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0008計画を自分のものにするコツ!気持ちを素直に書くことの大切さ

割引あり

この商品は、以下の放送(無料)と合わせて読んで頂くことで、より理解が深まります。

◇     けテぶれの計画のコツ

計画ですね。前回の放送では、「こうやりゃいいだけ」っていうのを示すのが大事だよ、っていう話をしました。「思ってることかきゃいいだけ」っていう話をしたんですけど、とはいえ、思ってること書くって結構難しかったりするんですね。

本当に何でもいいので、「今日は眠たいからダラダラやる」とか、「頑張りたいと思うから頑張る」とか、「スーパーけテぶれモードでやる」とか。連続でけテぶれがぐるぐる回ってきたら、「昨日はこういう間違いをしたから、今日はしないように頑張る」とか、昨日の学習と今日の学習が繋がって書けてきたり、いろんなことをするんで、「思ってること書きゃいいだけ、書けばいいよ」みたいなことを言うのはいいんですけど、最初からなかなかできないんですよね。

◇テストを使う

じゃあどうするか。テストを使う。1週間後とか3日後とかにテストをね、入れてください。これは指導者にお願いすることですけど、そのテストで合格点を取るための計画ですから、ということは何か目標地点がないとけテぶれ回せないんですよ。下の図で言う「大テスト」のところです。

「目標地点もなくけテぶれで勉強しましょう」ってやると、単純に手段が目的化します。けテぶれを回すことが目的になります。別に初期はそれでもいいんだけど、子供の意識としては「何日後にこういうテストがあるから自分は勉強している」「けテぶれは勉強の方法だ」みたいな意識で回させてあげないと、何のために勉強してんのか分かんなくなるので、モチベーシ ョンも続かないし、前向きな改善サイクル、改善の思考っていうのは回らないので、とりあえずテストを設定してください。

テストさえ設定できれば、もう計画は簡単なんですよ。例えば、今週末は漢字テスト6ページの1番から10番までをテストするよ、って子供たちに伝えますよね。そうなると、けテぶれの計画で書くべきなのは、「今日は漢字6ページの1番から10番をやる」って書くだけなんですね。超シンプルでしょ。そこのテストがあるんだから、そこの勉強をしますっていうだけなんですよ。テスト範囲が変わったら、その何ページのままを、やるっていう数字さえ変えればいい、っていうぐらいまで作業を単純化して、そこで悩まなくてもいいようにしてあげるっていうのが、とっても大事ですね。


そうなると、とりあえず書けるので、「何書こうかな」って鉛筆が止まることはないんですよね。とりあえず書けるんですよ。筆さえ動けば、プラスアルファで、その勢いで書けたりするんですよね。

じゃあ、初期は、プラスアルファが出たところで、それを評価してあげるわけですよ。「計画にプラスアルファが書けたね」って言って、「あなたなりの言葉が出てきたよね」って。こういう基本を土台として、そこに自分の気持ちをのせて…いうことができて、とってもいいね、みたいな話をするわけですね。

そうなると、だんだん、「これを書けばいいだけ」の土台に乗って、自分の思いや考えというものが出しやすくなっていく、という構図を作りやすいかなと思います。

◇     気持ちを書くことの大切さ

もう1つは、気持ちを書くことの大切さを語るっていうことですね。本当に作業的に「○ページの○番から○番までやる」って言って書くのは、書けばいいんだけど、そこに「頑張る」とかね、「今日はちょっとしんどい」とかね、「やりたくない気持ち」とか「やる気が満々だ」とかね、自分の気持ちを書くっていうのは、実は非常に大切で。

というのも、けテぶれはメタ認知、自分の認知を認知する、メタ認知ですね。自分のことを自分で見るみたいな感覚ですが、これめっちゃ大切なんですよ。これを大切であり、大切だからこそ、その能力が鍛えられるというか、意識されるので、自分を見ようとするみたいな意識がかなり出てくるんですけど、この自分を見るということは、自分の内面を文字に書くということで非常に促進されるわけですね。

自分の気持ちをそのまま、思ってるまま文字に捕まえてノートに出すっていうことは、そのまんま今の自分の気持ちを自分で見るっていうことに繋がるわけです。それをすると、今の自分が捉えられるので、その今の自分に合わせた学習っていうのができるんですね。これがものすごく大切で。

そうなると、どんどんノートが自分のものになってくるわけですよ。「先生に怒られないように」とか「いい子に思われるように」って言って、仮面を被った記述だと、自分とノートの距離は遠いですよね。自分とノートの間に、なんか何枚もフィルターが入っちゃうんですよね。「これをやったら怒られるかもしれない」「これをやったら変に思われるかもしれない」みたいなフィルターが何枚も入った上での記述なのか、自分の心がそのままボンと出てくる記述なのかっていうのは、自分とノートの距離が違うっていう話ですね。

自分とノートが近ければ近いほど、自分なりの学習を発明できる可能性が高まるわけですよ。だって、自分の内面とノートがほとんど同期されていくわけですから。そうなると、自分で自分を見ることがとっても上手にできるようになって、じゃあ自分に合わせて学習ってこんなのかな、って工夫することができるようになるけど、フィルター何枚も挟むと、結局そこに自分が映らないので、自分が映らないと、自分で自分分かんないですから。自分で自分が分かんないと、自分に合わせた学習方法なんてわかんないんですね。

自己調整学習なんて言われますけど、そこで言われるのは調整的なスキルとか技術っていうのは強調されるんですが、その前に自己ですよ。自己調整学習の自己、つまり自分で自分のこと分かってるっていうこと。ここがないと、調整なんてできません。自分に合わせて調整するんでしょ。その自分が分かんないのに、どうやって調整するんですか、ていう話なんですね。

なので、自己調整学習、けテぶれ、なんでもいいですが、本当に自分で自分のことが分かってるかどうかって非常に大切で、それを保証するための計画で気持ちを書くなんですね。

◇子供たちの気持ちを引き出すには

というわけで、例えば、教室にね、勉強に対して後ろ向きな子とか、別にいるわけじゃないですか。その子の中でも、ちょっとこう構えて、「なんかめんどくせえ」とか書く子とか、いたりしますよね。これ大チャンスなんですよ。

そんなこと書いたら、みんな怒られるかもしれないと思って、やっぱりフィルター挟むじゃないですか、普通ね、普通挟むんですよ。でも、「気持ち書きゃいいんでしょ」「じゃあ書きます、めんどくせえ」とか書く子、もうめちゃくちゃ褒めてあげるんですよ。「すげえな、こんなフィルター外せる子なかなかいないよ」って言って。「これこそが大事なんだよ」っていうわけですよね。

その子からしたら、「ええ?」みたいな感じですけど、こっちからしたら、本当にそれ本心ですごいと思っている。今思ってることを今思ってるがままに書くっていうのが、自分を捉えるためにものすごく重要ですから、「だるい」って思っているのなら、だるいって書けばいいんですよ。書いて、自分でそれを受け止めればいいんですよ。それができないのは、結局フィルターが挟まってるから。そのフィルターを取るっていうのは結構勇気がいるし、大変なことなので、そういうのを乗り越えてバーンと書けちゃう子っていうのを超評価して、「これが大事、この子だって。何にもフィルター挟まってないじゃん」みたいな。

じゃあ、自分のノートと、この子の距離ってものすごい近いよね、これ目指そうぜっていう話ですね。だから、ポジティブなことでもネガティブなことでも、本当いいんだと。今の気持ちが出せたら、はなまるっていうこと言うわけですよ。

その子は、照れ臭いとか、はがゆいとか、なんかそんな気持ちになるでしょうが、その子が褒めたと、じゃあ「僕は頑張ろう」みたいな気持ちになるかもわかんないですよね。次の日も「ダル」って書くかもしれないわけですよ。言うと、全然それもオッケーだし、結局「ダルダルダル」って何日も連続で書き続けると、自分で自分のことがわかるわけですね。毎日「ダル」と書き続けてる自分に、自分は出会い続けるわけですよね。

そうなると、ここが変化の、そして成長のきっかけに繋がっていくわけですね。「なんか、俺ずっとダルって書いてるな」って思うでしょね。その子がそうやって思えるっていうのが、その子が変化するための第1歩なんですよね。

(心理学的には、ネガティブな気持ちは書くべきではない、と言われます。じゃあ、そういう記述は書かせるべきではないのか。僕はそれは単なる転ばぬ先の杖を教師がついてしまっているだけのように感じます。ネガティブなことは書くべきではない。それは、子どもたちが経験から学べることです。やってみて、気づけばいいんです。)

そうやって自分で自分のことをなんとなく見つめ続けた先に、「ダルー。けど頑張る」って、何日目かに書いてみてくださいよ。そんなの、どんだけ褒めれるかって話じゃないですか。本当テンション爆上げですよ。

「これが成長だね」「これが成長、変化だね」って。「自分の現在力からの一歩ってこういうことだよね」「『ダル』から『だるい。けど、頑張る』、この一言が出せる、自分で考えて自分で書く、昨日よりもちょっと頑張る自分を自分で発見する、これが学びだよね、すごいよね」これはもう、これは教師やってたら、誰でも、テンション爆発で紹介したくなるような姿ではあると思います。

こんなふうにうまいこと行く可能性がどこまであるかっていうのはまた別の話ですけど、出る可能性はつぶしたくないわけで、そのようにするためには、今の気持ちをそのまま素直に書くっていうことを、ひたすら続けさせてあげるっていうのは結構大事なんじゃないかなと思ったりするわけです。

はい、ということなんだというわけで、計画のコツいかがだったでしょうか。

今日はこの辺で終わりにしたいと思います。バイバイ。

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