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#1-column この世界にただ在ること

この世界にただ在ること。
私が私としてただ存在しているだけで在る状態。
これは意外と難しい。

私は今、1週間前に購入したiPhone15に文字を打ち込んでいる。
少し前は右手にお箸を持ち、熱々のきりたんぽ鍋を食べていた。
その後は特に何もしていないが、ぼーっと椅子に座っていた。

私が私だけで在り、何もしていない、ただ在るという状態に至るためには
どうしたら良いのだろうか。

英語で1番最初に習うbe動詞。
辞書で意味を調べると「〜である」、「〜にいる(ある)」と出てくる。
私はI am . の状態を探している。

どうすればただ在ることができるのだろうか。

私は私自身を見ることはできない。
しかし、私が私を演じているのを常に見ている「他者」がいるような気がする。

私がただ私として存在できないのは、
「他者」が常に見ていて、私を意味づけしているせいではないか。

あなたは今スマホにテキストを打っている。
あなたは今ご飯を食べている。
あなたは今座っている。

何もしていなくても、あなたは今息をしている。
とか言ってくるに違いない。

この「他者」は誰だ?
暗闇に1人だけの空間でも、この世界に自分以外に誰も居なくても、
その「他者」は私を見ているような気がする。

どうすれば私はただ私として在ることができるのだろうか。

この「他者」は「自分」と呼ばれるのかもしれない。
「自分」で勝手に自分を意味づけて、何かをしていないといけないような気にさせているのかもしれない。

本当は何もしていなくても良いのに。
ただ在るという状態でも全く問題はないのに。
「自分」が何かをさせてくる。

駅のホームで3分後にくる電車を待つ時間。
気づくと右手にはスマホが握られている。
特に目的もないのになんとなく画面をスクロールしてしまう。
ただ在るだけではダメなのだと。
何か少しでも進歩しなければならないのだと。

本当にそうなのだろうか?

マラッカのザビエルさんの丘から見た広い空。
水上モスクのバックに燃える夕陽。

壮大な自然を前にすると、ただ在ることができたような錯覚を覚える。
「自分」の役割を彼らが代わってくれるから。

ああ、気分が良い。
私が旅に出る理由の1つかもしれない。

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