手作業の皮包をやめた代償

今日は久々に「餃子の王将」で食べた。
なんか昔と違うなー、どうもあの心躍る味から変わったなーと思ったら
こだわりだった餃子の店舗での手作業皮包みをセントラルキッチンでの完全機械化に置き換えたらしい。
冷凍ではなくチルドでの製法で、本来ならばそれほど違いが出ないはずなのに、はっきりとわかるほどにその違いが出てしまっている。

これ、餃子を皮から作ったことのある人ならばわかるはずなんだけど、餡を皮で包んで即焼いて食べるのと、包んだ後少し時間が立ってから焼くのとでは雲泥の差が出るんだよね。

確かに、効率化にて餃子の機械化は良しとしても、もし、そうするならば他のメニューやら何やらでグレードアップ図らないと見劣りしかしないよなぁと思った。

祖師谷にある「福錦」は皮から何から何まで可能な限り手作りで調理する。油も回転が良いのか、そこそこな品質を使っているのか全く油酔いしない。そしてものすごく安くて量も多くてサービスも良い。そしてすごく美味い。
餃子の王将は「餃子」での優位性が唯一の魅力だったのに、それが無くなってしまえばサイドメニュー等の融通の効きやすさ、CPだけが勝負となる。

でもそれらは「本物の本業」の中華料理店には到底かなわない。

FC店の中では優秀と思っていた「餃子の王将」も、こうした小さな変化だけで、今後行くことを躊躇してしまう。それくらいに「チェーン展開型フード店・ファミレス」は、ほんの小さな「効率化」で化けの皮が剥がれやすくなってしまっているのかもしれない。コロナ禍で飲食業が大変なことになっているのは紛れもない事実だが、その中でも真心のこもったメニューとサービスを行っている個人経営店舗には常連/リピーターがしっかりと付いていて乗り切れている。それに比べてチェーン店はGo toの恩恵やディスカウントが無い店舗は超閑古鳥、ある店舗はチェリーピッカーの餌食になっている。おそらくチェーン系は全滅するかもしれない。

この前、バーガーキングに行った時、表で4人並んでいてレジ対応が一人でこなしきれない状況の中で「ヘルプできる?」と聞かれたバイトの子が「私今コーヒーやっていて無理」とそっけなく返事していた。その奥では3人が厨房にいた。裁かなければならない客が4人でこの状況。

一方、祖師谷のやきとり屋の名店「たかはし」
御年喜寿超えのマスターは20人分のやきとりオーダーを一人で覚え、焼き、間違いなく串を届け、その上で自らのドリンクをも作りやりこなしている。

チェーン型店舗の限界ってこういうところにもあるんだろうなと思った。

でもそれでいいのかもなとも思う。そもそも外食屋が多くなりすぎているんだろう。
そんな中で「実力があり、真心の対応ができるマネーフォーバリューな優秀店」だけが残っていけるのだろう。

家でご飯を作って食べる。ごちそうで外でご飯を食べる。

こういう本来だった姿に戻っていくのかなと思った。

一人で作りづらい人用に、ある程度のコンビニ飯とスーパー惣菜の需要も必要だろう。でも、リモートの普及による不要な上京組がいなくなることでこれからは減っていくかもと思う。

確実に世の中が変わっていく流れを、多様に見極めていくことが必要なんだなといっぱい考えさせられた。

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