銀座グルメ【銀座ろくさん亭】中央区 懐石料理
大変恐縮なのですが、せっかくなので記録に残す目的で投稿します。
私が様々な形でお世話になっている、和の料理の鉄人「道場六三郎」先生のお店、ろくさん亭。
YouTubeチャンネル「鉄人の台所」での出演記録です。
よかったら見てみて下さい。
なかなか面白い回になったと思います!
銀座ろくさん亭
〒104-0061 東京都中央区銀座6丁目9−9 かねまつビル 8F
個室ならば子連れでも食事が可能だが、やはりカウンターでの楽しみ方が好き。
個室も落ち着いて広々使えるので、大切なイベントごとや特別な機会での使用はおすすめ。
今回明石の友人が東京に来るのに際し、地元祖師ヶ谷飲みも捨てがたかったところ…こちらも絶対に食べてもらいたく。
一番面白いカウンター席を予約した。
ちなみに、カウンターはオンラインの空席がないことが多く、電話予約でお願い出来たりもする。
とにかくどの席でも良いので、まずはランチメニューから食べてみて欲しい。
私はこの席が大好き。
他にないアトラクション感覚。
目の前は鮮魚のディスプレイ型冷蔵庫だったらしいが、コロナ期に壊れてしまい、特注品のため直せていないとのこと。
しかし、日中冷気を当てても空気にさらされてしまうため、魚が乾くことから使用を止めたとか。
捌く前に、大きな魚がドンと一時的に置かれることもある。
いつ来てもワクワクが止まらない。
とにかく眺めがいい。
カウンターでは担当者が魚を捌く様子を見られる。
今日は2人とも夏季休暇だそうで、料理長が捌いていた!
超レアなイベント。
鮎の仕込みは料理長とお弟子さん2人が並んで進めていたが、圧倒的速度と技術の差を目の当たりにし、感動。
奥の方ではその他の前菜、メイン、デザートなどの仕込みが次々と進められる。
どの料理人も真面目に、少し楽しそうにしていたりもする。
包丁が飛び交ったりはしない。
並べられている食器類がひたすらに美しい。
旬彩膳
これで¥5,500(税込)
席料もチャージ料も無し。
これポッキリ!!
ファーストアタックは立山(富山県) 二合 ¥1,800!
今の時期、めちゃ暑い外からの一杯にふさわしい。
気持ちの良い食前酒。
前菜
・チーズ黄金焼き
・とうもろこし揚
・吸とろ
・海老水晶
・蟹絹田巻
・枝豆当座煮
あまりにも美しすぎる、全てが美味しい。
これがろくさん亭の真髄とも言えるのではなかろうか。
技術とアイディアの宝庫。
それでいて、旬のあれこれが詰まりまくっている。
山本料理長は涼しい顔で仕込みを続けるが、血の滲むような仕込みを夜な夜な繰り返しているに違いない。
なんなんだ、このもてなししかない食の境地は。
チーズ黄金焼きは定番メニュー。
持ち帰りのお土産品にもあって、これはいつも出してもらえる。
早速酒が溶ける。
友人はこの黄金焼きの再現を帰宅後にトライするらしい。
道場先生のことだから、特別珍しい高級食材は基本使わないだろう。
家庭にありふれた材料から、捻りのある発想と技術で生み出される発明品がほとんどだと思う。
今のところ、尋ねたことは料理長が包み隠さず教えてくれている。
一流は何一つ隠さないのだ。調理場隅のエナジードリンクを除いて。
その他の品目は毎月変わり、ウェブサイトに公開されているので、ネタバレを楽しんだり、お楽しみにすることも可能。
コチュジャンと酢味噌のソース添え。
どうしてこう合わせることになったという材料から、上手いこと和食にねじ込むのがろくさん亭。
このアイディアは料理長ですか?と聴いたら「おやっさんです(道場先生)」キラリ!!
という料理長の笑顔な返答。
続いて龍勢 八反錦(広島) 二合 ¥3,800!
これは!!
広島ならではの芯の通った味ながら、時間と共に馴染んでいく奥深い酒。
あっという間に無くなるだろう…。
御椀
・冬瓜すり流し、鶏つくね、祝粉
祝粉とは胡椒のこと!!
とろっとした冬瓜が体に優しい。
甘く柔らかい鶏つくねに、ピリッとした胡椒が引き締まる!
こういった風流も雅も教えていただけるところも、楽しみの一つ。
造里
だいたいは、お造りとカルパッチョの2択。
・本日の一番魚二種盛り
本鮪赤身と平目!
いい具合の熟成感で酒がすぐ足りなくなる…。
ろくさん亭の刺身は絶対に間違えない!
大葉、穂紫蘇、あかめ(赤紫蘇の芽)、などが添えてある。
・ヒラメとホタテのカルパッチョ
今回はアラレのアクセントが計算づくで効いている!
さっぱりヒラメと濃厚なホタテがなかなかずるい。
この2択は本当に悩ましく、どちらを選んでも料理長は間違えないので、気分で選んで欲しい。
選べないけれど。
焼物
・鰆茄子、胡麻味噌
これもめちゃくちゃ美味しい!!!
とろとろの夏野菜に鰆、揚げごぼうのトッピング、胡麻味噌がぴったり。
味は大人しすぎず、甘さとこってりさが程よい一品。
意外にしっかり野菜がゴロゴロ入っている。
ごぼうはどうやったらこんなに細かくカリカリに香ばしく仕立てられるのか!?
ピーラーか何かと話していたら
「桂剥きしたものを刻んで小麦粉で揚げています」
と料理長。
相当な量を仕込まなければならないと思うのだが!?
こういったありがたい努力を涼しい顔で黙って提供するのがろくさん亭。
また酒が溶けてしまうかと思ったその時…。
友人の様子がおかしくなった。
道場六三郎先生監修、特別限定酒。
【お米を1%まで削る】
文面からは全く意味のわからない日本酒。
1%までの研ぎ、つまり精米歩合99%!
私の知る限りでは楯野川が同様に仕立てていたが、やはりそれは当然知るところだった。
この酒はそれだけではない…。
精米歩合99%を実現させるために…。
それだけで2000万円かかるとのこと。
一体どれだけのコストがこの酒にかかっているのか。
そんなストーリーがあったせいで、友の心がバーニングしてしまったらしい…。
私にも奢るから一緒に飲もうと!!!!!!
すごい酒が来ることになった!!
ちなみに、仲居さんが「行かれますか!!!」との追いよいしょをくれた!
舞台は整った!
道場六三郎 伯楽星 四合瓶 ¥180,000 / 一合 ¥45,000 / 30ml ¥8,000
この酒が完成しただけでも本当におめでたいもの。
時間と労力と想い
他とは比にならないだろう。
友人に心の底から感謝しながらいただいた。
ズシリ、ではすまない、錫よりも重い盃。
重いのは気持ち的なものだろうか、本当に器が重いのか分からない。
一口目、一瞬で溶けてしまって何が起きたのか分からなかった。
これはいかん。
慎重に飲み進める…。
なんというか
空気!!!!!
それくらいに溶け込む味。
美味いのはもちろん。
そんな表現では陳腐になるほどの次元の違う風味。
舌の上で転がり勝手に喉に落ちてゆく。
酒ってこんなに空気だったっけ?
お願いだから、もう少しゴクっと飲んでみたかったが…。
それくらいに一口の儚さが尋常ではないくらいに消えてゆく。
そして全く引っかからず美味さの余韻だけが残り、料理をより美味しく楽しませてくれる。
本当にありがとう。
この経験は死ぬまで忘れない。
ありがとう。
最後に澤乃井 大辛口(東京都) 二合 ¥2,000を注文。
やっと現世に戻ってきたか…。
この美味さが現実の世界だよな。
先ほどは仮想空間の美味さだったなと思わせるほどの異次元感。
やっとリアルの世界に戻ることが出来た!
それにしてもやっぱり澤乃井って、すごく美味いんだな。
冷やし煮物
・南京、海老、小芋、酒盗あん
本日は市場が休みのため、酒盗ではなく鰹出汁あん。
これもまた優しく安心な味。
里芋ほっくり、南瓜甘とろ、オクラほっこり、海老ぎゅーっと旨味の嵐。
あんかけを最後まで堪能したくなる。
気が付けば、澤乃井が溶けていた…。
食事
まさかの5択。
そんな難しい選択が世の中存在しているのか。
・赤出汁と御飯
・温かいおうどん
・冷たいおうどん
・出汁カレーうどん
・糖鯖茶漬
とはいえ、赤出汁と御飯、出汁カレーうどん辺りは食べたことがあったため、どうみても糠鯖茶漬一択であった。
・冷やしうどん たぬき風
油断していると噛みきれないほどのコシ強いうどん。
丁寧な細切りきゅうり、ネギ、わかめ、ザクザク天かす。
七味はお好みで。
少し濃いめの醤油ベース出汁。
小鉢よりも少し大きめのお椀に盛られている。
十分お腹いっぱいになる量。
・糠鯖茶漬
茶漬け、という言葉に惑わされてはならない。
これは完全にツマミ。
糠鯖は日本酒にも、ワインにも合うだろう。
刻み大葉が相性バッチリ。
きゅうりの糠漬け、山芋の酢漬けも安心の味。
自宅の糠漬けとは米糠の差からかキャラクターは違えど、塩加減や熟成度はバッチリ分かる。
食後も糠鯖が忘れられず、頭の中をぐるぐるしている。
ああああああ美味いなぁ…。
水菓子
・イチジクの餡蜜
実は内緒でスイーツはグレードアップしてもらっていた。
(山本料理長ありがとうございます!!)
イチジク、バニラアイス、白玉、求肥、寒天、みかん、あんこなどを、お手製黒蜜(みたらし風)でいただく。
これもまた絶妙なバランス。
和風なようで洋風なよう。
イチジクを黒蜜でいただける機会はそうそう無い。
ミントですっきり美味しく〆。
酒を除くと、この内容のランチメニューで¥5,500は本当にお安いと思う。
完全にフルコース。
ちなみに、これよりもまだ品数の多いもてなし膳¥7,700や、ローストビーフ丼に前菜とデザートが付いて¥3,850のセットなどもある。
この感動が様々なシーンや設定で、カジュアルにも大切な場にも選べるのだ。
本当にありがたい。
今日も全て心に残る、素晴らしい料理をありがとうございました。
ただただ、感謝の気持ちが溢れて止まりません。
おまけ
帰りの時間まで僅かに空いたので、近くの銀座三越へ。
大好きな店の一つ、地下2階のパン屋。
ジョアン。
ジョアン銀座店
〒104-8212 東京都中央区銀座4丁目6−16 地下2階
鳴門金時と塩バター ¥260 【★★★★★】(焼き立て)
13時30分スタートのろくさん亭であまりにも楽しみすぎてしまったため、15時焼き上がりのコーンパンは売り切れ。
(間に合う予定だったはず…)
目の前に運ばれてきたのは「鳴門金時と塩バター」
お手頃価格なのにサイズ大きめ、お芋ぎっしり。
パンを割ると、中から半溶けのバターがトロリ。
友人と一口目から感動を叫んだ!
ここのパンは小麦がそもそも美味しく、最高のバランスで提供してくれる。
オレンジ&クリームチーズ ハーフ¥432 【★★★★☆】
これはSNSでファンの投稿が多かった品。
気になっていたので購入したが、なんと贅沢な作り!!
オレンジピールとレーズンに、モッタリクリームチーズがこれでもかというほど詰め込まれている!!!
どこを食べてもバランス良く、酒のツマミにピッタリ。
今日はコーヒーでいただいた。
ずんだロール ¥389 【★★★★★】
ここはデニッシュ生地も美味しい。
ずんだのペーストとデニッシュの相性が抜群と思いきや、中にはたっぷりのカスタード!!!
贅沢にかぶりつき、あっという間の完食。
こんなに美味しくパサつかない、満足度の高いデニッシュはなかなか無い。
ベーコンエピ ¥367 【★★★★★】
フロランタン ¥300【明日のお楽しみ】
ベーコンエピは鬼リピート品。
このお値段で間違いなく美味しく作る店は、限りなく少ない。
外カリカリ、中モチモチで十分な食べ応え。
それでいてどこまでも香ばしさが残る。
フロランタンが目に留まり、レジ前で購入。
明日のお楽しみ。
銀座三越の9階に広いテラスがあるので、ここで食べるのがおすすめ。
昨日の真夏は少し暑かったが、春や秋頃は最高に気持ちがいい。
パンや地下の惣菜、弁当のほか、外国人がリンゴを丸かじりしていたりもするので、それぞれ自由に使っていいと思う。
限られた時間での銀座巡りではあったが、間違いのない店には本当に感謝の気持ちでいっぱい。
いつまでも変わらず長続きして欲しい。
明石の友人、今日は本当にありがとう。
やっぱり銀座は大好きだ!!!!
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