7/1(水)
しゅたっ、という着地がしたくて、近所の公園に行った。
まずブランコに乗って、こいである程度勢いをつける。
そしてちょうどブランコの角度が空に向いた時、手を離した。
しゅるりん
ひょうたんW持ち清掃員の片方に吸い込まれてしまった。
こんな時のために人差し指を限界まで鍛えていたので、ひょうたんの内側から穴を開けてなんとか脱出した。
ひょうたんは中身を食べ終わった落花生のように粉々になった。
清掃員のおじさんには悪いことをしたかもしれないが、ひょうたんの中には何にも入ってなかったので、元々サボってたんだろう。
気を取り直して、ジャングルジムの上に登った。
約2mの高さから飛ぶ。
バリーン
履いてきたガラススニーカーが落下の衝撃で粉々に砕けてしまった。
こんな時のために足の裏を限界まで鍛えていたので、破片は1つも貫通しなかった。
気を取り直して、自分よりかなり背の高い鉄棒にぶら下がった。
勢いはつけずそのまま手を離す。
ノバッ!
下にNOVAウサギがいるのに気付かず、踏みつけてしまった。
企業に魂を売った哀れな動物の断末魔。
遊具はあきらめて、木に登った。
ぼくが子供の時から生えてる木。
感慨深くなって樹皮を撫でてからキスした。
んぷっ
思ったより生々しい感覚だった。
すると木がみるみる萎んでいって、人間の子どもくらいまで小さくなった、というより、人間の子どもそのものになった。
その子どもはぼくが小学生の時に転校したはずだった峰曽田さんだった。
給食を毎日残していたら、給食のおばさんに木に変えられてしまったという旨をやけにハキハキと教えてくれた。
100円玉を渡したら喜んで走って行った。
いい加減、しゅたっ、と着地したい。
バキュン
撃たれてしまった。
こんな時のために死後即復活術を覚えていたので、すぐ復活した。
バキュンバキュンバキュンバキュン
帰宅して玄関のドアを閉めるまで1m毎に撃たれた。
1m毎に復活した。
あ~てか最初からこんな時のために覚えておいた時止めを使って帰ればよかった。
いや、そもそも、砂場で軽くジャンプしとけば、しゅたっ、って着地できたんじゃないか。
((( いや、それは、さくっ、だろ )))
家中の果物たちにテレパシー説教された。
カチンときた。
こんな時のために果物の残酷な切り方を覚えないと。