SIGMA 50mm F2 DG DNを待望している…
はじめに
おはこんばんにちは。K-Takaです。
4月3日にSIGMAのオンラインプレゼンテーションが決定。既にCP+前からSARなどのサイトにて噂が配信されており、Contemporaryラインから3本、APS-Cセンサー用「23mm F1.4 DC DN」とフルサイズのI series「17mm F4 DG DN」「50mm F2 DG DN」が発表されるかも?ということらしい。
小型軽量なお写ん歩レンズが欲しい
筆者は現在スナップ用レンズとしてSIGMAの24-70mm F2.8 DG DNを使用しているわけだが、大きい。そして重い。50mmに合わせてファインダーを覗き、「あれ、違うな。」と思ったら35mmなり24mmなり、圧縮効果目当てに70mmにだってできることを思えば潰しも利き描写も悪くない良いレンズなのだが、そうではないお手軽目線の良いレンズが欲しくなってきたのだ。
そこでこの50mm F2 DG DN。Youtuberやネット民達の反応をみると好反応とは言えないのだが、筆者はめちゃくちゃ期待している。
噂の50mm F2 DG DNスペック
重さ:345g
フィルター径:58mm
最大径:70mm
長さ:70mm
最短撮影距離:0.45m(※数値はすべてEマウント版)
価格は650ドル以下(1ドル130円換算で8万円台なので実際もそれくらいだろう)
300g台という軽いAFレンズでいかなる描写性能なのかは非常に期待しているところで、最短撮影距離や最大撮影倍率に強さはないが他の50mm単焦点を見渡しても純正GMやGレンズを除けばだいたい同じような数字が並ぶので極端な弱みでもないだろう。
SIGMAの看板「I series」
多くはここで語らずともSIGMA公式サイトやこれまでのオンラインプレゼンテーションのアーカイブから存分に哲学を浴びてほしいのだが、I seriesというのは今やSIGMAミラーレス単焦点レンズの看板ブランドだ。
高い金属加工技術から生み出される1本はヨドバシなど店頭で触ればすぐにその質感・ビルドクオリティの良さを感じることができる。一眼カメラを持ち始めてすぐ、最初は安いサードパーティーだからという理由でSIGMAレンズの世界に触れたわけだが、今や筆者もSIGMAレンズに共感する1人。SIGMAユーザーなら1本は持ちたい・持ってみたいレンズがI seriesといえよう。
I seriesは現状、「高画質と常用性を両立」をコンセプトとしたF2レンズが20mm、24mm、35mm、65mmの4本展開。「コンパクトネスを追求」したレンズが24mm(F3.5)、45mm、90mm(どちらもF2.8)の3本展開されている。今回発表の50mm F2は前者、17mm F4は後者におそらく分類されるだろう。
”SIGMA内で”競合する50mm
SIGMAはI seriesのF2で展開する焦点距離のうち、65mm以外はすべてF1.4のDG DN Artラインで同じ焦点距離の単焦点レンズを展開しており、35mmに至ってはF1.2 Artも発売している。50mmという焦点距離もつい先日F1.4 DG DNを発売したばかりだ。
単純に考えるとI seriesの高画質帯とArtラインという同社内のレンズが競合しているわけだが、おそらくこれからしてSIGMAはこの展開を競合と捉えず、需要に合わせたマッチングとしているのだろう。なんともいえぬ「さすがSIGMA」感がある。また50mmF1.4とF2はもとより並行開発されたと推測できる節があり、それについては後述する。
”Eマウントで”競合する50mm
余談だが、50mm F1.4 DG DNは、その発表後すぐにSONYから50mm F1.4 GMが発表されたことで注目を集めた。SONYもすでに50mm F1.2 GMがあるのにもかかわらず、GMライン小型軽量レンズを投入してきたのだ。
もちろん対抗する手段は価格(SIGMA F1.4はヨドバシで137,500円、SONY F1.4は206,800円※3月27日時点)なのだが、SIGMAはこの50mmF1.4にピークの描写力ではなく、画面全域における安定して高い描写力を武器として載せてきた。価格差のみならず描写性能に対するアプローチの違いで差異を作ったがゆえに、50mmF1.4はSONY一択といった状況を回避したといえる。(なお50mmF1.4のメインターゲットはEマウントではなくLマウントだという見方が強い。LマウントがメインでEマウントユーザーに対しても選択肢となりえる落としどころを持ち前の光学性能で見出したところだろうか)
となると、SIGMA内でも同じ焦点距離への差別化として50mm F2は中心部・ピークの描写に重きを置いたレンズの可能性を妄想してしまう。
50mm F1.4とF2は同タイミングで第一報の開発リーク記事が出ており(SARの初報は2022年4月12日)、このことから発表・発売には実際時差が出たものの計画・開発は同時に進められたのではないかと推測できる。この2つのレンズにはArtラインとI seriesというブランド棲み分け以外にも、異なるアプローチを仕掛けているはずだ。
ちなみにI seriesでは65mm F2がとても高い描写性能でとてもファンが多いレンズ。もちろん小さなサイズ感とF2という中でArtライン級の描写性能を望むのは贅沢というものだが、やはり期待したいところ。
50mm F2が発売されるとして、最大の競合はSONY純正の「FE 50mm F2.5 G」になってくるだろうか。Eマウントにおける50mm単焦点は大量にあるが、10万円を切る価格帯となると割と数は限られる。
これの価格は9万円台中盤でF値がF2.5と若干暗めではあるものの、最短撮影距離(AFで0.35m)が短くいわゆる寄れるレンズだ。サイズ感や軽さ(174g)でも圧倒的なアドバンテージを持ち、スチル&ムービーのユーザーはこちらを選ぶだろう。ちなみに筆者はフードの形状が好みでない←
少し飛び道具的にはなるが、MFレンズではコシナの「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」が存在する。こちらは若干小型ではあるものの、重量や最短撮影距離でアドバンテージはなく価格は12万弱。このレンズの需要は描写性能にあり、万が一そこでSIGMAが迫るようならばAFのメリットと合わさってMFスチルユーザーにも新たな選択肢となりえよう。
令和の"オールドレンズ"へ
もちろん素晴らしいコーティングにより、オールドレンズのような派手なフレア・ゴールドは発生しないと思われる。それでもI series独特の質感はオールドレンズ同様、一言で表現し難いような所有感を間違いなく満たしてくれるはずだ。
見た目、ハンドリング、パフォーマンス、それらが合致したならばまさにそれは令和のオールドレンズと呼べるのではないだろうか。飛躍した表現というのは承知だが、今オールドレンズと呼ばれるレンズ達も発売時は数あるレンズの一つだった訳で、のちに一眼カメラに再度技術革新が訪れた時、ミラーレス時代のオールドレンズとして紹介されるようなレンズであることを筆者は期待している。
写真を撮りたくなる、出掛ける時にカメラを持ち出したくなる、何年も何年も使いたくなる。50mm F2 DG DNはそんなレンズであってほしいと思う。
4月3日が待ち遠しい。
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