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一日が長かったり短かったり/2024.09.26.木-10.03.木
(09.25.水-)09.26.木
労働→稽古。といっても全員揃わず小道具と出ハケと台詞の確認のみ。陣痛記録共有アプリで通知がバンバンスマホに来るので終始落ち着かず。帰宅すると妻は陣痛のキツさが明らかに昨日より増している。寝床に入るとそれはさらに強まり、しっかり呻くようになり音量もどんどん大きくなる。二人して眠れない。本陣痛なのでは? 間隔も10分を切って5、6分あたりになってきたらしく、午前4時半頃、産婦人科へ行くべき時だろう、ということでタクシーをとばす。が、陣痛室に入ってしばらく状態をみるとまた陣痛の間隔が長くなっている。助産師さん曰く、この調子ではどのくらいかかるかわからない、帰ってもらっても、このまま入院しても、どちらでも……という中途半端な状態、だがどうせ入院するからもうこのまま入院すっか、ということで入院、シャワーつきの個室しか空きがなかった。今の時期はお産が多いらしい。病気ではないとはいえ、ベッドで痛い痛いと叫ぶ人間を見続けるのはなかなかしんどい。意味があるのかわからないが腰をマッサージするが意味なさそう。朝7時頃、目処が立たず一睡もしていないこともあり一旦帰宅。帰路で職場と両親にメールするが久々の徹夜で頭が回っていないからか、メールの文章一つにひどく時間がかかる。無性にカップ焼きそばが食べたくなり、コンビニでペヤング買って帰る。ぼーっとしているので湯切りが適当になり、水っぽい焼きそばになっていた。食べて横になるが眠いのに3、4時間くらいしか眠れず。昼食をとって、うつらうつらとしていたり袴田事件についてや兵庫県知事の会見を見て(聞いて)たら妻から電話が入り慌ててとるが、前駆陣痛に戻ってしまったらしい? とのこと(初産では結構あるあるらしい)。ますますいつになるかわからなくなる。とりあえず頼まれたものを持って自転車で病院へ面会に行く。さして電車と時間が変わらなかったので次からは自転車で行こうと思う、運動になるし運賃かからんし。妻の陣痛のやり過ごしかたが変わっていた。横にならず立ってしっかり呼吸+腰のマッサージ。自分はマッサージくらいでしか援護できない。何回かやってると、上手くなったやんと言われた。病気ではないから当然なのだが病院という場所において痛い痛いと言ってる人を放っておくのは産婦人科だけやな、などと話をした。iPod(イーノのアンビエント聞くだけ用)を渡し、明日どう過ごすか決め再度帰宅。しっかり自炊する気分になれず、納豆ごはんとキムチ少しだけ。途端に生活がより適当になりそうで怖い。風呂に入って寝る。
09.27.金
それなりにちゃんと眠れたというか、むしろもう少し早く起きるつもりだったが寝過ぎてしまった。朝9時頃自転車で病院に行くが、診察の結果一時退院することに。本陣痛になかなか進まない、結局またまもなく再入院の可能性もあるがこのまま個室でじっとしているよりは、動いたりして本陣痛を誘発した方が…という感じ。電車で帰れるという妻を信じ、自転車で帰宅して米を炊き味噌汁を作り昼食。おかずはいらないと。野菜をたくさん入れた味噌汁は完食してくれた。その後また陣痛が強くなる。二人きりの家でなにもできない自分が辛い(こういう時、物理的な苦痛を分有する技術が存在する未来を想像する)。また胎動が1時間ほど途絶えた不安もあり、17時頃再入院を決める。また、タクシーをとばす。呻いている人間を載せている時の運転手さんの気持ちをふと考えた。胎児は無事のようでほっとする。陣痛のやり過ごし方、ちょっと掴めてきたか。てか、今のも前駆陣痛なのか本陣痛なのかはっきりしないのでなんとも…それにしてもこんなに長い道程になるとは思わなかった、顔が明らかに疲れている。こちらも寝ないと共倒れになるから後ろ髪引かれる思いで夜遅く帰る。ガツンと肉が食べたくなり、作った味噌にんにくダレで豚バラとニラを炒めて食べた。
09.28.土
9時頃病院へ。助産師さん「今日産もう、必ず産もう、絶対赤ちゃんにあえるよ」、陣痛室でカーテン越しに昼食食べながら、なんていい台詞だと思った。参加型だと思ってたら最後はお父さんはこちらへと客席を案内され、分娩台はステージのようで、ミザンス意外ときまってた。院長、きまってた。思わずがんばれーって叫ぼうとしたが発声で全力で叫ぶとたぶんかなり響くから医師と助産師間の連携を乱すかもしれんと思って実に中途半端な声量とテンションの煮え切らないがんばれーになっていた(それはバレていたらしい)。産む、というよりは数人がかりで力づくで物理的に引っ張り出した、みたいな16:20頃、結局人間は世界に引きずり出されてきただけの存在なんやなあ、って思った。先週、ウイングフィールドの事務所で福本さんが抱いてみて初めて実感するよ、と言ったのはほんとうだ、と実感したのはそう言われたからだというのはあるけれど少し、実感した。ほんとうか? 父親を知らない人間が父親をやれるのか? まあ、「やってみよう やってみなければわからない」って紙が近くの公文式にも貼ってあったからね。帰宅して家にあった缶ビール(ロング缶)を飲んだ。3週間ぶりにお酒を飲んだのと疲労のせいでアルコールがすぐに回って、少し寝た。そのあと、近所をふらふら散歩してコンビニとスーパーに寄って、近所の公園で、近所の友人とちょっと飲んだ。
というわけです。お世話になった、気にかけていただいた方々、どうもありがとうございます。不義理が増えるかとは思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。
09.29.日
朝、昨日のことは夢だったのではないかとふと思う。夕方、産院へ。子どもは確かにいるので夢では無かった。寝ている。妻の両親が来る。嬉しそう。こちらもほっとする。妻はしばらく入院生活。夜、稽古。
FKA twigsの新曲のPV、つい見入ってしまう。アルバムが楽しみ。
09.30.月
久々に仕事へ行く。久々だからかひどく疲れる。終わって一旦帰宅し頼まれていた荷物を取り自転車で産院へ。45分くらいしか居られなかった。面会時間を少し過ぎてしまい軽く注意を受ける。帰宅し、数日間の一人暮らしをしのぐためのカレーを急ピッチで作る。冷凍のブロッコリーを入れてみたが跡形もなく溶けてしまった、そうなるんだ。冷凍だからか。トイレ掃除と床掃除をしたら汗だくに、風呂に入って流す。
10.01.火
もう10月であることにちょっと愕然とする。仕事、稽古。公演の座組の人たちと少し飲む。もう三田村くんとこうやって飲みに行くの最後やな感を皆やたら出してきておもしろい。えっいや、最後ではないですけど明後日以降子どもが家に来ればこういう機会も少なくなっていくんだろう。生肉(ユッケ)と生卵を大変久々に食べたら、驚くほど美味かった。一人でほとんど食べてしまった。夜遅く、妻(と子どもと)テレビ通話する。あまりしたことないので新鮮。夜更かししすぎたかもしれない。
10.02.水
一人暮らし最終日。仕事して稽古。特に何かしてるわけじゃないが疲れが溜まってるなと思った。年か。何事ももっと楽しんだほうがいいのだが。カレーが少し余った。明日昼に妻と食べる分くらいはある。
10.03.木
朝、産院へ。とてもお世話になった。助産師さんたちが皆、とても地に足のついたかっこいい人たちばかりだった。役者は虚と実の皮膜のはざまを生きるが、それは虚業であることを引き受けることと隣り合わせだとこういう時思う。去年も思った。タクシーで帰宅、3人での生活。おむつの替え方の復習とミルクの作り方飲ませ方のレクチャーを受け、早速いろいろやる。げっぷを出させるのがあまりうまくいかない。米を炊き味噌汁と豚肉、青梗菜、しめじを白だし等でなんとかした夕飯を作り置きし、雨の中長居公園へ劇団どくんごを観に行く。というか奇跡的に観に行けた。多方面に感謝。一番上の客席、右隣2人左隣1人が舞台関係者の知人だった。ずっとこんなことやっていると友だちは減っていくが知り合いは増えていくな、自分の場合は。唯一無二のワンカップがそうじゃないワンカップと結婚式してた。素晴らしい。ラストツアー、観られてよかった。またいつか。残りたい気持ちもあったがすぐ帰宅。これから夜どれだけ眠れるか少し不安。
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