近代主義がキリスト教圏から起きた理由
昨日からの流れで、個人的にサイニック理論にはまった理由を書いてみたいと思います。
昨日の記事はこちらです ▼▼▼
サイニック理論を初めて知ったきっかけは、ちょうど1年ほど前。
経営実践研究会/藤岡会長の講演で、サイニック理論の最も象徴的な図像である『ダイアグラム』を見たことでした。
その時、会長がサイニック理論について話されたのは3〜4分でしたが、この年表がカーブしていることに、わたしはとても惹かれました。
というのも、通常、年表は直線的に表されますが、それがカーブしているということは、歴史に周期性を見ている可能性があったからです。
後日、その推測が正しかったことがわかり、スッカリはまりました。
なぜ『周期性』が大切なのかは、さかのぼること35年ほど 😊
大学時代に読んだマテイ・カリネスク氏の『モダンの5つの顔』と、その筆頭参考文献であるミルチャ・エリアーデ氏の『永遠回帰の神話』に棹さしています。
それらの本には、多くの民族と宗教が周期性を重視したのに対し、唯一キリスト教だけが『一回性』に固執したことが指摘されていました。
それは「キリストが特別だった」というよりも、初期キリスト教徒たちがキリストの奇跡を特別視したことによります。
キリストという存在の奇跡は『繰り返されない』と考えたのです。
そこから、強烈な歴史意識が誕生しました。
BC(Before Christ)を『有史以前』と呼ぶ由縁です。
そうしたキリスト教的な歴史観は、やがて「新しいものをよしとする」進歩思想を生み出します。
それが、キリスト教圏がルネサンスという『逆算思考へのパラダイムシフト』を実現し、世界を近代主義へと牽引できた理由。
つまり、歴史の周期性に対する着目は、高い視点からの文化史考察なしには生まれてこないのです。
サイニック理論の大きな魅力は、まずもって、そうした俯瞰的な歴史研究であり、ダイアグラムはその結晶と言えるでしょう。
しかも、色合いも清潔感があっていいですよね 😊
なお、サイニック理論の特徴については、こちらの記事もあわせてどうぞ ▼▼▼