉強の面倒くささ」は、絵に限らずたくさんの人が感じていると思う。
だがこれは起きて当たり前の事なのだ。どうしようもなく起きてしまうものなのだ。
ではどうして起きてしまうのだろう?
人間にはホメオスタシスというものがある。日本語訳すればこれは恒常性と言う。恒常性とは一口に言えば「普段の状態にとどまり続けよう」とする力の事だ。恒常性は、例えば身体の中の諸反応――体温を一定にしようとしたり、血圧をちょうどいい具合にしたりという「バランスを保つ」作用の事全般を指す。生物ならばそこらのミジンコでも持つ。
つまり人間は「その場に居続けたい」と思ってしまう生き物なのだ。論理が飛躍しているだろうか? しかし考えてみてほしい。暖かい家から寒い外へ出るときのおっくうさ、毎朝学校や仕事に行く時の憂鬱感、好きな音楽を聴いているときの安心感――人は、「変化」を嫌うのだ。
人間にはホメオスタシスがあり、それが行動にも影響するのは決して論理の飛躍でもない。それは生物にとって当たりまえの事だ。「変化」に人間は敏感である必要がある。何故ならば、それは時に生命をおびやかす出来事になり得るからだ。雨が降り始めたり、何か獣の唸り声を聞いたり、そういった時生き物は何かが「変化」したと感じる。「変化」とは注意すべき事でかつ、恐れ多きものなのだ。だから人間は「変化」に注意深いし、「変化」を嫌うとも言える。
だが、原始の世界ならともかく、今現在のこの世の中では、あなたが成長するのにそれは少々邪魔となる。
あなたには今やりたい事があり、しかし体内のホメオスタシスが勝手に動いているせいで「ここから動きたくない/変化したくない」というおっくうさを感じている。絵の下書きを描くのにも一苦労だし、イラスト完成までの長い道のりを考えるとうんざりする。あなたはその「ホメオスタシス」に打ち勝たなければいけない。意志の力で、身体を一定に保とうとする力に打ち勝たなければならない。
「体力がない」というのは正確な言い方ではない。それは正確には「集中力がもたない」「(集中力が切れて)もううんざりだ」と作業を中断するという現象だ。
だが集中力が切れるのは自然な事なのだ。
あなたの中の「元に戻ろうとする力」がだらだらしたい欲を生み出しているのだ。
ではこの現象にどう対応していけばよいのだろうか。恒常性によって、集中状態から緩慢状態に戻る現象にどう対応すれば、物事を継続して行う事ができるのだろうか。……ここではこの事は説明を今度の機会にまわす。集中力を安定して持続させる方法としてはポモドーロテクニックなどがあるのだが、この紹介は次の機会にまわそう。
〇時間がない・やりたい事ばかりだ
この項は一つにまとめさせてもらった。時間がない、というのは例えば「DTMをしているが毎夜毎夜作業を進めても進捗がまったく進まない」という事だったり、また「やりたい事ばかり」というのは「イラスト作成も動画作成も色々やりたいんだけどどれから手を付ければいいのかわからない」といった具合である。
確かにあれもこれもと欲張ってしたい気持ちも分かる。
だがあなたには二本の腕しかない。一つの脳みそと二本の腕でしか、物事をこなすしかできない。やりたい事が多くてそれでがんじがらめになってしまうのは本末転倒である。
こういう場合はまず紙に色々と書き出してしまうのが楽だし、便利だ。紙とペンは大抵の場合すぐそばにあるし、情報を可視化するにはこの方法が一番手っ取り早い。
ここで一度ページを上にスクロールして、トップ画を見てほしい。これは実際に私がこの文章を書くに至って作ったマインドマップである。といっても書き始めはそんなつもりは毛頭なかった。これは、実際に私が「やりたい事ばかりだ、時間と体力がない」という問題に直面して、「どうしよう」と思い、作製したものである。
所謂マインドツリー型になっているがこういうものにやり方とかそんな堅苦しいものはない。とにかく「思いついた事」をどんどんと書いて矢印で繋げていこう。一つコツがあるとすれば、ある程度書ききったらまずじっと文字群を見てみる事だ。すると何となく、書き出された文章に傾向がある事が分かる。
一人の人間が書いたものだ、ある種の傾向が出来るのは当然の事だろう。自由かつランダムに考えているつもりでも、どうしても連想的になって傾向が出来てしまう。
だから、ある程度「思いついた事」を書きまくってもう十分だというところになったら、今度は傾向を意識して、その傾向とは「逆の事」を書いてみよう。例えば「ドット絵→知見を探す→scrapboxでまとめる」という言の葉の流れがあったとしたら、そこに傾向とは真逆であった「scrapbpx以外のツールは何があるだろうか」「イラストやDTMの場合はどうだろうか」といった違った視点を書き記してみよう。
そうすれば、scrapboxをただ使うのではなく、利点やデメリットを意識するきっかけになるし、知見をまとめるのはどういうポイントに絞ればいいのか、他ジャンルの事も視野にいれつつ多角的にものを見る事が出来る。
実際、今回のトップ画である写真とマインドマップ(私が問題解決のために書いたもの)には一旦書ききったあと、傾向とは別の「そこには書いていない言葉」を意識してキーワードを並べてみるという作業を行っていた(といっても、色が全く同じなので見分けがつかない。色を変えて書くべきだった……反省……)。その結果やりたい事の中には遊びやゲームもあるな、とか筋トレは続かないが何でだろうなという発見や新たな疑問が思い浮かんだ。
また、この作業にはもう一つ重要な意味がある。「タスクを明確化し」「一つ一つの事を順々にできるよう頭の中を整理する」という効果である。
この画で例えるなら、「あれもこれもしたいな~」という状態から、この画を書くことで「まずドット絵、写真加工、アニメーションの順にやってみよう」と分かる(画面中央から少し右上のところに箇条書きがある)。
さらには「ドット絵をやるためにはまず何が必要だろう。どんな事をすべきだろう」と思考が発展する。少なくとも「あれもこれもしたい」状態から進化する事が出来る。このように紙に書き起こす事は情報の視覚化、および整理に役立つのである。
タスクを明確化すれば作業の効率化にも繋がる。つまり一つ一つの工程も予め書き出しておけば、思考時間が短縮され頭の中が整理しやすくなり、作業の効率化に繋がるのだ。
〇まとめ
まとめよう。
『やりたい事ばかりだ。だがそれをやりきる時間と体力がない。』
↓
・体力がないのはもうしょうがない。体内の元に戻ろうとする力に何とか向き合って、集中を長続きさせる事が必要。
・とりあえず紙に書き出してみよう。やりたい事に順序がつけられる。
・自分がやるタスクを紙に書き出せば頭の中が整理されて時間効率が上がる。
取り敢えずこんなところだろうか。
最初にも書いたがこの文章は自分自身が「やりたい事はあるけど時間も体力もないし」と困っていた事が発端となったものだ。この問題に対し、取り敢えず紙に書き出して解決を試みたところ、何となく文章にアウトプットできそうになった。「これ、何かしらの文章でまとめられるんじゃね」と見切り発車で書き始めたら、案外形となったわけである。
相変わらずの乱筆で申し訳ありません。質より量をいっぱい出す事が大切だとおもうんです。でも、こういった考えを少しでも情報共有して、これを読んでくれた方の知見やモチベーションのアップに繋がれば嬉しいなと思う。
ここまで読んでくれてありがとうございます。貴方の人生に幸運を、貴方の自我に祝福を。
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