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#1-11 マラッカに到着して
2席の空きがあったのは、16:00のバスと23:30、23:45のバス。現地観光時間30分を取るか、クアラルンプール到着深夜3時を取るか。さすがに30分では何も見られないが、かといって深夜にクアラルンプールに帰ってくるのも少し怖い。TBSからホテルまで帰るためのGrabがいるのかも分からない。いっそマラッカ行きを諦めるか?
妻と2人でうんうん唸りながら考えてるうちに、23:30のバスの空きがなくなってしまった。ええい、明日も特に予定はないしマラッカ満喫してやる!せっかく行くし!23:45マラッカ発、3:08クアラルンプール着のバスを予約した。ちなみに1人たったの13リンギット。日本円にして約450円。高速バス3時間でワンコイン以下。なんて安いんだ!
マラッカで観光地と言われるところはそこまで多くない。前日の夜に何人かのYouTubeを見て予習したが、全員がほとんど同じ場所を、しかもほとんど同じ順番で回っていた。私たちも初マラッカなので、教科書通りのルートで行こうと考えていた。初めてのラーメン屋さんでは看板メニューを注文したくなるのと同じ心理である。結局2回目は行かずに、それ以外のメニューを食べられないことが多いのだけれど。
3時間の予定だったが2時間半ほどでマラッカセントラルに到着した。
海外でバスに乗ると、予定よりも早く着くことが多い。しかもかなりの時間を巻いてくれる。理由は簡単、予定の時間は法定速度で走った場合であるのに対して、運転手さんの頭の中には「法定速度」という概念がおそらくないからだ。スピード出てた方が早く着くし、かっこよくない?くらいの感覚だと思う。
何はともあれ大きな事故も小さな事故もなく(またシートベルト濡れてたらどうしよう…と内心ビクついていた:https://note.com/k_moch1079/n/n9315285830e1?sub_rt=share_pw)、無事に世界遺産の街に到着した。教科書通り、Grabを呼び「ジョンカーストリート」へ向かった。
まずは腹ごしらえだ。お昼の時間はとうに過ぎでいたが、腹ペコで仕方がないというほどでもない。久々の「ホテルの朝食バイキング」で、日常の朝食の5倍は食べていたからだろう。
Grabから降りると雨が降っていた(台風に飛ばされて始まった今回の旅は雨旅である)。ジョンカーストリートは、マラッカリバーを挟んで、ザ・観光地のオランダ広場の反対側に位置している。基本的にはナイトマーケット(夜市)だが、昼間もお店はいろいろやっている。特に行く店は決めていなかったので歩きながら良い感じのお食事処を探すことにした。
普段このようにブラブラとお店を探す時、まず人が並んでいるようなところは候補から外す。なぜって、並びたくないから。ただ、人が並んでいるということは美味しいごはんが食べられるということと同義に近い。特にこういうなんちゃらストリートとか、なんちゃら屋台とか、そういうところは美味しいお店の可能性が高い。「映え」を意識していないお店が多く、純粋に「味」で人気になっているからだと思う。
なので今回は傘をさして歩きながら、人が(適度に)並んでいるところを探していた。白いかき氷みたいなものに、茶色の「みたらし」のようなものがかけられた食べ物の写真が載っている看板を発見。そのお店の前には5人くらいの人の列。並び具合はかなりちょうど良い。でもこれなんだ?かき氷にしては「和」の雰囲気がある。
お店の名前は「Jonker 88」。早速Google先生に聞いてみると「Cendle」で有名なお店らしいことがわかった。読み方はチェンドル。例の看板の和風のスイーツはチェンドルというスイーツらしい。みんなこれを目当てに並んでいるんだな。
スイーツかぁ。正直かなりお腹も空いてるし、もう少しガッツリ食べたい。
だが違うお店を探しに行くことはもうできない。さすがに妻を置いて1人でお昼ご飯を探しに行くことはできないからだ。妻はもうその異国のスイーツを食べる気満々である。列の最後尾に位置取ることで、しっかりと意思を表明しているあたりは流石としか言いようがない。
私も妻の横に並び、Jonker 88 のクチコミを読んでみると、そこにあったのは「チェンドルが有名なお店と思って行ってみると、意外にも普通に食事もできる店でした。」や、「アサムチェンドルとラクサを頂きました。とても美味しかったです!」と言った、たくさんの励ましのお言葉。
ほほう、お食事もできるのね、と思いながら色々調べてみると、どうやらチェンドルだけでなく、ラクサも有名なお店らしいことが分かった。ラクサとはシンガポールやマレーシアで食べられる、独特の香辛料が効いたスパイシーなスープが特徴の麺料理だ。つまりちゃんとしたお食事もある。よし!心の中で渾身のガッツポーズをし、体の向きをストリート側からお店の方向に変えた。