「過ちを指摘すること」と「問題の内容を調べずに叩く」ことや 「人格を全否定する」ことは違う〜小林賢太郎氏の解任を受けて〜
タイトルの内容と
私は小林賢太郎が好きだ。
ということについて書いたnoteです。
Twitterやnoteで見かけた勘違いについても
少し書いています。
私は小林賢太郎が好きだ。
中3の受験期に
受験勉強で夜更かしをするようになり
見出した爆笑オンエアバトルで
ラーメンズを知った。
(勉強しないで見てたわけじゃないんですよ、
塾から帰ってちょっと勉強したら
ちょうど放送時間だったんですよ…)
初めて見たのは
「ゲーム」というネタだったとおもう。
正直当時の私には訳が分からなくて、
最初からハマったわけではなかった。
入学した高校の数学の先生がお笑い好きで、
爆オン(って略してた)の話になった時、
その先生がラーメンズ推しで
(当時推しという言葉はなかったけど)
わざわざ爆オンのラーメンズのネタだけ
選りすぐって録ったVHSを貸してくれて、
そこからハマって行った。
貸してくれたいずみちゃん元気かな。
大学進学で関東に出てからは、
食費を切り詰めてでも
本公演やKKPのチケットを取った。
学費も家賃も、生活費の全ても
自分のバイト代と奨学金で賄ってた私には
あまり余裕はなかったけど、
それでも行きたいくらい好きだった。
結婚して子供を産んでからは全く行けなかった。
1人目が3歳になり、少し落ち着いたからと
カジャラの公演のチケットを取っていたら
二人目の妊娠が判明、
つわりと不正出血で泣く泣く諦めた。
ら、その後コロナの蔓延、からの
小林さんパフォーマー引退。
当時はしばらくため息ばかりついていたが、
理由がとても小林さんらしいと思ったので、
「裏方になってもきっと
素敵な作品を見せてくれるに違いない。
表舞台にいなくても好きでいていいよね」
と思って、応援しつづけよう、と
前向きになるようにした。
「解散していないこと」を心の糧に
ラーメンズの本公演を待ち望んだ身としては、
とても残念ではあったけど。
オリンピック開閉会式ディレクター解任について
東京オリンピック、パラリンピックで
小林賢太郎さんの名前を見た時は本当に驚いた。
「日本でやるからみようかな」
くらいの興味だったオリンピックを
俄然見る気になった。
が、今回のこの騒動。
私は件のコントを、
この問題が持ち上がるまで知らなかった。
私がハマったタイミングより前のコントで、
そのVHSは持っていなかったためだ。
基本割れ(違法アップロード)を見ることをしない
私には触れる機会がなかった。
今回も迷った。
が、問題の本質を知るには見るべきか、
と思い一度だけ見た。
確かに問題とされる発言をしていた。
それは間違いないし、
擁護できる問題ではないと思う。
笑いに持ち込んでいい言葉ではない。
日本人にわかりやすいところで例えると
「原爆投下殺戮ごっこ」あたりだろうか。
「それをしようとして止められた」というネタ
=そのことに否定的である、としても、
そもそもその言葉自体を使ったことは
批判されて然るべきであると思う。
本人も解任後のコメントで認めている通り。
今回の件は小林賢太郎という人物の
過去の一面でしかない
それでも私は小林賢太郎が好きだ。
「盲目的なファンが」と
いう人もいるかもしれない。
それは違う、と、
その否定も無意味かもしれないとわかりつつ、
言わせてもらいたい。
長くラーメンズを、
小林賢太郎を追ってきたファンならば
本人が語ったインタビューを見るまでもなく、
氏の笑いが「傷つけない笑い」へと
洗練されて行ったことを感じ取っていると思う。
そしてコントに対して真摯に向き合い、
言葉を丁寧に紡ぎ、
魅せ方にとことんこだわる氏の姿を
見てきたと思う。
こだわるからこそ、
パフォーマーを引退する決断をした。
そんな「小林賢太郎」だからこそ
「小林賢太郎が好き」なのだ。
ラーメンズは今、
YouTubeに公式チャンネルを持ち、
ソフト化されているコントを無料公開している。
その広告収入は日本赤十字社を通じて
災害復興にあてられている。
https://netatopi.jp/article/1037523.html
もちろん、
「今いいことしてるんだからいいでしょ」
というつもりはない。
ただ、かつてコントで
「不適切な発言をしてしまった」のも、
そこから成長し、
今「人を傷つけない笑い」を心がけているのも、
「復興に貢献しよう」としているのも、
全て小林賢太郎なのだ。
「過ちを指摘すること」と
「問題の内容を調べずに叩く」ことや
「人格を全否定する」ことは違う
23年前のコントの発言を
「不適切だ」と指摘するのはいい。
しかし氏のことをそれだけで判断して、
人格を否定するような発言をするのは、
ちょっと待って欲しい、と、思う。
これは今回の件、対小林賢太郎だけでなく、
どんな問題にも、誰に対しても。
何か批判されることがあったとしても、
それはその人物の一面に過ぎない。
「そのこと」についての指摘、批判ならいい。
しかし「その人」を全否定するのは
また違った問題になると思うのだ。
そもそも正しい情報をもとに
意見を発信しているのか?
そもそも、間違った情報での
ツイートやリプ、noteをいくつも目にした。
簡単に情報が流れてくる時代に、
その正誤を確認せずに発信するのは
とても危険だと思う。
言葉は誰かを傷つける刃になりうる。
それに気がついたから、
小林賢太郎氏は問題となったネタを
その後封印しているのではないか、と思う。
とは、私の想像だけど。
(同じVHSに収録の『日本語学校』については、
その後のライブでいくつも派生系を演じている)
SNSで見かけた勘違いについて
・公共の電波(テレビ)で流した
・NHKで放送された
・問題のコント動画を自ら公開している
これらは全て間違いである。
元ネタは「ゴンタくんとのっぽさん」と
言っていることからわかる通り
かつてのNHK番組「できるかな」であり、
コント名も「できるかな」となっているための
誤解もあろうが、少し調べれば
「98年に行われた公演のVHSの映像が
勝手に動画サイトにアップされたもの」
であることがわかる。
※1998年発売のVHS
『ネタde笑辞典ライブ Vol.4』に収録された
2本のコントのうちの1本。
初単独ライブ『箱式』@シアターD(収容人数100名)
より前に発売されている。
本来であれば「劇場」というクローズドの場所、
もしくはVHSを買わないと
見られなかったものである。
ネットニュースなどの見出しが
「小林賢太郎氏が解任
98年ラーメンズの
ホロコーストネタ動画SNSで拡散」
となっていることも、
自ら動画を公開したと勘違いされる
要因かとおもう。
タイトルだけ見て内容を見ずに
ツイートする人は少なくない気がする。
気軽に意見を発信できることが
Twitterの最大の魅了であろう。
しかし、
誰かを批判するような内容の時は少し待って、
「本当にそうなのか」と調べて欲しい。
ツイートしていることが間違っていることも、
タイトルだけでは誤解を招くことも、
記事自体の表現もわかりにくいこともある。
私がnoteを書いたところで
影響力なんてないのはわかっている。
だけど書かずにいられなかった。
突発的な感情で、
強い言葉を誰かに投げかけるようなことが
ひとつでも減ると嬉しい。
最後に
小林賢太郎さんの名前が
今まで小林賢太郎さんを知らなかった人に
このような形で伝わってしまい
非常に残念で仕方ない。
私はコントに真摯に向き合う
小林賢太郎さんが好きです。
誰に何を言われても好きです。
ラーメンズ好きな友達から
「小林さんが悪く言われてるのが辛い。
でも変な絡み方されるのが怖くて何も言えない」
とLINEが来た。
そう思っても仕方ないとおもう。
でも、だからこそ今ちゃんと言いたい。
小林賢太郎さんが好きです。
もちろん片桐仁さんも好きです。
10代後半から20代半ばまで、
私の青春(というには遅すぎかもだけど)には
ラーメンズがいて、ラーメンズに救われました。
今でも二人が好きです。
応援しています。
そして声を出せなくても
応援している人がいっぱいいます。
どうかどうか、お二人が、
お二人の心が潰れませんように。