とかげ
久しぶりに読んだ。
確かこれを買って読んだのは、もう10年以上前のことだと思う。
彼女の作品は何冊も持っていて、それぞれ何度も読み直しているけど、これもその一つ。
彼女の世界は、いつも私をあるべき場所へ戻してくれる。
どの作品にも根底に流れている、世界の残酷さと美しさ、生きていくということ、愛するということ、その、とてもシンプルなことが、私を真ん中に戻してくれる。
私は、彼女の世界に登場するような、悲惨な状況でもないし、不幸な生い立ちでもないし、むしろ恵まれている、と思う。
だけれど、日々の生活の中で勝手に積もっていく黒いものたちが、色々なことが重なって、うすーく重ーくモヤがかかったみたいにまとわりついてなかなか晴れない。
息を吸ってるのに、酸素が入ってこない。
あぁ、、なんか、最近しんどいな、何ってわけじゃないんだけど、なんとなく心に蓋したことが、もう忘れてるくらいのことなのに、それこそ、除菌してカビは取れてるのにその色だけ残ってる、みたいな。
そんなとき、なんど救われたことか。
今回も、救われた。
ありがとう。ありがとう。
ありがとう。
それが伝えたかったから書いただけのような。
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