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キルギス通信Vol.16 2015年版 再発行

このキルギス通信は、筆者が2014年~2016年にJOCV(青年海外協力隊)のコミュニティ開発隊員として、キルギスのチョルポンアタ市役所で働いた際の日本の取引先や同僚に向けた月刊通信です。少し情報は古くはなりますが、キルギスらしさを十分感じていただける内容ですので、ご笑覧ください。

Саламатсызбы?(さらまっとすずぶ? 元気ですか? キル語)

世間はクリスマスモードですが、あえて今年最後のキルギス通信をお送りいたします。
オーストリアのクリスマスに関しては、何か面白そうなことを発見しましたら記事にしてみます:)

キルギス通信16号のPDF版はこちら↓

КЫРГЫЗ(キルギス)通信~大草原の小さな国から~ 2015.12.14発行

マイナスの気温だってなんのその!

すっかり冬が来ました。
0度を下回る日々ですが、満天に広がる星空や、羊や馬の草を食む姿に(彼らは近所のゴミ箱も漁ってもいるのですが…)やはり、優雅な国だなぁと2度目の冬にも関わらず感心しております。
私事ですが、クリスマス真っ盛りのドイツとオランダに旅行をして参りました。先進国のハイクオリティーなサービスを受け、あたふたすることが多かったためか、キルギスに着いたときの安心感と言ったら…笑 知らぬ間にキルギスに染まっているようです。

近所のおじいちゃんと孫

さて、今回は、あの有名な無印良品で我々の商品(後述)発売が決定したことを記念して、私のもうひとつの活動である一村一品(OVOP)運動のご紹介させていただきます。

キルギス版 村おこし

私のメインの勤務先はチョルポンアタ市役所ですが、その裏で一村一品(※コラムで説明)プロジェクトにも所属して、チョルポンアタの観光客に向けての販売促進とマーケティングを担当しています。
イシククル州では、1000人を越える生産者がいて、無印良品からの注文であるフェルト商品だけでなく、それぞれが得意な商品を作っています。一番の売れ行きは、ハーブを使った石鹸とクリーム。その他にも100%ナチュラルなジャムや蜂蜜、木彫りの民芸品などのユニークな商品も多くあります。
全ての商品はキルギス国内に2つあるOVOPショップで購入が可能です。

ビシュケクの旧ショップ
伝統的な絨毯作り。女性数 名がかりでやります。
フェルト製品製作中。羊毛を水の力を使 って収縮させて作ります。

気の強いエジェ(女性)との戦いの日々…

キルギスの村に住むエジェ達(女性達)は、現金収入がないということ、家事に追われて、家から出られないということが問題でした。
そこで、地域の女性達の手芸の技術を使って、家にいながらでも収入を得て、村おこしをしよう!と始まったOVOPプロジェクトでしたが、なんと言ってもエジェには強者が勢揃い。気が向かないと仕事をしないなんて序の口。嘘でその場を繕うエジェや、被害妄想だけは人一倍強いエジェも多く、今でも山あり谷ありです。

しかし、エジェ達の手芸の技術は本物!フェルト製品の細かい規定をなんなくクリアし、ほぼ統一された製品に仕上げる腕には脱帽。1つのスマートフォンケースだけでも、数時間かかるのに、ひたすら作り続けるエジェ達の忍耐力や努力はやはりすごいと思わされるのでした。

今後は海外展開を見込んでいるキルギスの一村一品運動。スタッフとおばちゃんたち一丸となってがんばっていきますので、ご支援のほどよろしくお願いします。

コラム1 一村一品運動とは

生産団体の女性たち

One Village One Product/一村一品運動は、大分県で始まった地域振興・人材育成の政策です。地元の素材を利用した商品を通して地域を活性化させる活動で、現在では30カ国以上で実践されています。
キルギスではイシククル州において2006年に始められ、世界で最も成功しているOVOP事業のひとつと言われています。ただ、他国では失敗しているケースも多く見られ、各地域に根ざしたアプローチをしなければ国際協力事
業は成功を修めることが難しいのが現状です。

コラム2 キルギスクイズの答え!

問題はこちら↓(2015年当時でスマホの普及率について)

答えは…3の20人です。
人間関係が近いキルギスでは、電話は必須アイテム!
そして、Whatsappというラインのようなアプリで写真やメッセージを送るので、インターネットも手放せません。子供達もスマートフォンを持っているほど、スマフォが大好きな国民性。
途上国といえども、いまやスマフォは必須なのです。ちなみに、こちらは全てチャ̶ジ形式。お金が無くなれば使えなくなるので、常にお金を入れておく必要があります。

コラム3 大草原のひとりごと

市役所の冬の風物詩。それは、順番に全員分の昼ごはんを作って持ってくる、という光景です。
夏は料理がだめになってしまうため、11月頃から始まるこのルーティーン。私のグループは6人なので、自分の順番の時には6人分の料理を持って行きます。そこで注意しなければならないのが、キルギス人の多くが超保守派ということ。キルギス料理以外を持ってくるものなら、食べてくれない…なんて悲しいことも。
私にとって和風だしは心も体もあたたまる料理なのですが、こちらの人にとっては、なにこの味!?との反応。うーん、料理って難しい…と感じる日々なのでした。
До сбидания!(ダスビダーニア:露でそれでは)


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