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野球選手に必要なストレングストレーニング -その1-

初めに


こんにちは!
理学療法士として、千葉県で勤務しております
野坂光陽と言います!

現在は、理学療法士としてクリニックで勤務しながら
休日などを用いて、野球選手のパフォーマンスアップのために
パーソナルトレーニングを行っております。

また、先日NSCAという団体で
CSCS:Certified Strength and Conditioning Specialist
という資格を保持しております。

今回のメインどころとして
理学療法士の観点ではなく
CSCSの視点から、野球選手に必要な
ストレングストレーニング=筋力トレーニングについて
note記事にまとめていきます!

もちろん、身体の専門家である「理学療法士」としても
学ばせていただいているので、そちらの観点からも
ストレングストレーニングを紐解いていければと思います!

現在私はパーソナルトレーニング現場において
ストレングストレーニングのフォーム指導やプログラムデザインも
実施しております。

まだまだ学びの途中なので、情報不足であったり
間違った知識を公開してしまうかもしれませんので
もしこの記事をお読みになった方でご意見がある方は
遠慮なくコメントや私のSNS宛てにDMいただけると幸いです!



みなさんでよりよい知識を学び、選手に還元できるように
頑張っていきましょう💪

ストレングストレーニングとは

ストレングストレーニング=筋力トレーニング?

世間一般的に言われているのが「筋力トレーニング」という
言葉ではないでしょうか?

僕は小〜高校まで野球を続けてきた中で、
筋力トレーニング:筋トレというのは
腕立てや腹筋背筋、ウエイトトレーニングと
とりあえずなんでもかんでも身体を鍛えることを
筋トレと呼んでいましたし、考えていました。

そして、それは今考えるとそこまで深く考えられたものでなく
ある意味伝統的であり古典的でもある昔ながらのトレーニングが
実施されていたように思います。

専門的な勉強を行う中で、もちろんそれら伝統的かつ古典的な
方法が間違っているとは到底思えませんし、もちろんプログラムの中に
取り入れることがあるのでそれらを否定したいというわけではありません。

今回私がこの記事内でお話していく「ストレングストレーニング」とは
バーベルなどを取り扱う類のトレーニングであるとご容赦ください。

トレーニングという概念の再定義

どんなトレーニングにおいても、それ自体が目的化しないように
するべきだと考えています。

どういうことかと申し上げると、、、

プッシュアップ:腕立て伏せを例に取りましょう

これも私が現役時代のお話になりますが
プッシュアップをするのは、ただ純粋に数をこなし
腕を太くするものであると考えてひたすらやっていました

しかし、時代が進み専門的な学習をする中で
プッシュアップで得られる恩恵がどれだけのものであるかを
思い知らされることになります。

プッシュアップ(別法含む)で得られる恩恵
・頭部-体幹-下肢の安定性
・腹圧の安定化
・前鋸筋-上腕三頭筋-大胸筋の共同収縮
・肩甲帯の安定化
・RFDの向上
・Anti-Rotationでの肩甲帯や体幹の安定性強化

挙げられるように、プッシュアップの恩恵って
めちゃめちゃ多いです。

ただ単純にプッシュアップをこなすと、これはプッシュアップをするという
「目的化」となってしまい、恩恵はフルに受けられないでしょう。

上記の恩恵を考えながら、意識も変えながら行っていくと
プッシュアップが「手段化」します

手段としてトレーニングを実施できるようになると
「足りない、もしくは向上させたい機能や能力」を補うための
「手段」として「プッシュアップ」がトレーニングプログラムとして
選択されることになります。

この「目的化」と「手段化」の施行の違いが
トレーニングプログラムひとつを取り出しても
大きく違うことがご理解できたかと思います。

トレーニングは、足りないもしくは向上させるための
一つのツールであり、それを「手段化」することで
最大の恩恵を受けることができます。
そして、「手段化」するためには
指導側がもちろん圧倒的な知識量や情報量、勉強量を
積まなければならないのと、選手側もしっかりと
考え、自分で学び、行動していく必要があると考えています。


ストレングストレーニングの必要性


まず第一に挙げられるのは間違いなく
「筋力の向上」のほかありません。
そもそも、ストレングストレーニングの目的の最重要項目だからです。

ストレングストレーニングプログラムでは、ピリオダイゼーションに基づき
その期ごとにトレーニングの目的は変化しますが
それらを期分けしたものが下の写真になります。

レジスタンストレーニングのためのピリオダイゼーション NSCAより

野球を例に出して説明をしていくと、冬のシーズンがピリダイゼーションでのオフシーズンになります。
ここでのレジスタンストレーニングの目的は
「筋肥大と筋力及び基礎筋力の向上」になります

上記のように、その期に応じたレジスタンストレーニングの目標地点が
異なります。
なので、シーズン通して一律のトレーニングプログラムを組むのではなく、
そして冬だからといってきつい練習ばかりをするのではなく
「その期に応じたトレーニングプログラムが存在している」と
ご周知いただければと思います。

基本的な流れとしては、
筋肥大(筋肉量)の向上⇨筋力の向上⇨筋力発揮速度の向上
といったような流れでトレーニングプログラムを形成しております

第一段階の筋肥大段階では、筋肉量を底上げしていくイメージです。
いわば、身体の土台作りをしていくようなイメージで大丈夫かと思います。

第二段階では、第一段階で筋肉の「量」を底上げしたので、
今度はそこに「筋力」という要素を付け加えていく作業になります。
力というのは、簡単にいうと
「どれだけ重い物を持ち上げられるかどうか?」という機能になります。

これは、筋肉の肥大による重さを持てるだけのキャパシティ:準備期間が
あることによるものが大きいです。

春先のキャンプでのニュースで、
「〇〇選手、今冬で体重が〇〇kg増えて。。。」
のようなニュースが出ると思いますが
これらは筋肉量が増加したのか、脂肪量が増加したのか
ちゃんと測定してみないことにはわかりませんが
この時期では「筋肉の量」の増加が重要であることが言えます。

そして筋力段階で得られた「重い物を持つ能力」から今度は
第一以降期及び試合期にて、
軽い負荷でも力発揮をしていく必要があると考えていく段階に入ります。

最終的にはボールという軽い質量のもの
または1000gくらいのバットを高速で動かすためには

1.まず筋肉量を増やす
2.増えた筋肉がしっかり機能するように重い物を持てるようにする
3.機能的になった筋肉が速い動きでも機能するように負荷を変化させる

この順番が重要になります!


ウエイトの恩恵1 エネルギーフロー


ストレングストレーニング(ウエイトトレーニング)を
行うことで得られる恩恵は、前項でお話した通り
最終的に、ボールやバットを高速で動かすために必要なことと
お伝えしました。

それ以外にも実はウエイトの恩恵があります。

それは、運動の効率化です。

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