気球に乗って空を飛んだカッパドキア【前田家の世界一周】
トルコの首都イスタンブールから、カッパドキアへ移動します。バスでも移動ができますが、飛行機でささっと、1時間20分のフライトです。
そういえば、イスタンブールにも、カッパドキアにも空港が2つあります。私は知らなかったので、イスタンブールやカッパドキアを行き来する人は要注意です!
私たちの行きの便は、イスタンブール空港→ネヴシェヒル・カッパドキア空港でしたが、帰りの便は、ネヴシェヒル・カッパドキア空港→サビハ・ギョクチェン空港(→次の国)でした。
ネヴシェヒル・カッパドキア空港から、いわゆる気球に乗るカッパドキアの中心地である「ギョレメ (Göreme)」へ行くには車で45分ほどかかります。市営の電車やバスなどは出ていないため、空港からの移動は基本タクシーですが、経済的な移動方法はシャトルサービスです。
シャトルサービスを事前に予約したい場合は、ネットで調べると色んな会社が出てきますが、私たちはこの会社を利用しました。
1人20ユーロ(約760TL)なので、空港前から予約なしで出ているシャトルと比較すると大分お高めです。(ちなみに、ユーロで支払っても、現地通貨で支払っても問題ありません)正直、空港前から出ているシャトルがあると事前に分かっていたら、このシャトルは予約しなかったと思います。
ただし、予約なしのシャトルだと、自分が乗る前に満席になったら出発してしまうリスクもあるかもしれません。不安な方は、上記のHelios Transferも検討してみてください。高いけど。
カッパドキアとは
さて、カッパドキアに到着しました。
カッパドキアはトルコの中央アナトリア地方に位置する、世界的に有名な観光地です。
カッパドキアには、特徴的な「妖精の煙突」と呼ばれる奇岩群を見ることができます。これらの奇妙な形の岩柱は、火山活動によってできた溶岩層が長年にわたる風化や侵食で削られ、現在の独特な形状になったとのこと。他にも、洞窟型のホテルや、古代から人々が岩を削って作った洞窟住居や教会、大規模な地下都市、ハイキングができる渓谷などもあります。
他では見ることのない地形があるカッパドキアで、中心地となっているのが「ギョレメ」。ホテル、レストラン、大きめのスーパー、ツアー会社、ATMなど、カッパドキア観光において必要なものはとりあえずギョレメにありました。
地元の人よりも観光客の方が多いかも?と思うくらい、外国人がたくさんいました。そのため、なんとなく安心感があります。同時に、レストランもホテルも基本お高め。そもそもトルコの物価自体が安くはないですが、特にお値段の設定は高い場所だなと感じました。
滞在先について
そのため、今回私たちが滞在したのはギョレメではなく、ギョレメの横にある街「オルタヒサール(Ortahisar)」です。
ギョレメの周辺には、オルタヒサールとウチヒサールと呼ばれる街?集落?があります。ギョレメは先述の通り、観光の中心地。ウチヒサールはカッパドキアの中でも標高が高めの場所にあるため、渓谷を見下ろすことができ、どちらかといえば高級寄りな宿泊施設などが多い印象がありました。
オルタヒサールは、ザ・素朴。観光地として、これから開発していくのだろうなという街並みで、ローカル感があります。ホテルやレストランは一応ありますが、数は少ないです。静かで落ち着いている反面、スーパーの数は少なかったりと、若干不便。
生活の面で不便だったのは、着いてから分かったことでした。でも、その静かな街並みと、コスパの良さを考えると、オルタヒサールに泊まってよかったなと思います。
今回泊まったのは、Booking経由で予約したアパートスタイルの宿です。
去年オープンしたばかりのようで、部屋から家具まで、全てがまだ新しく、とにかく部屋が広々としていました。建物内に部屋はいくつかありますが、防音がしっかりしているのと、そもそも外は静かなので、騒音に悩まされることはありませんでした。Wi-Fiも強い。
唯一の難点だったのは、洗濯機がなく、洗濯物を干せる場所もなかったことです。周りにランドリーもなかったので、洋服は手洗いで、干す場所は工夫する必要がありました。長期で滞在するには、あまり向いていないかもしれません。
ただ、部屋は本当にきれいだったので、とてもおすすめします。
なお、ギョレメに行くには、タクシーが必要です。ちなみに、タクシーは全てメーター式なので、交渉の手間を割くことはありません。オルタヒサールからギョレメまでは、260TLくらいでした。
手配する時は、この会社にWhatsappで連絡をすると車を送ってくれます。英語OKです。
名物グルメ
カッパドキアの名物グルメといえば、壺ケバブ(テスティ・ケバブ、「テスティ」はトルコ語で「壺」)です。通常のケバブは、串に刺さったお肉を焼いて食べるスタイルですが、これは壺に入ったお肉をいただきます。
壺ケバブは、肉(ラム、ビーフ、またはチキン)、野菜(トマト、ピーマン、ナス、玉ねぎなど)、そして香辛料を陶器の壺に入れ、封がされた状態で蒸し焼きします。その状態で、テーブルに持ってきてくれて、目の前で店員さんが壺を割って中身を出してくれます。
メインの食べ物の他に、付け合わせのピクルス、ミント、サルサ、パン的なものも出てきました。ミントの葉をケバブの上に乗せて食べると、爽やかさが足され、美味しかったです。
壺ケバブはギョレメにあるレストランであればどこでも食べれますが、私たちが行ったのはここです↓
カッパドキアの気球ツアー
カッパドキアには、気球ツアーをやっている会社がたくさんあります。本当に、そこらじゅうにあります。どの会社でも大きく価格は変わらず、大体1人140〜200€で乗れます。私たちは、最初150€と言われましたが、少しだけ値引きをしてもらい147€に。微々たるものだけど、値切った方が良いですね。
そもそも€支払いなんだ!と驚きましたが、実はトルコリラでも支払うことができます。その時は、1€=38リラの計算でしたが、この値段は現金支払いの場合のみ。クレカだと追加10€と言われました。
ちなみに、€と$はギョレメのATMで引き出せます。
さて、気球ツアーです。朝の4時50分発。朝日を眺めるために出かけるため、外が真っ暗で、気温も肌寒い時間に出発しました。しかし眠い。
車を少し走らせると、真っ暗な広い野原(この時間だと、ただの暗黒の空間)で車を降りました。他にも多くの観光客が着々と到着してきます。
気球は、横に倒された状態でバルーン部分に空気を入れ、膨らまされていました。ある程度、空気が溜まったら下のカゴ部分を含め縦に直し、乗船します。
カゴ部分は8等分に分かれていて、それぞれの四角に4人ずつ入ります。特に指定される場所はないので、自分の番が来たら、空いている部分に乗ります。私たちは、ちょうど真ん中部分に乗ることになりました。
準備ができた気球から、空へ上がって行きました。
カゴを固定している紐を、地上にいるスタッフの方が少しずつ緩ませながら、少しずつ上に上がって行きます。あまりにも自然に上がっていくので、いつの間にか地上100メートルにいた、という感じでした。私は、高いところが苦手なのですが、気球は怖くなかったです。
軽いセーフティの案内があり、空の旅が始まりました。
私たちが気球に乗った日は、あいにくの曇り。晴れている日であれば、渓谷がもっと素敵に見えたのでしょうが、曇っていても十分素敵な風景でした。
気球を上げ下げしながら、ギョレメの街や渓谷を通り、カッパドキア一帯を1時間ほどかけて周遊します。
一時、地上1000メートルまで行きましたが、この日は曇りだったので、気球はすっぽりと雲に紛れました。雲の中に入る経験って、そんなにないので貴重ですね。気圧が大分変わるので、耳抜きもしました。
私たちが気球に乗ったのは平日でした。平日でも、こんな数の気球が空を飛んでいます。多分ですが、各気球が満員です。そう考えると、すごい数の観光客。カッパドキアの人気度合いを感じました。
気球のバルーン部分も面白く、中には、中国の旅行会社や、マスターカードなどの会社名が記載されていて、広告として使われているものも。
「Mastercard(と会社のロゴ)」と書いてある気球を見ると、冷めるわ〜と思ってしまったので、普通にカラフルなバルーンにして欲しいですが、広告の効果もあるだろうし、致し方ないのかもしれません。今後もっと増えるんだろうな。
周遊を終え、地上に戻ります。これが、1番スリリングで面白かったです。
そもそも気球って、どうやって地上に降りるか考えたことないですよね。私はありませんでした。今回学んだ、気球の着陸方法は、カゴを地面にスライディングさせ、人の自力で止めるってことでした。
徐々に高さを落としていくと同時に、気球を操縦するキャプテンから、「座って!」と指示されます。気球に乗った時点で受けた案内に従い、カゴの壁についている紐やカゴのヘリに手をかけて、しゃがむ形で体の重心を下に落とします。その際に、スライディングする進行方向に体重をかけます。
カゴが地面につくと、ザザザーッとカゴが横にスライディングしていきます。しゃがんだ姿勢の背中側にカゴが横だおれしそうになったら、今度は前の方に全員で重心を寄らせ、カゴをまっすぐに立てられるようにします。
この間、カゴはスライディングし続けるので、地上にいるスタッフの方が10人くらいでカゴを囲み、これ以上動かないように腕の力で止めています。動きが止まった瞬間、全員で拍手しました。ワンチーム!!!
しかもこれ、降りてから分かったのですが、キャプテンが火の調整などをしながら着陸していて、トラックの荷台にピッタリとカゴが収まるようにしていたようです。すご腕です。
降りたらノンアルのシャンパンが配られて(なぜか、どのツアーでもこれが付いている)、乗船証明証みたいなものをもらえます。思い出になるな。
人生で一度は乗ってみたかった気球に乗れて良かったし、想像していたよりも穏やかな時間でした。
ここからは、夫の一眼レフで撮影した気球の写真をご覧ください。やっぱり良いカメラで撮ると、全然違います。
カッパドキアを周るレッドツアー
カッパドキアでは気球ツアーの他に、周辺を観光する「レッドツアー」「グリーンツアー」「ブルーツアー」と呼ばれる3種類のツアーが存在しています。それぞれ巡るスポットが異なりますが、レッドツアーがカッパドキア初心者向けと言われています。
このように言われていますが、私たちが実際に訪れた場所と事前に言われていたルートは、微妙に違いました。海外ツアーあるあるです。これを書いていて気づいたくらいなので、満足度に変わりはありませんが、もし、どこかのスポットに必ず行きたい場合は、その日に出会うガイドさんに念押しする方が良いかもしれません。
ツアー代金も、大体どの会社も同じで55ユーロでした(グリーンツアーは、65ユーロ)。この中に、観光スポットの入場料金、ツアーガイド代、お昼代が含まれています。ドリンクやチップ代は含まれていません。
パシャバー - Pasabaglari
パシャバーは、「修道士の谷」としても知られる場所で、巨大なキノコ型の奇岩群がたくさんありました。ここは、かつて修道士たちが瞑想や修行に使っていた洞窟があります。随分と孤立して修行に勤しんでいたんだな。
岩の上と下は種類が異なるそうで、上の方が柔らかい土からできているため、三角に削れていくとのこと。逆に下は硬めなので、土台となっています。
世界遺産ですが、洞窟の中に入れますし、ガンガン触れることができます。時間が経つごとに削れているはずなので、少なくとも登ったりするのは止めた方が良いのではと思ったり。
ギョレメ野外博物館 - Open Air Museum
野外博物館とありますが、説明書きがあるような博物館ではなく、歩きながら古代の岩窟の教会、住居、修道院群などを見て歩ける場所でした。トレイルウォークに近い感じです。こちらも、世界遺産に登録されています。
ここは、行ってみたら意外と楽しかった場所の1つでした。ツアーに参加せず、観光スポットを巡るなら、ここは来た方が良いです。
下の写真下部に、岩壁に沿って階段があるのが見えますでしょうか。
敷地内をぐるりと1周するルートがあり、45分くらい歩きながら周ることができます。階段のアップダウンがあり、日差しを遮るものはないため、暑い日だと歩くのが大変かもしれませんが、トレッキングがてら歩くには最高のルートです。
デヴレント渓谷(別名:イマジネーションバレー) - Devrent Valley
自然の侵食によって形成された奇岩が多く点在しており、これらの岩が、動物や物の形に見えることから、自分のイマジネーションを使い、見て楽しもう!的な場所です。
ものによっては、確かにそう見えるよね!って思えますが、こじつけ感が満載な岩もあったので、時間があれば来たら良いかも、というレベルでした。
アヴァノス - Avanos
アヴァノスは、カッパドキアの中でも陶器の生産で有名な町。クズルウルマク川の粘土を使って作られた伝統的な陶器づくりを体験しました。
ツアーで連れて行ってもらったのは、このギャラリーです。アインシュタイン似のおじさん(Galipさん)がオーナーです。
ツアーグループは、私たちの他、ベトナム人のご家族(2人のティーンくらいの息子に、父と母)でした。陶芸の体験をすることになり、グループから1人選ばれるのですが、なぜか私が指名されました。いや、そこはティーンだろ。
アヴァノスの陶芸手法における特徴は、足で下の床をぐるぐると回しながら陶器を作っていくことです。椅子の高さと、私の身長が合わないので、全然回せませんでした。むずかった。
出来上がったものは、別にもらえるわけではなく、器っぽいものができたら終了という感じでした。
体験が終了したら、ギャラリーへ案内されます。
作る工程についても説明がありました。お皿の柄は手書きしているとのこと。大きなお皿のデザインをされていましたが、細かくて驚きました。
最後は、オーナーのGalipさんが出てきて、陶器の頑丈さを示すために、壺を地面に落としたり、上に乗ったりしました。これも、なぜか私がデモをする人に選ばれました。いや、ティーン選べ。
最後は、自由にギャラリーを歩き周り、好きなお皿などがあれば購入できる時間でした。各グループにセールスの人がついて歩くのですが、私たちには日本語が話せる女性が付きました。
このギャラリーは、作品はとても綺麗なのですが、値段が全体的に高めなのと、買えよオーラがかなり強かったです。世界一周中だから、大きな皿は買えないと伝えても、高くて大きな商品を勧めてきたり、私たちが、あまり大きな値段のものを買わないと分かったら、接客が雑になったり。
色んな作品を見ること自体は楽しいので、強いハートを持って見学するのであれば行っても良いかと思います!
カヤセヒル - Kayasehir
カヤセヒルの地下都市は、トルコのカッパドキア地方にある、2014年に発見された地下都市で、いまだに発掘活動が続けられているそうです。他のカッパドキアの地下都市(デリンクユやカイマクルなど)に匹敵する規模とされています。
地下へ潜ると、天井は2メートルくらいの空間がありました。広いスペースで、石の壁で部屋のように分かれていました。壁と壁の間を通ると、次の部屋へ行けるような作りで、宝物が隠されていそうな雰囲気でした。中は涼しく、しっとり。
そこまで大きくないので、30分もあれば見終わる場所でした。
鳩の谷 - Pigeon Valley
鳩の谷は、その名前の通り、崖に彫られた無数の鳩の巣穴が特徴的な渓谷です。カッパドキアにおいて、鳩は肥料、伝書鳩、食料など様々な用途のために共存してきました。このような巣穴はカッパドキアの至る所にあったので、この谷だけではないですが、ここが1番数が多かったです。
ここにはお土産ショップが何軒かありました。ギョレメでも買えるものがほとんどですが、その他にトルコのお守りであるナザールボンジュウを買って、枝にくくりつけることができたり、手書きの水彩画を売っていたりもしました。
鳩の谷と呼ばれていますが、人間の近くに無数に鳩が来るわけではありませんでした。私のように鳥が苦手でも、景色を十分に楽しむことができました。
ウチヒサール城 - Uchisar Castle
ウチヒサール城は、カッパドキアの中で最も高い場所にある自然の岩を削って作られた城塞です。頂上からは、カッパドキアの広大な風景を一望できるとのこと。私たちは登らずに、周りから写真を撮っていました。
道路の横にどーん現れ、存在感がある城塞でした。テレビゲームのボスが住んでいる城みたいな感じ。ちなみに、登るためには250 TLの入場料が必要です。
朝10時頃から始まり、夕方5時には家に戻る、比較的に楽なツアーでした。どのツアー会社も同じような内容でツアーをやっているので、どの会社で予約しても変わらないと思います。もし、私たちが利用した会社が気になる場合は、ご連絡ください。担当してくれた方のWhatsappをお伝えします!
意外とおすすめ
レッドツアーには含まれていませんが、個別に訪問してとても良かったのが、「オルタヒサール城」です。ウチヒサール城と同じく、岩からできた要塞で、私たちが滞在していたオルタヒサールの街にあります。
オルタヒサール城は、約86メートルの高さを誇る巨大な岩を削り出して作られています。頂上に登ると、カッパドキアの象徴である奇岩群や、遠くにエルジェス山(Mount Erciyes)が見渡せます。ここは、せっかくなので上まで登ることにしました。こちらの入場料は、50TLと手頃です。
ウチヒサール城に登っていないので、経験から比較ができないのですが、色んな口コミを見る限り、オルタヒサール城に登る方が圧倒的に大変なようです。確かに、階段は急だし、狭いし、崖の横を歩いていくので若干怖さもありました。息切れするほど大変ではないですが、足腰、膝が弱い人は気をつけた方が良いかもしれません。
10分〜15分くらいかけて登ると、そこには絶景がありました。登って良かったー!
私たちが登った時には他に誰もおらず、この景色を2人で独占できたのもポイントが高かったです。数分後に他の方も来ていましたが、混むことは決してありませんでした。
まだ、観光客が集まっていないけど、良い観光スポットです。金額も安いですし、カッパドキアに来た際には是非行ってみてほしいです。
カッパドキアまとめ
カッパドキアは、全体的にお高かったですが、とてもユニークな場所で、世界中から色んな人を集めるのにも納得できます。気球系以外のアクティビティは、少し体を使うので(坂も多いです)、年を取ってから来るのは少し大変かもしれませんが、誰でも楽しめる場所だと感じました。
レッドツアーやオルタヒサール城に登るのも楽しかったですが、やっぱり気球に乗れたのは相当楽しかったです。一生の思い出になりました。
次は、ジョージアへ向かいます。
\私はこんな人です/