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他の人に合わせないという生き方 探究学習塾ナミカゼ#16_アート回①

日付(所要時間):2024年1月17日(計90分)
場所:気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ
学年(人数):1~3学年有志(計7名)
概要:探究学習塾ナミカゼ2023 第16回目 アート回①
コーディネーター:加藤・渡邊・三浦・永峰

今回からナミカゼは、アート回に突入します!
アート回①のゲストとして今回お越しいただいたのは、気仙沼のご出身で、アーティストとして県内外でご活躍されている斉藤道有さん。

今回は、机を取っ払い、椅子を丸く並べ、車座形式で
ゲストの道有さんを囲んで対話を行いました。

まずは道有さんから自己紹介をしていただきました。

道有さん:僕の今の仕事としては、現代アートなどの作品作りや、ワークショップなどを開いたりしています。どこか1カ所の団体に所属しているというより、個人として色んな仕事をやらせてもらっているという感じですかね。
気仙沼クルーカード等を運営している気仙沼地域戦略という団体の立ち上げに携わったり、東北発でツリーハウスをつくる会社(東北ツリーハウス観光協会)を立ち上げてみたり。あとはエリアブランディング的に、内湾地区のライトアップ企画や、五十鈴神社の境内の敷地利活用の企画に携わっています。単なる作品づくりだけではなく、「こういう空間になってほしい」「こんな使われ方をしてほしい」という、使われ方も含めてのデザインをしています。

自己紹介後は、ナミカゼ生たちから道有さんへの質問を募集しました。
ホワイトボードに、次々と質問が書き出されていきます。


ーーーナミカゼ生:高校時代は、どんな高校生でしたか?

道有さん:高校の進路面談で、「浮浪者になりたい」と答えて怒られた覚えがあります(笑) 僕が学生のとき、気仙沼にもホームレスのおじさんがいたんですよ。後に亡くなってしまったことを新聞で知ったんですけど、でも彼が持っていた通帳には十分な財産が入っていたそうです。
当時の僕はそれを知って「あの人は、好きであの生活をしていたんだな」という結論に至りました。その生き方に、自由と憧れを感じたんですよね。
働いてないということの意味での自由さではなく、“他の人に合わせない”という生き方に憧れを抱いたんです。

ーーーナミカゼ生:美術の道を進み始めたきっかけは何だったんですか?

道有さん:元々、絵を描くことやデザイン自体は嫌いではなかったです。進路として初めて美術の道を選んだのは、大学からですかね。高校卒業後に、教育大学の美術学部(教育美術・美術専門)に入りました。でも、僕の場合は何かを目指そうと思ってそこを選んだというわけではなく、どちらかというと、やりたくないことを省いていったという感じです。そういう選び方もあるんじゃないかと思っています。

ーーーナミカゼ生:進路を選ぶにあたって、周りの反対は無かったですか?

道有さん:反対はあったんですけど、周りの意見に対して全く関心がなかったですね。浮浪者を見てきていたから。周りのことを気にしなくたいい、自分の生き方だし(他の人がどう思うかは関係ない)と思っていました。

みんなのメモの手がとまりません


ーーーナミカゼ生:新しい事業を立ち上げる時って、どんな想いで取り組んでいるんですか?

道有さん:基本的に「自分がやりたいことは自分で作る」っていう考えは、自分の中にあるのかもしれないですね。
個人的に思っているのは、「どこかに自分のやりたいことがあるかもしれない(既に誰かの手によってつくられている)」という考えは、幻想なのかなと思っています。自分がやりたいと思える仕事を、誰かが作ってくれているなんて、そんな虫のいい話はないと思う。

…考えるだけで分かることって、ほとんどないですよ。
対して、行動したことでしか分からないことっていうのは山ほどあります。
就職も進学も、データや資料を読み込んでなにを選択したら良いのかが全て分かるんだったら、みんな悩んでないです。自分自身の目で見てみるとか、自分で経験してみるとか、とにかく自分で行動してみることが大事だと思います。

その後も沢山の質問が飛び交っていき、
1時間半という時間があっという間に過ぎていきました。


最後に、今回のナミカゼ生のチェックアウトを
ご紹介したいと思います(一部抜粋)。

  • なかなか出会うことのない職業と経歴の方のお話で、面白かった。

  • 自分の将来や夢について悩むことが多かったのですが、あまり気負わずにやっていこうと前向きになれました。やりたいことを探すことに悩んだら、やりたくないことから削っていこうと思いました。

  • 私は周りの意見に流されてしまったり、自分の意見をしっかり持てていない部分があるので、今回の講話をきっかけに、自分のことをしっかり知りつつ、どんなことをしていきたいのかを考えてみたいと思いました。 

「同じ気仙沼で生まれ育った先輩」という親近感も抱きつつ、
しかし万人とは違う生き方を選択してきた道有さんのお話に、皆が前のめりになってお話を聞いた1時間半でした。

(文・気仙沼学びの産官学コンソーシアム 永峰 苑佳)


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