マガジンのカバー画像

【エッセイ】逮捕された新卒OLの罪

42
わたしは、和泉佳奈。 新卒でOLとして大企業で働いていた。 わたしは早くに就活を終えたので、企業でのインターンシップを行なっていたが、 この経験がきっかけである巨大な事件に巻き込…
運営しているクリエイター

#留置所

逮捕された新卒OLの罪(3,937文字)

第28章 最後の取り調べ再逮捕から数日が経ち、もう少しで勾留満期を迎える。 ただ、起訴されることは間違いないので、今後のことをただぼーっと考えてる日が長くなった。 莉子も起訴されて、恐らく数日後には拘置所に移送されるかもしれないと言っていた。 余罪が多く保釈は通らないと弁護士に言われていたのだ。 しかも、再犯でもあるため保釈申請すらしていないと笑いながら言っていた。 でもわたしは少しでもチャンスがあるのであれば、保釈申請をしておきたい。 弁護士と保釈について相談がした

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,081文字)

第25章 再逮捕腰縄を握る刑事からは「大丈夫?」と聞かれても消え入るような声で「はい」と答えることしかできなかった。 ようやく、到着取調室まで連行されてパイプ椅子に座らされる。 この瞬間、わたしはさらにガクッと首を垂れる。 この間刑事はわたしに気を使ってくれていたのか、手錠を外す際に「両手を出して」と注意を受けずに刑事がわたしの両手を嵌める手錠を外さしてくれた。

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(2,451文字)

第20章 度重なる受難わたしの勾留取り消しが決まってから一夜が明けた。 とにかく、泣き疲れていつの間にか寝ていた。 すると担当さんがわたしの番号を怒鳴りつけるように呼んだ 「066番、朝です!いつまで寝ている!」 最悪の目覚めだ。できれば夢であって欲しかったが、そうもいかない。 ただ、久しぶりに熟睡した感覚があり、体が少し軽い。すぐに布団を畳む。 わたしは、便意を催したので担当さんに対して担当さんに申し出て「官チリ」を貰う。 固くて品質が良いとは言えないが、ここではト

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,016文字)

第17章 勾留開示請求取り調べから帰った後に莉子と話題になった勾留開示請求。 わたしはこの言葉を初めて知ったので、頭の中が「??」でいっぱいだ。 明日、弁護士さんに聞いてみよう。 そう思って次の日になった。 この日は、取り調べが特になかったので、莉子と話す機会が多かった。 わたしは勇気を振り絞って莉子に話をかけた。 今まで自分から話をかけることがなかったので、被疑者同士の交流はあまり取るべきではないと思っていた。 昨日話した「勾留開示請求って何?」とわたしが莉子に問い

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(2,402文字)

第14章 弁護士と2回目の取り調べわたしはついに10日間の勾留が決定して、少なくともあと10日は留置所で身柄を拘束される。 とにかくに取り調べや面会などがない限りは、基本的に暇だ。 同部屋の莉子とは、年が近いからか話がよく弾む。 「そうなんだ。特殊詐欺は、今厳しく取り締まりされているから大変だよね。 ちなみに私はシャブだから少なくとも、今回は保釈とか難しそう。。。」 わたしは莉子に再犯かなど聞きづらいこと意を決して聞くと、 「うん、去年執行猶予がついたんだけど、フラッシュ

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,120文字)

第13章 勾留決定担当さんのベルトに腰縄を繋がれながら、トイレまで 連れて行ってもらう。 これだけでもかなりの屈辱だ。 同行室から、さほど遠くないところにトイレはあるのに、牢屋から一歩出るだけでもこうやって腰縄を巻かれて人に繋がれるのだ。 まるで奴隷のような気分だ。

¥350〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,800文字)

第10章 憂鬱の連行夕方近くになると、各留置所ごとに被疑者達が集められる。 わたしはここで夕方でもう少しで帰れると思っていた。 担当さんの指示で別の牢屋へ移動した。 ここで別の被疑者が目配せやサインなどと思われる行動を取るのを見た担当さんが烈火の如く叱りつけられる。 大したことのない被疑者同士の挨拶のつもりではあるが、やはり、なにかあるといけないため 担当さんのの目を光らせていた。 留置所から戻る時は担当さんがかなりピリピリしていることがわかる。 牢屋に各留置者が

¥400〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,719文字)

第7章 東京地検早朝からグレーのスウェットを着て、手錠と腰縄で拘束された女性たちがどんよりとした暗い雰囲気で地検へ護送される。 わたしはとにかく不安で仕方がなかった。 バスの中は、窓際の人は景色を眺めていて、わたしは通路側だったので常に前を見て、時には目を閉じてこれから起こることが夢であってほしいと心から思った。ただこれは現実。 護送車に乗ってしまったわたしたちは、もう自分たちの意思では戻ってこれない。 少し下を見ると美人の被疑者と繋がれている腰縄が視界に入る。 厳重

¥300〜
割引あり

逮捕された新卒OLの罪(3,394文字)

第6章 送検留置所内では、朝から担当さんが忙しく動いている。起床前からガチャガチャと音を鳴らしている。 そして、起床時間になってすぐに布団を畳む。 朝食が配膳され、特に食べることなく残して運動と呼ばれる身じたくも手短に済ました。 わたしの髪はミディアムのウェーブが少しかかった髪型なので、櫛を使ってしっかりと整えていた。 これがここでできる唯一のおしゃれだから気を遣った。 すると担当さんから「066 番」と番号が呼ばれると、牢屋をあけて、留置所の出口で連れて行かれる。わ

¥300〜
割引あり