【連載小説】「きみの手、ばりきれい」#12-1
読者の中には誤解している方がいるかもしれないので、念のために記しておくと、俺も好き好んでこんな放擲な生活を送っているわけではない。ちゃんと勉強しようという気はあるし、ちゃんと志望校に合格したいという気概もあるのだ。
なのに、どうして身が入らないのか? ということを疑問に思うだろう。こういうことを書いてしまうと元も子もないのは百も承知だが、つまりは集中力がないのである。これは俺が「勉強できない」という事実に直結している、極めて大きな問題、喫緊の課題にすべき問題なのだ。幼少の