中央アジア最後の国、カザフスタン【前田家の世界一周】
ついに中央アジアエリアの最後の国、カザフスタンへ向かいます。
中央アジアに来る前までは、「何もなくて不便なのではないか」「何もないが故に、そんなに面白くないのではないか」なーんて、あんたバカァ!???なことを思っていました。今では、中央アジアを離れたくないです。
カザフスタン滞在
カザフスタンとは
カザフスタンは、中央アジアに位置する広大な国で、面積は世界第9位を誇ります。そうなんです。意外とでかいのよ、この国!
アルタイ山脈や天山山脈、バルハシ湖やカスピ海などの大きな湖も楽しめるため、自然派にはもってこいの国でもあります。
今まで訪れた他の中央アジア諸国と同様に、19世紀にはロシア帝国の一部となりました。その後、ソビエト連邦に組み込まれ、1991年に独立を果たしています。
天然資源が豊富な国で、特に鉱物資源が主要な輸出品です。ウランの生産量は世界1位で、そのほかにも石油、天然ガス、レアメタルなどにも恵まれています。経済的にはかなり強い国のようです。
使われていた言語は、カザフ語とロシア語。これら2つの言語がどれだけ似ているのか分かりませんが、皆さん基本的にバイリンガルかトリリンガルでした。そのため、「ありがとう」や「こんにちは」を伝える時は、ロシア語でも全く問題なく受け入れられます。むしろ、「スパシーバ(ロシア語:ありがとう)」「ズドラーストヴィチェ(ロシア語:こんにちは)」の方が、使われていたような気もします。若い世代は、英語が当然の如く話せます。
カザフスタンの空港から家へ
首都はアスタナですが、私たちは、キルギスのビシュケクから近いアルマトイと呼ばれる都市へ向かいました。もともとは、アルマトイがカザフスタンの首都でしたが、1997年にアスタナへ首都機能が移転されています。
アルマトイという名前は「リンゴの父」という意味で、周囲の地域ではリンゴの原産地としても知られているそうです。リンゴの父って面白い地名の付け方だなと思ったのは私だけでしょうか。
カザフスタンのフラッグキャリアであるエア・アスタナのハブ空港であるアスタナ国際空港に降り立ちました。ちなみに乗ってきたのもエア・アスタナです。
アルマトイ空港は、国際空港といっても割と小さめ。カウンターの数も多くはなく、国内線専門と言われても驚かない規模感でした。設備はきれいです。
中央アジアに来てからというもの、eSIMではなく、物理SIMを買うようになりました。理由は、滞在期間が長くなってきたことに加え、現地のSIMの方が、通信環境が安定しそう!と思ったからです。あと、単純に安かった。
私たちは、カウンターのお姉さんたちが優しかった Kcellにしました。一応、カザフスタンでは1番大手の通信会社だそうですが、私たちが滞在していたアパート付近では通信の質はそこまで良くなかったです(小声)。
夜も遅かったので、宿への移動はYandex Goを使い、タクシー直接向かいました。40分くらいの距離で1,100円ほどでした。
滞在したのはこちらのAirbnb↓
広々していたこと、インターネットの速度などは申し分ありませんでした。しかし、チェックインと入室のやり方がやたら難しかったり、ブラインドが窓を全部隠さないので、朝の太陽の差し込みがエグかったり、設備面は大分古かったのは暮らしづらさを感じた部分でした。
アルマトイのショッピングモールで見たアジア
Airbnbの徒歩圏内にかなり大きめのショッピングモールがあり、Carefoodと呼ばれる「あれ?これCarrefour系列?」と思うほどお店のフォントも似ているスーパーがありました。ここに行けばなんでも揃いました。
ここのモールは、グローバルなブランドのお店が並ぶようなモールではなく、商店街にあるような、地元の人が営む小さめのショップがひたすら並ぶ倉庫みたいな場所でした。
興味深かったのは、ここの色んなショップで韓国の商品をたくさん見かけたことです。例えば、スーパーにはキムチをはじめ、韓国の食品が売っていましたし、韓国のコスメショップもありました。ちょうど、化粧水が無くなったところだったので、めちゃめちゃ助かった!しかも、そんなに価格は高くなかった。
中国の方が距離的には近いので、文化や食的にも中華系が多くなると思いましたが、意外とカザフスタンのアルマトイでは韓国推しでした。というか、色んな国で韓国の文化を見てきています。ジョージアのダンキンドーナツでBlack Pinkが流れていたり、メキシコのルチャリブレでPSYを聴いたり。すごいな!韓国!
自然を楽しむ
カザフスタンといえば自然!ということで、カザフスタンの自然をひたすら周るツアーに参加してきました。アルマトイから、自然があるエリアまで行くのに4時間くらいかかるけど、4つ立ち寄る場所があるので、かなり忙しいツアーです。
ツアーの内容
訪れた場所は以下の4つです
ちなみにランチは、現地のお母さんが作ってくれた料理をツアー客でいただきました。ホステルを営んでいるっぽかったですが、現地の方のお家の中でいただくランチだったので、食事もアクティビティっぽかったです。
では、ツアーに出かけよう
朝5時に、ツアー会社が準備してくれたタクシーに乗り込み、集合場所へ向かうはずでしたが、タクシーの手配先が違う住所だったようで、しばらく待つことに。集合場所に到着した時には、他のツアー客は全員揃っていて、2人並び席は満席。並び席に1人で座っていたソロトラベラーもいましたが、動いてくれる様子はなく、夫と別々の席で座ることになりました。まぁいいけど、なんだかな!
ここから、東へ約200km。4時間近く移動します。長いよ〜!
最初の訪問先は「チャリン渓谷」です。ここは、カザフスタン南東部に位置する渓谷で、「カザフスタンのグランドキャニオン」と呼ばれています。
渓谷は上から見ることもできますが、谷を下り、渓谷を見上げる形でトレイルを歩けるのがポイントです。確かにグランドキャニオンとそっくり!
でも、私はグランドキャニオンに行ったからわかります。「モニュメントバレー」にも似ているということを…! むしろ、下から見た雰囲気は、モニュメントバレーの方が似ていた気がしました。上から見る景色の広大さは、確かにグランドキャニオン寄りかもしれません。
チャリン渓谷は、チャリン国立公園の中にある場所の1つです。本来であれば、もっと時間をかけて国立公園を探索できますが、今回は色んな名所を巡るツアーなので、滞在時間は50分ほど。
正規ルートであれば、もっと簡単に渓谷の下から上まで戻れると思いますが、渓谷を少し見て上に戻るスケジュールだったため、道ではない岩肌を上に登りました。足腰が弱いと結構厳しいルートで、60代の参加者の方はかなり頑張っていました。
お次に向かったのは、「ブラックキャニオン」。こちらも同じ国立公園内にあるビューポイントです。
ブラックキャニオンは、チャリン川沿いに位置する渓谷で、切り立った黒っぽい岩壁が特徴的です。こちらはチャリン渓谷と比べると人が少なかったですが、同時に見るものも少なかったです。そのため、滞在時間も20分ほど。
一応、渓谷の上からチャリン川を眺めることはできますが、その川がよく見える場所があまりなく、岩の端まで行って覗き込む必要があります。高所恐怖症なので、離れたところからしか見ることができませんでした。
次に向かったのは「カインディ湖」です。ここは、行き方を含め面白い場所でした。
カザフスタンの天山山脈(Tien Shan Mountains)に位置する湖です。そして、天山山脈とは、中央アジア(中国、キルギス、ウズベキスタン、カザフスタン)を横断する山脈です。
カインディ湖が有名なのは、湖底から立ち上がる枯れ木の森が見られることです。北海道の美瑛にある青い湖をイメージしたらわかりやすいかと思います。湖は1911年の大地震によって形成されたそうです。
湖へ向かうルートの説明
ここへ向かうには、駐車場 → 湖エリアの駐車場 → カインディ湖付近 → カインディ湖 のルートを通っていきます。
まず、湖の駐車場に乗ってきた車を停め、湖エリアの駐車場まで、徒歩かバスで進みます(ルート①、バスであれば有料)。そこから更に、徒歩・タクシーのいずれかの方法でカインディ湖付近へ向かいます(ルート②、徒歩であれば無料、乗馬の場合はルート④、有料)。湖付近からは徒歩で進み、湖へ到着します(ルート③、無料)。
参加したツアーでは、ルート①分のバス移動費はツアー代金に含まれていました。なお、乗る場所は、イエローバス!なぜか、移動中はバスに積まれたスピーカーからパーティーミュージックが爆音で流れていました。なぜ。
ルート①の道は舗装されているわけではなく、石のガタガタの坂道を進みます。すぐ着くと思いきや、結局バスで30分くらいかかりました。
湖エリアの駐車場に到着すると、横に小さな湖がありました。最初は、ここがカインディ湖だと思い、あれ?意外としょぼい?と思いましたが、ただの名もなき湖でした。
ここからルート②を進みます。ツアーの事前説明では、ルート②を徒歩かタクシーで行くか「選べる」となっていましたが、実際は、ガイドさんが「時間がないからタクシーに乗ろう!」とほぼ強制的にタクシーに乗ることになります。
ちなみに、タクシー料金はツアー料金に含まれていません。1人500KZT(約160円)と大したことない額ですが、少しでもお金をかけずに行きたいと思っていた参加者もいて、違和感を感じていました。ちなみに、この時のお支払いは現金オンリー、お釣りもありません。
私たちは、いずれにせよタクシーに乗ろうと決めていたので抵抗はなく、むしろ乗ったタクシーが中々スリリングで楽しかったー!という感想のみです。
タクシーの実態は、旧ソ連みがあるバンです。一癖も二癖もある乗り物でした。行きの運転は激し目&道も未舗装。加えて、ルート①よりもクネクネと曲がる道が続くので、バランスを取るのが大変でした。
帰りのタクシーは、アーミーチックな運転手さんで、運転技術はピカイチ。安定感は増しましたが、何故か私は、運転手席と助手席の間に足を上げて座ることに。体幹エクササイズを強いられました。
ルート②を10分ほど進み、カインディ湖付近に。ここから湖へ降りていく必要があるため、徒歩で10分くらい進みます。「これをまた登るのかぁ…」と思いながら下り坂を降ります。
そうしたら、ジャーン!!!エメラルドの湖〜〜〜!
時間は午後2時過ぎ。さすがにお腹がペッコペコでした。宿泊施設を運営しているらしいお母さんのお家へお伺いし、手作りの中央アジア料理をいただきます。
敷地内にはゲルや、カザフスタン原産のタジーと呼ばれる犬種のわんこと出会うことができました。一般的なお家よりも大きいのでしょうが、自然に囲まれて暮らす、現地の人の暮らしを見ることができたのは貴重でした。
提供されたランチはプロフっぽい、羊肉と野菜を煮込んだライスをメインに、サラダとサルサ、パンが配られました。このライスが、お腹が空いていたことも相まって、丼ぶり1杯行けそうなおいしさでした。お母さんの料理は、どの国でも美味しいな。
思わずお腹いっぱい食べそうになる気持ちを抑え、腹7分目くらいにしてランチを終わらせました。最近は、自分の食欲と、食べれる量が全く合わないので寂しくなります。
最後に向かったのは「コルサイ湖」です。夕暮れ時の景色は特別だとのことで、ツアーの締めとして向かいました。
私たちが訪れた時は、まだ少し夕暮れ前であったこと。若干曇りがちだったことから、光が差し込むような景色を見ることはできませんでしたが、それでも緑の木に囲まれる青い湖は美しかったです。
1800メートルほどの標高の高さがある場所で、夕方にもなると外はジャケット必須の寒さでした。10月には雪も降るそうです。冬場でも人気の観光スポットのようで、紹介ビデオで見ましたが、雪景色のコルサイ湖はロマンチックでした。
アルマトイに戻ったのは夜の9時。この日は本当に長い1日でした。外は、長袖にジャケットを羽織る必要があるほどの気温。日本も、そろそろ肌寒くなってきているのかな、なんて思いながら帰宅しました。
体調をまた壊す
カザフスタンには5日間滞在していましたが、ツアーに参加した後から、体調をまた壊しました。中央アジアで朝晩の気温がガクッと下がったことと、ウズベキスタンやキルギスの空気も空気が乾燥していたことから、風邪を引いたのだと思います。完全に喉がやられてしまいました。
あとは、今までの旅を通して、免疫の限界が来ているのかもしれません。普段から急いで旅をしているわけではないので、疲れが蓄積しているわけではありません。ただ、人間は習慣の生き物です。自分の巣やルーチンを作っては壊し、作っては壊しを続けたことに、身体が黄色信号を出しているのかも。スマホバッテリーの最大容量が70%になっている、みたいな。
そういえば、実際のスマホの最大容量は74%。最近はカメラを起動しても、すぐに写真を撮らせてくれません。この旅を支え得てくれているスーツケースのタイヤも、キュルキュルと音を鳴らし始めました。「そろそろ限界やで、オーナー」と囁かれている気がします。
あと少しだから、スマホも、スーツケースも、身体も、持ち堪えてくれ。
最後のラグ活
ウズベキスタンにいる時から愛してやまない「ラグマン」。中央アジアを去る前に、もう一度食べたくなったので、カザフスタンを出発する当日に行きました。
お店は小さく、ロシア語を話すおばちゃんがサーバーさんをやってくれるようなラグマン屋さんでした。テイクアウトの人、テーブルを予約している人が行き来するような人気店で、野良で入れたのがラッキー。
私は、ニラのラグマンを頼みました。ニラ!嬉しい!
モッチモチの手打ち麺で、ウズベキスタンで食べたようなバター感は薄く、上にかけてある野菜と牛肉(や羊肉)の美味しさでいただくラグマン。量はちょうど良くお腹がいっぱいになりました。超おいしい!
お値段は、1.5Lのお水も含めて2人で1,600円くらいでした。通わせて欲しい。このお店。
Goodbye、中央アジア
ウズベキスタン、タジキスタン、キルギス、カザフスタン。全て大好きな国でした。良い人が多く、自然がとにかく美しい。中央アジアの食文化は、私の食ツボでした。中央アジア、推せます。
行けていない場所がたくさん残る中央アジア。また戻って来たいです。
\私はこんな人です/
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