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【柔らかいカラダの作り方。】

こんにちは!

メディカルフィットネスViPro、理学療法士の国沢です。

今回は「カラダの柔軟性」についてです。

皆さまは「カラダの柔軟性」と聞いてどのようなイメージをもたれますか?

「カラダの柔軟性」と言えば、「筋肉や関節の柔らかさ」のことをイメージされると思います。

そうなんです。

「柔軟性」とは柔らかさを指します。

専門的には、

「柔軟性」のある物体は大きな変形が可能であり、その物体の壊れにくさにも関与していると言われています。

ヒトで言うと、大きな変形が可能と言うのは様々な姿勢を取ることができる。

物体の壊れにくさと言うのは、ケガをしにくいと言うことができると思います。

つまり「柔軟性のあるカラダ」は、

普段座っている椅子や寝ているマットレスなどに対応してカラダを合わせることができる。

そして、様々な環境の中でもカラダを痛めにくいと言えます。

また大きな変形が可能と言うのは、外からの衝撃にも形を変えて力を吸収できるとも考えられます。

子供が転んだり、鉄棒やジャングルジムから落ちてもそれほど大きなケガをしないのは、この「柔軟性の高さ」のおかげで、逆に高齢者が転んだりすると骨折をしてしまうのも「柔軟性がなくなっている」からとも言えます。

「柔軟性」を高めて、ケガをしにくく、動きやすいカラダを作っていくことが大切です!

「カラダの柔軟性」を高めるために日頃からストレッチをされている方もいるでしょう。

また体が硬い人でストレッチをしようとするけど、痛くてすぐに断念してしまう方もいるのではないでしょうか。

今日はそのストレッチの時に感じてしまう強い痛みについて解説します。

実はその痛みには筋肉を「伸ばしすぎて痛い」と言うものだけではなく、

不必要に感じてしまう「見かけの痛み」も含まれているのです。

「伸ばしすぎて痛い」のは理解できると思いますが、

では「見かけの痛み」というのはどういうことなのでしょうか?

実はこの「見かけの痛み」を感じる筋肉は、何にもしていないときから必要以上に硬くなってしまっているのです。座っているときや寝ているときも硬くなっているのです。その筋肉を伸ばそうとストレッチをすると筋肉が「伸ばされたくない!」と、強い痛みを出すのです。この「伸ばされたくない!」が発動してしまうと、ストレッチ時に強い痛みを感じるだけではなく、効果も薄れてしまいます。

つまり痛みに耐えてがんばってストレッチをしても、あまり効果が出ないのです。

#こんな残念な話はないですよね

ではどうしたら効率的に「カラダの柔軟性」を高めることができるのでしょうか?

それは何にもしていないときの筋肉を柔らかくして、伸ばされたくないセンサーを発動しない筋肉を作ることです。

そのためには?

答えは『脊柱(背骨)と骨盤を動かす』です。

実は脊柱と骨盤には筋肉の硬さをコントロールセンサーが組み込まれているのです。

つまり、脊柱骨盤が硬いと全身の筋肉が硬くなりやすく、脊柱骨盤が柔らかいと筋肉も柔らかくなります。

なので、脊柱骨盤を動かして柔らかくすることで、結果的に何にもしていないときの筋肉を柔らかくし、伸ばしても大丈夫な筋肉となり、ストレッチの効果を高めることに繋がります。

ではなぜ、脊柱や骨盤を柔らかくすることが大事なのか?

まずは脊柱について。

10歳以上の正常な脊柱であれば、横から見たときに、頸椎(首)は前にカーブし、胸椎(背中)は後ろにカーブし、腰椎(腰)は前にカーブしています。

この3つのカーブが、脊柱の柔軟性を担っているのです。

しかしそれがさまざまな原因により、頸椎・胸椎・腰椎のカーブが減ってしまったり、なくなってしまったりします。

これが脊柱の柔軟性の低下になります。

脊柱の柔軟性(3つのカーブ)には、体にかかる力を緩衝する役割もあります。

 その脊柱の3つのカーブが1つ減るごとに、柔軟性がなくなり、緩衝する役割も1/2、1/5、1/10となり、体にかかる負担が増えていきます。

例えば、脊柱の上に100㎏の重りを乗せるとイメージしてみてください。

正常な脊柱(カーブ3つ)であれば、足に伝わる重さは10㎏。

脊柱のカーブが2つであれば、足に伝わる重さは20㎏。

脊柱のカーブが1つであれば、足に伝わる重さは50㎏。

脊柱のカーブがなければ、そのまま100㎏。 となります。

脊柱の柔軟性がなくなりカーブが少なくなるほど、緩衝作用が減り、体にかかる負担が増えます。

その結果たくさんの重みが足にかかってくることがわかります。

これでは、下半身の筋肉に過剰な努力が必要となって、硬くなっていき、動作が鈍くなっていくことがイメージできると思います。

脊柱のもつカーブ(柔軟性)の大切さを感じていただけましたでしょうか?

この脊柱のカーブを維持することで、バネのある強い体を維持することができ、さらにはストレッチ時には痛みをあまり感じず、ストレッチの効果も増していきます。

ではどうして、脊柱のカーブはなくなっていってしまうのでしょうか?

脊柱のタイプは大きく4つに分けられます。

この中で脊柱のカーブがなくなっているのは、フラットバックとスウェーバックです。

なんとなく周りにもこのような姿勢になっている人がいるのではないでしょうか? 

実は、

脊柱のカーブを支えているのは「筋肉」なのです!

体幹の前からは腹筋、後ろから背筋があることで脊柱のカーブは支えられています。

仮に腹筋と背筋がなくなってしまったとしましょう。

そうすると、脊柱のカーブが維持できなくなります。

まさかバラバラバラと崩れるわけにはいかないので、どうするのかと言うと、まっすぐに背骨を一列に並べて体を支えようとします。

これが脊柱のカーブがなくなっていくカラクリです。

つまり、筋肉が弱くなっていくのに伴って、脊柱のカーブがなくなっていくのです。

まとめると、

運動不足や活動量低下などによって筋力の低下が起こると、

脊柱のカーブがなくなっていき、

脊柱の柔軟性も落ちていく。

その結果、身体中の筋肉が硬くなって、筋肉に見かけの痛みが出現する。

これが答えになります。

なのでカラダの柔軟性を高めるためには、

脊柱の柔軟性を高めるエクササイズ、

運動不足の解消、

柔らかくしたい筋肉のストレッチが必要になります。

『これが健康な体を作るための秘訣でもあります』

最後までお読みいただき有難うございました!

参考:
尾崎ら:全脊柱側面レントゲン撮像による脊柱機能的評価、将来の有用性

Kendall FP et al : posture. Muscles Testing and function with posture and pain 5th ed.

Kapandji IA:カパンディ関節の生理学Ⅲ 体幹・脊柱


最後までお読みいただきありがとうございました。理学療法士の資格を有していましたが、病院という枠を出て「予防事業」に取り組んでいます。体はとても大切な資産です。運動習慣と健康習慣の啓蒙をしていき、充実した日々を過ごすサポートをしたいと考えています。