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今の自分の感性でOKと言われてほっとした話〜ゆるディベート&ゆる鑑感想〜

昨夜はNサロンからの派生イベント、ゆるディベート&ゆる鑑(ゆるゆるアート鑑賞会)に参加しました。

第一部 ゆるディベート

ゆるディベートというのは一言でいうと「テーマのある自由な雑談」。

詳しくはこちら

テーマはあるけど「脱線?OK、ばっちこーい!」なので、「紅茶とコーヒーどっちが好き?」というテーマだったのに「イギリスのメシがまずいのか?」→「いや、仕事で行ったけどそんなことなかったよ!自炊してたけど」→「それは自炊の腕次第やないかーい!」とか「アメリカの『ロッポンギ』っていう店のカツ丼は汁?たれ?がご飯ひたひたシャバシャバくらいかかっててしょっぱかった。その店はもうない」とか、「テーマなんだっけ?」という感じで盛り上がりました。

次のテーマ「犬とネコどっちが好き?」、私はどっちもお迎えしたことないのですが、犬派猫派どちらもいるブレイクアウトルームで「本当に好き」があふれるお話を聞けてなんだか幸せでした。

好きなものを語るというのはよいですねー。

第二部 ゆるゆるアート鑑賞会

そして後半戦、先日の臼井隆志さんがファシリテーターを勤められた「対話型鑑賞×メタダイアログ」からの派生で、本日はNサロン参加者のSeinaさんがファシリテーターの「ゆるゆる鑑賞会」。

先日参加した対話型鑑賞の感想noteはこちら

↑でも紹介させていただいたSeinaさん

美大出身とかでもなく、元はただの「アート好き主婦/ママ」だったのが、子供を連れて美術館に行くようになり、それをmixi(懐かしい)、そしてブログに書くようになって、美術館からお声がかかるようになり、家族の都合でシンガポール→マレーシアに行った後も美術関係のライティングをされてる……というすごい方。

ほんとすごい。

そして本日の題材はこちら!

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会田誠さんの『あぜ道』。

美術・芸術にとことん疎い私ですが、会田誠さんは存じておりました。職場(出版社勤務)に会田さんファンがいて、以前会田さんの個展に行ったと話してくれたことがあったからです。

とはいえそのとき話題に出た「犬シリーズ」を知っている、程度でしたので最初に見たときにはこれが会田さんの作とは分からず。

「おぉ……分け目があぜ道と繋がっている……」というのが最初の印象でした(見たまんまやないかい)。

画面の真ん中で左右を分断する、本来つながるべきものではない「少女の髪の分け目」と「あぜ道」。

そしてあまりにもリアル。

風景や少女の「描き込み」もリアルなのですが、髪の毛を結ぶゴムの飾りががうまく同じ方向に向けられてないことや後毛の出方、後ろ襟のしわなんかがとてもリアルで。

それをこの至近距離で描いていることに、なんというか「居心地の悪さ」を感じました。

あまりにもリアルで、絵に力がありすぎて、「この距離感に人がいたら嫌だな」って思ってしまったんですよね……。

そしてこれを描いた人には娘さんはいないだろうなって思いました、何故か。なんかこう……生々しい感じがして。うまく言語化できないんですけども。

それから、なんとなく「少女礼讃」を思いました。

どちらも、嫌いじゃないけど、なんとなく苦手。


ZOOMを使用しての会だったので、ブレイクアウトルームを使って4人程度で感想を言い合う形だったのですが、私が振り分けられた班は全員女性でした。

このチーム内での主な感想は「ちょっと気持ち悪い」。ここに男性がいたらまた違った感想も出たのかなーと思いました。

作家名や作品タイトルが明らかになり、Seinaさんの解説……というあたりで0歳児の授乳と5歳児のの寝かしつけのために離脱。

するつもりだったのですが、続きが気になってしまい急遽スマホで入り直し諸々しながら耳だけ参加……と言いつつも、なかなか耳に集中できなかったので残念でした。

途中ほぼほぼ聞けなくて、終盤やっとこちらに意識を戻せたのですけども、そのあたりでSeinaさんが「芸術家は10人中11人が変人」「『こんな風に鑑賞して欲しい』というのはあるけど、そうならないのもわかってるから諦めてる」「だからその時の気持ちで好きに鑑賞してOK」というようなことをおっしゃってて、それがすっと自分の中に入ってきて、ほっとしました。

母としてアート・エンタメに触れるということ

何故かというと、子供を産んだ後に「楽しめるもの」に制限がかかってしまったような気持ちになっていたから。

会田さんの絵、前述した同僚から教えてもらったときには、単純に「すごい」と思って、むしろ好意的というか、『多重人格探偵サイコ MPD PSYCHO』(原作:大塚英志、作画:田島昭宇による漫画)の話など絡めて色々と話も弾んだのです。

でも、娘を出産後、会田さんの作品に限らず、「子供が辛い目に合う話」とか、「女の子がひどい目にあっている絵」とか、そういうのがグッとダメになってしまって……。

作り物だと切り分けたい、とは思いつつも、共感性が強すぎるのか心を持っていかれてしまい……それはその対象に力があればあるほどそうで。

今回の『あぜ道』で、会田さんが何を表現したかったのか、そんなことは初見の私にはわからないのだけど、少女の髪の分け目とあぜ道が、左右を分けてしまうことで、その左右が対象ではないことで、本来つながるべきではない髪と分け目とあぜ道がつながっていることで、言いようのない居心地の悪さと違和感を覚えたのは、解説でSeinaさんが言っていた元となる絵(調べました、東山魁夷の『道』)に、異物とも言えるような女子高生をぶち込んだことによる違和感を感じ取った……のか??

田舎のあぜ道に女子高生がいる、その後ろ姿。

文字にしてしまえば普通に、どこの田舎にもありそうな風景なのに。何が不安なのか、それは私が母親になったからなのか、それすらもわからないけど。少なくとも今は、会田さんの作品の大半が「ちょっとしんどい」という部類に入ってしまう。

産後、産前好きだった漫画が「子供が辛い目に合う描写がある」ということで読めなくなったことで「私の"母"の部分が邪魔をして、楽しみの幅が減ってしまった」と思って、なんだかつらい気持ちになっていました。会田さんの作品もそう、母になってしまったから制限がかかってしまった……と。

でも今回、「その時の気持ちで好きに鑑賞してOK」「必ずしもポジティブな反応でなくて大丈夫」と言ってもらったことで、「"今"の自分でアートやエンタメに向き合っていいんだ」と思えました。

なんか気が楽になったーー!!!

思えば「ゆるディベート」も、「好きなことを好きなように喋る、脱線OK」ということで、「"今"の自分が何を考えているか」を気兼ねなく発表していい場。

だから、ゆるいテーマでお喋りしただけなのに、あんなに楽しくて幸せだったのかなぁと思ったり。

いろんな視点に気付くきっかけとなったNサロンに、今回この機会を作ってくれたNサロンメンバーに、そして会田さんと会田さんの作品に感謝を込めて、勢いでnoteを書いてしまいました。

小説も、私、気になります!

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