見出し画像

時間配分の話

30分の試合

ヘッダー画像は日本選手権2016のフォーマットです。

ターン数を公平にするためには

制限時間30分の試合を2人で行う場合、それぞれ15分以内に使用時間を収めればお互いに同じターン数だけプレイすることができます。

デッキの性質

遅いターンに試合を終わらせるデッキは後半に時間を取っておくために、序盤は早いプレイを心がける必要があります。
逆に早いターンに試合を終わらせるデッキは序盤から手数が多くなるため、遅いデッキより早いターンから時間を使うことになります。
いずれの場合も、ターン経過につれて使用時間が増えることはあっても、減ることはありません。

Player1:遅いデッキ
Player2:早いデッキ

上記の時間配分を想定してプレイしたとします。

Playerごとの総使用時間

Player1は5ターン目に試合を終わらせるために、前半は短く、その分5ターン目に多くの時間を取っています。
5ターン合計で15分以内に使用時間を収めています。
Player2は4ターン目には試合を終わらせるべく、序盤から多めに時間を取っています。
5ターン目は考えていないため、5ターン合計で17分と15分を超えてしまっています。
これによって何が起こるかみてみましょう。

使用時間の和(Player1が先攻)

Player1が先攻の場合、後攻であるPlayer2の5ターン目の途中で制限時間30分に到達します。
この場合、Player1は自分のターンに15分使用したうえで、Player2も自分のターンを15分使用した時点で制限時間に到達しており、お互いに自分のターンに使用した時間は等しくなります。
5ターン目を15分以内に収める事を想定していなかったPlayer2がエクストラターンの0ターン目となり、Player2の6ターン目は回ってくることはありません。

使用時間の和(Player2が先攻)

Player2が先攻で、Player2の早いデッキが4ターン目までにゲームを終わらせきれなかった場合、後攻であるPlayer1の5ターン目の途中で制限時間30分に到達します。
この場合、Player2は自分のターンに15分以上使用したうえで、Player1は自分のターンを15分使用できていない状態で制限時間に到達しており、Player2がPlayer1よりも自分のターンに多くの時間を使用したことになります。
さらに、5ターン目を15分以内に収める事を想定していたにもかかわらず、Player1が自分のターンに15分を使用するのはエクストラターンの0ターン目途中となり、後攻であるPlayer1の6ターン目は回ってくることはありません。
Player1はまだPlayer2よりも少ない合計時間しか自分のターンに使ってないにも関わらず、エクストラターンの迅速なプレイを要求されることになります。

有利なのは

早いターンに試合を終わらせるべく、早いターンから少し多めに時間を使うデッキを選択した方が、先攻・後攻どちらの場合も相手より有利に時間を使うことができます。
早いデッキで時間を上手く使って有利にゲームをすすめましょう!

…って納得できるわけないだろ!

遅いゲームを想定して、序盤に時間を使わなかったPlayer1が納得できるわけありません。

使用時間の和(Player2が先攻)

先攻のPlayer2は5ターン目の3分経過した時点でターンを明け渡すべきだと後攻のPlayer1は考えるでしょう。
しかし、Player2は4ターン目よりも少ない時間しかこのターンに使用していません。
このターンだけを見せて「Player2は遅延している!」と主張しても、認められるのは難しいのではないでしょうか。

どうするべきか

後攻のPlayer1は先攻であるPlayer2の3ターン目に時間をかけ過ぎていると判断した時点で時間の使いすぎを指摘し、早いプレイを要求するべきなのではないでしょうか。
4ターン目、5ターン目とさらに多くの時間を使うことを想定すればこそ、3ターン目をなるべく早く終わらせる必要があります。
Player1自身も後攻の時点でいつも以上に早いプレイを心がけることで、自分の5ターン目に余裕が持てたかもしれません。が、それだけではPlayer2が自分のターンに使用する合計時間の方がPlayer1よりも多いことに変わりありません。

Player2の時間配分を修正

Player2の時間配分を5ターン合計で15分に収まるように修正しました。

Playerごとの総使用時間

これによって、後攻であるPlayer1の5ターン目が終わった時点(Player2の6ターン目)でエクストラターンに入ることになり、公平(※)に自分のターンに時間を使うことができるようになりましたね。

(※)先攻の6ターン目で試合が終わると後攻の6ターン目は存在しないため、先攻・後攻の有利不利は残る。

使用時間の和(Player2が先攻)

早いターンに試合を終わらせたいデッキを使う場合でも、相手のゲームプランが自分よりも遅いのであれば、いつもよりも自分のターンに使用する時間を短くプレイすることが紳士的な振る舞いと言えるのではないでしょうか。
目安として、3ターン目に4分以上使っていたら制限時間内にお互いの5ターン目は終わらないでしょう。
(わかったうえで相手が自分のターンに使用できる時間を合法的に少なくすることが上手い試合運びなのかもしれませんが…。)

また、相手ターンに優先権を渡された時の時間について今回は省略しましたが、相手ターン中に考える時間を設けることはできるので、なるべく早めに優先権を返せるように準備しましょう。

一度、自分が各ターンに何分使っているか確認しておくといいかもしれませんね。

いいなと思ったら応援しよう!