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大三島の小さな喫茶室にお邪魔して考えたこと

先日、大三島に7月末にオープンした「宗方喫茶室」に行ってきた。店主の中村さんとは、東京にいた頃の共通の知人がいて、その方と一緒に5年ほど前に内海町に来てくださった時に知り合った。その時は、一緒に漁船に乗って定置網漁を見たり、鯛の姿盛りを作ったりした。

宗方喫茶室は、大三島の宗方という集落にある。ご自宅の隣にある元みかん蔵を改装したそうで、二階からは海が見える。味わいのある古道具があって、店主ご夫妻の本も置いてある。席は3席とこぢんまりしている。夫の彬さんは「パヤパヤファーム」の屋号で農業をされていて、柑橘や野菜を無農薬で育てているそう。それらの食材を使い、妻のまなみさんが焼菓子や飲み物を作り、提供している。丁寧に作られたお菓子と飲み物をいただきながら、ゆったりといい時間を過ごさせてもらった。


この日は、私たち以外にも2組のお客さんが来ていた。そのうち1組は、親世代くらいのご夫婦だった。まちなかではなく田舎でやるからこそ、店主のこだわりや個性が光るお店が多い気がする、と話していた。奥さんの方は猪のレザーバッグのようなものを持っているようだった。こういう田舎の小さなお店に行くのがお好きなようで、景色や空間、提供されるお菓子、店主ご夫妻とのおしゃべりもまるごと楽しんでおられる感じがした。自分たちがやるお店にも、こんな方が来てくれるといいなと思った。

わたしたちも週末だけの喫茶店を始めようとしている。ここに来るまで、これから自分たちがやろうとしていることに対して、全然専門でもないし不安で、結構ナーバスになっていたと思う。自分たちが最近好きなお店は、普通のお店では満足できなくなっていて、空間やロケーションがいいか、何度通っても毎回何か発見があるお店だったりしたので、余計にハードルを高く感じていたのかもしれない。

だけど、わたしたちは飲食店のプロじゃない。わたしたちがやるなら、そこで食べるものや飲むものを目指してくるというよりは、もっと別の何かを感じに来てもらう場所になるだろう。

まずはとにかく、簡単でもいいから始めてみることだ。やりながら変えていけばいい。いつかやりたい、とノートに書いているだけじゃ、何も変わらなかったのだから。


宗方喫茶室は、現在は予約制で9月10日・11日までの営業となり、9月後半はテイクアウトのみになります。10月からしばらくは、奥様のご出産を控えているためお休みだそうです。再開は年明けの予定とのことですので、具体的な日程については、宗方喫茶室のInstagramをチェックしてみてくださいね。

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