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印刷機とフォント
22日、メビック扇町で開催されていた「文字と組版、印刷展~アナログからデジタルへの変遷~」に行ってきた。
展示の一つに、アナログの版下があった。始めて見た。隣の展示物「写植のうた」(写研創立50周年記念ソング)のレコードの前で女性二人が昔話をしている。それとなく、これどうやって使うんですか?と聞くと、詳細に版下の説明をしてくださった。
聞けばアナログの頃に、お一人はデザインをもうお一人は組版をされていたそう。Macが導入されて徐々に変わっていった版下とフォントの話を聞いた。
アナログでの版下、ざっくりした流れ:
版下(+写真データ)→ 製版(4つの版をつくる)→ 印刷
アナログでの版下は、版下と写真データは別々に渡す。図版や写真は、こんな図がこんな縮尺ですよ、というアタリが入っている。版下の文字を修整するときはペーパーセメントとカッターを使って、フィルム一枚をはいでから張り付けたりと繊細な作業をしていたそう。
Macが普及し始めて(1997年頃にはだいぶアナログからMacに移行していたそうな)、印刷機とパソコンに入ってるフォントが違う問題に腐心していたそう。印刷機用とパソコン用のフォントは別物で、印刷機に入っていないフォントは印刷されない。事前にどの印刷所がなんのフォントを持っているか把握するのが大変で....、思わぬフォントに変わっていたこともあった、というお話も。
印刷機にフォントが入っていなくても印刷できるように、最初はインハウス(=Adobe社のこと。Adobeに勤めている方がお話してくださった)のルールとして苦肉の策で、文字のアウトラインをとることになったそう。
アウトラインをとると、文字の情報は失われ画像になる。文字情報を失うと、文字が太くなったり細くなったり、欠けることがあるので、できるだけ避けたいと話された。
現在はアウトラインをとらずに印刷にだしても、たいていの印刷機にはフォントが入っているので、大丈夫なんだそう。入稿時、アウトラインをとって!という印刷会社もあるけれど、そういう場合は、印刷会社で修整をしないなら、PDF入稿がいいよとアドバイスをもらった。これからはそうしよう。
展示は、テクノロジーが印刷工程やデザインの作り方を変えていった歴史が振り返れた。日本で、日本語で独自の電算機を作っていたが、Macに駆逐されたという話も興味深かった。
※覚え書きなので誤りがあるかもしれませんがご了承ください。