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図書委員のような部位 20/45

この記事からの流れです ▼▼▼


今日取り上げるのは、海馬傍回。
このあたりです ▼▼▼

昨日取り上げた海馬にくっついて、記憶のサポートをしている部位。
特に、風景に関する情報に敏感なようです。
また、嗅周皮質と嗅内皮質をふくんでいるので、香りとも関係します。
「コーヒーの香りがする、さわやかな朝」なんて記憶があるとしたら、まさにどストライクな部位ではないでしょうか 😊

そして、ここでは記憶の符号化と検索も行われます。
言語コミュニケーションにおいても、社会的なコンテキストの識別を行うらしいので、『図書委員』というイメージですね。


ちなみに、この部位を損傷すると、ある地点から別の場所への移動が難しくなります。
移動のためには、まず「自分がどこにいるのか」を踏まえて「目的地の方向はどちらか」を知る必要があります。
が、(特に右側の)海馬傍回が働かなくなると、そもそも「自分がどこにいるのか」を認識できなくなるそうなのです。
専門的には、そうした状態は『地誌的失見当』と呼ばれます。

記憶喪失と似ていますが、何かを思い出せないわけではなく、目の前にある物体の位置情報を処理できなくなるんですね。

脳の勉強を始めてから感じるのは、当たり前にやっている(ように感じられる)活動の高度さです。
コップに入ったコーヒーを飲むことでさえ、視覚と嗅覚に運動野。
さらに言えば、海馬や海馬傍回を総動員して行っているんですよね。
その精緻さは、まさに『奇跡的』だと感じます 😊

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