良宿で元気を取り戻せたザンビアのリビングストン【前田家の世界一周】
私は、疲れていました。ザンビアに到着した最初の2日間は、とにかく前向きになれなくて、夫に「もう帰りたい」と遂に声にしてしまったくらいです。
気分の不調と、旅の継続
タンザニアでの滞在は、私にとってストレスフルに感じることが多く、人と関わることに疲れていました。フェリー乗り場の強引さ、常に価格交渉をする雰囲気(そして嘘をつかれるかもしれないという不信感)、ザンビア行きの飛行機キャンセルなど、なんだかスムーズじゃないことが続いていました。
ザンビアの滞在先も、最初はAirbnbを予約していましたが、そこのオーナーさんが音信不通になったことで、宿を急遽変えて、変えたと思ったらBooking側のシステムトラブルで面倒なことがあったり、
ザンビアに着いたと思ったら、パスポートのスタンプに記載されている誕生日と有効期限(到着したその日がビザの有効期限になっていた)が違うことに空港を出てから気づいて。
なんで金払ってこんな思いしなきゃいけねえんだバカ!
って腹の底から思っていたのが、ザンビア滞在の始まりでした。
英気を養えた、リビングストン
リビングストンの宿
急遽、宿を変えて予約したのは、Fawlty Towers。リビングストンにある2大バックパッカー宿と呼ばれているうちの1つです。
バックパッカー宿と聞いていたので、雰囲気含め、ちょっと雑な感じだと思っていましたが、実はホテルに近い宿でした。滞在していたお客さんも、50代のご夫婦や、小さい子供を連れたご家族がいるような宿です。
スタッフさんが全員親切で、いつも笑顔。静かで、庭も広く、1日中敷地内にいても窮屈にならない場所でした。軽いご飯が食べれるレストラン、お土産屋さんやマッサージ(1時間3000円くらい)スペースもあります。
部屋も良くて、温水・水圧が完璧なシャワーと、人生で1番寝心地が良いベッドがありました。熟睡できすぎて、毎朝起きるのがとても楽だったくらいです。
共用キッチンは、キッチン用具は全て揃っていて、とても清潔。でも、使っている人は少ないので、毎日自炊勢の我々はのびのびと調理できました。
宿の目の前には道路があって、それを渡ると大きなスーパー(SHOP RITE)もあります。お肉、野菜、果物、生活用品、全てが手に入るもの超便利。観光をしない日は、敷地内で過ごすか、歩いて2分のスーパーと宿を往復して過ごしていました。
良くなかったところは、Wi-Fi環境が部屋まで届かないことと、蚊が多いことでした。私たちの部屋が、敷地のちょうど角の方にあったこともあり、Wi-Fiが全然届きませんでした。滞在中に新しいルーターが設置されていたので、改善しようとする動きはありましたが、それでもなお私たちの部屋はちょうどWi-Fiネットワーク外でした。共用エリア)に行けば、問題なくつながります。
これが次の問題につながるのですが、共有エリアは屋外か半屋外なので、蚊が鬱陶しかったです。蚊はリビングストン全体で多く、この宿に特化した問題でもないのですが、Wi-Fiが欲しけりゃ、蚊に刺されろ!って感じだったので、特に夜は大変でした。
それでも、この宿は総合的に素晴らしくて、滞在中に少しずつ元気になって行きました。本当によく寝れて、夫を含め周りの人にも優しくされ続けたおかげです。この宿に変えて良かった。
そもそも何故、リビングストン?
ビクトリアフォールズに行くために来たのに、なぜ、ジンバブエのビクトリアフォールズの滞在ではなく、ザンビアのリビングストンに滞在しているのか。それは、リビングストンの方が、飛行機の便も、宿も全体的に安かったからです。
ビクトリアフォールズはザンビア側からも見ることができるので、敢えてリビングストンに滞在する人もいますが、ジンバブエ側から見る方が、滝を近くに迫力よく見ることができると言われています。そのため、ジンバブエのビクトリアフォールズ(町の名前)に滞在する方が、楽っちゃ楽ですが、その分お高かったです。
そのため、ザンビアのリビングストンに滞在し、ビクトリアフォールズを見に行く時に、ジンバブエへ入国することにしました。
これを実現するために、ビザは「KAZA Visa」を取得しています。
全体的に「安かった」以外にも、リビングストンに滞在して良かった!と思ったのは、美味しい牛肉が食べれたことでした。
ただステーキとして焼いただけなのに、柔らかくて、臭みもなく、美味しいお肉が食べれました。ザンビアのスーパーでは、鶏肉や豚肉よりも牛肉が安かったです。2人でお腹いっぱいにステーキを食べても300円以下。
コスパを重視するのであれば、ビクトリアフォールズ滞在よりも、リビングストン滞在。私たちは、リビングストンを選んで正解だな!と感じています。
リビングストンの外食事情
リビングストンは小さな街です。観光客の数に対し、レストランの数はそこまで多くありませんでした。その中で、良かった外食はこちらです。
KUBU Cafe
Fawlty Towersから徒歩5分くらいの場所にあるレストランです。主に洋食がメインで、テラス席で外の空気を浴びながら食事ができます。お茶だけの利用もできました。
Starlinkが置いてあるので、Wi-Fi環境は良く、夫はここからオンラインイベントに登壇していました。
1つネックだったのは、料理が出てくるのに時間がかかったことです。時間がたっぷりある時に行ってみてください。
Hungry Lion
「Hungry Lion」はアフリカ南部を中心に展開しているファストフードチェーンの名前です。1997年にザンビアで設立され、現在はアフリカの複数の国で事業を展開しています。フライドチキンがメインのメニューで、値段も超手頃。Hungry Lionの店舗は、リビングストンの中だけでも2店舗あります。
チキンはノーマルとスパイシーから選べるようになっていました。ノーマルを選んだはずが、注文した箱の中には、スパイシーも入っているミックスになっていました。なかなか辛かったですが、食べれないほどではなくて、ミックスでちょうど良かったかも。
400円くらいでフライド・チキンがお腹いっぱい食べれるので、観光客も来ていますが、地元の人の方が多いお店でした。人気店なので、常に人がいっぱいでした!
良い宿、ちょうど良い外食、チルい空気感に癒され、リビングストン滞在中に心の疲れが大分癒されました。もう少し、旅を頑張れそうかもと前向きになれました。
ジンバブエ側のビクトリアフォールズへ
肝心のビクトリアフォールズを見に行ってきます。
ビクトリアフォールズは、下のマップにある通り、ザンベジ川→ビクトリアフォールズを両国が挟む位置にあるため、どちらの国側からも滝を眺められます。
ジンバブエから見る滝は、よりダイナミックで、広範囲から見ることができます。入場料は、ザンビアより高いです。
ザンビアから見る滝は、近くで見れますが、ある一定のスポットからのみ見るので、広さは感じにくいそうです。ただ、滝上に寝そべって、滝壺を見下ろすアクティビティはザンビア側からのみ参加できます。
私たちは、ジンバブエ側から見ることにしました。
ザンビアのリビングストンから、ジンバブエのビクトリアフォールズへの行き方
リビングストンからビクトリアフォールズへ向かうためのルートは、以下の通りです。
① リビングストン → ザンビアの国境
② ザンビアの国境 → ジンバブエの国境
③ ジンバブエの国境 → ビクトリアフォールズ
①は宿から乗合いバンが出ていました。1人150クワチャで乗車。
②は国境近くでこちらから声をかけたタクシーに乗車。100クワチャ。
③は歩き(徒歩5分程度。タクシーに乗るか?と声をかけられますが、徒歩圏内です)
イミグレーションでは、何日間滞在するのか?など聞かれますが、「It's just a day trip(日帰りやで)」と伝えると、KAZA VISAを確認し、そのままスタンプを押されて出入国できました。気にすることといえば、5分くらい待つことがあるのと、めっちゃ普通に横入りしてくるので、グイグイ前に進む必要があるくらいです。
ジンバブエに入国後は、イミグレから真っ直ぐ出ている右をそのまま先に進み、右手にビクトリア・フォールズ国立公園の入り口があります。
ビクトリア・フォールズ国立公園にて
公園入り口でチケットを購入し(カード支払いOK、1人50USドル)中へ入ると、まずはお土産物屋さん、カフェ、説明書きがあるエリアがあります。その後ろにトレイルが伸びていました。
私たちがビクトリアフォールズへ行ったのは、Low Waterのシーズン。加えて、干ばつの問題も発生していることもあり、例年と比較すると水量が少ないようでした。
High Waterだと、国境をつなぐ橋を渡るときも体がびちょびちょになるらしいです。迫力はあるようですが、逆に実物の滝は水しぶきであまり見えない、といった声も。
トレイルを進むと、滝のビューポイントが準備されているので、いろんな角度からビクトリアフォールズを見ることができます。私のおすすめは、8番です。
トレイルを先に進んでいくと(ビューポイントの数字が上がっていく方向)、ザンビア側のビクトリアフォールズに近づいていきます。その方面まで行くと、滝の水が細くなり、岩壁がよく見えるようになります。
端っこまで行くと、「アブセイル」という、岩肌をロープで降りるアクティビティもありました。
ビクトリアフォールズ国立公園の見どころは、もちろん滝ですが、実はトレイル歩き自体も良くて、水&木にとても癒されました。日中に行っても、日陰が多く水も浴びるので、ある程度涼しく歩けるのもポイントです。
これで、世界3大の滝(ビクトリア、イグアス、ナイアガラ)を制覇することができました。やったぜ!
ザンビアへ帰る
ジンバブエとザンビアの国境は歩いても渡ることができますが、少し距離があります。タクシーで移動しようとしたら、思いっきり観光客価格を提示されムカついたので(暑くてちょっとイライラしていた)、なんとなく話しかけてきた若者3人の「足漕ぎ自転車タクシー」に乗ってみることにしました。60クワチャ。
私も漕ぐつもりで乗ったら、足が短すぎて届かず、男性陣に任せることに。話を聞くと、お兄さんたちの出身国が全部違って、ザンビア、コンゴ、ボツワナ出身でした。インターナショナルチームじゃん!って私だけ元気に話しながら、男性陣は頑張って漕いでくれました。
おかげさまで、ザンビア側のイミグレ近くの車渋滞を横目に走り抜け、車より早く到着。日中の暑い中、お兄さんたち(と夫)がすごく頑張ってくれたので、当初より多めの100クワチャを渡し、お礼を伝えて去りました。
国境の橋を通った時の景色は、タクシーで通るよりも迫力がありましたし、歩くよりも早く着いたので、結果的に良い乗り物のチョイスでした。
ヘリコプターでビクトリアフォールズを見る
夫の誕生日プレゼントとして、ヘリコプターツアーをプレゼントしました。
ビクトリアフォールズを空から眺めるアクティビティは、ヘリコプターと、マイクロフライトと呼ばれる2人乗りの「超軽量航空機」だそうです。ヘリコプターのように自分の体が守られていないので、かなりスリリングに見えました。
せっかく2人で来たので、2人同時で乗れるヘリコプターを選びました。
ヘリコプターに乗ったのは夕方16時頃。夫は助手席、私は後部座席で、テレビで見たことのあるヘッドホンをつけ、いざ飛びます。
ヘリコプターは少し前に進み、前傾になって、ふわっと空へ浮かびました。飛行機と違い、飛ぶというよりは浮く感覚で、いつの間にか空にいたという感じ。空にいるけど、地面が近くに感じれるので、しっかりと下の景色を観察できます。
ビクトリアフォールズ上空には5分もしたら到着し、滝の周りをぐるっと周回しました。空から見る滝は、地面がパックリと割れた裂け目に、水が大量に落ちているようでした。まあ、実際もそうなんでしょうが、上から見るとやっぱり雰囲気が違いました。
滝を通り過ぎた後は、少しだけ森のエリア上空を通ります。そこで、ゾウの家族を見ることもできました。赤ちゃんゾウが何頭かいて可愛かったです。
夫の誕プレとして乗りましたが、私もしっかり楽しめました。良い思い出です!
Livingstone Adventureの公式サイト↓
サイトから予約するとクレカ決済ができるので便利でした。
ビクトリアフォールズから次の国へ
次の国は、ナミビアです。出発は、ザンビア・リビングストンの空港ではなく、ジンバブエ・ビクトリアフォールズの空港です。
そのため、ザンビア・リビングストン → ザンビア/ジンバブエの国境 → ジンバブエ・ビクトリアフォールズ空港と移動します。
おそらく1番安い方法は、ザンビアのローカルのバスに乗り国境まで行って、国境をつなぐ橋を歩いて渡り、またバスかタクシーでビクトリアフォールズの空港へ行く形です。
私たちは全部ぶっ通し(リビングストン→国境、国境間、ジンバブエ国境から空港)でタクシーをチャーターしました。全部合計で55USドルだったので、距離と手間を考えるとお得だと判断しました。
おかげさまでスッゴク楽でした。リビングストンの宿を出てから、自分のスーツケースを一切触る必要なく、空港まで辿り着きました。普段、海外旅行をツアーパッケージとかで移動すると、これくらい楽なのでしょうか。ハマりそうです。
リビングストン・ビクトリアフォールズの感想
ザンビアに到着した最初は、この旅行における最大の危機くらい元気がなく、本気で世界一周を終わりにしたいと思っていました。なぜ、こんなに物事がうまく進まないの?もっと楽に暮らしたい。
心地良い宿と、夫の優しいサポートのおかげで気持ちと元気を取り戻すことができ、世界3大の滝の最後を制覇することもできました。ナイアガラの滝よりも横に広く、イグアスの滝よりは繊細な滝だった印象です。
今回、行った時期は乾季で干ばつ状態。それでも十分すぎるくらいの迫力でした。雨季だったら、むしろ、水飛沫が多すぎて滝を見ることは難しかったかもしれません。
これからも、旅は続きます。
\私はこんな人です/