「礼儀」とは何か?
礼儀、礼節、作法……
しかるべきシチュエーションで求められる『型』のことを、そう呼びます。
エチケットなどもそうですが、その本質とは一体何でしょう?
諸説あると思いますが、わたしは礼儀のことを『対人関係の次善策』だと考えています。
最上策は、「相手の感情を的確にキャッチして、それにふさわしい言動を取ること」。
ですが、それは無茶苦茶ハードルが高く、よほどの人でなければ実践できません。
人の機微が鋭敏にわかり、望まれている言動をくり出せる技術もいるからです。
たとえて言えば、世界一の「メートル・ドテル」宮崎辰さんみたいなイメージででょうか。
もちろん、そんな力量を身につけるのは大変ですし、四六時中最高度の緊張感を保って生活することなんてできません。
そこで活用されるのが『礼儀』。
人と会って挨拶をするとか、いいことをしてもらったら「ありがとう」と言うとか。
型にのっとっていれば、ひとまずそれ以上のことをする必要はありません。
それが、わたしの考える『礼儀の本質』です。
宮崎さんのたとえを広げて言えば、お店に入ってきた人に「いらっしゃいませ」というのが『礼儀/次善策』。
一度予約してくださったお客さまの名前と顔、注文された料理と嗜好を覚えておき、二度目の来店時には顔を見て名前で呼びかけ、注文の相談に乗れるのが『最善策』という感じです。
まぁ、ちょっとやそっとではできませんよね 😊
つまり、逆に言えば『礼儀知らず』というのは「次善作すら取れていない」ことなので、ずいぶん部が悪いわけです。
そういう意味では、一定の立場にいる人が偉そうにするのも、実は『礼儀知らず』と言えるでしょう。
めざしているのは、「人を不快にさせないこと」だからです。
たとえば、武道の試合ではお互いに頭を下げますが、一方だけが頭を下げる光景があったら、はたから見ても、ちょっと嫌な感じですよね。
注:何か嫌なことがあったから書いた文章ではありません 😛