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【長編小説】私がホス狂と呼ばれるまで #1~#14のまとめ
【↓↓↓ 1話からどうぞ ↓↓↓】
登場人物
福井玲奈
26歳のOL。柔らかい雰囲気と愛嬌で好かれやすく穏やかな人生を送っていたが、過去の結婚詐欺をきっかけにホストクラブ通いに依存する生活を送る。友人の友香やカウンセラーの支援を受けながら、依存から抜け出そうとしているが…。レン(島崎廉也)
ホストクラブの人気ホスト。客の心を巧みに掴み、お金を引き出すプロフェッショナル。表向きは明るく魅力的だが、本心は計算高く利益を優先する冷徹さを持つ。青木透
玲奈の職場の先輩で、穏やかで真面目な性格。かつては玲奈に恋心を抱き、彼女を支えるために金銭面でも尽くしてきたが、彼女の本心に気付き、距離を置こうとしている。田辺友香
玲奈の中学時代からの親友で、数少ない信頼できる存在。明るく気さくで、困っている人を放っておけない性格。社会人になっても玲奈との関係を続けており、彼女を心配している。佐藤真理子
冷静で共感力の高いカウンセラー。心理学に基づき、クライアントを導くプロフェッショナル。
プロローグ
半年前、福井玲奈は婚約者が結婚詐欺師であることを知り、経済的にも精神的にも大きな傷を負ってしまう。打ちひしがれた玲奈は、ふと足を運んだホストクラブで、1番人気のホスト「レン」に出会う。レンの計算し尽くされた甘く優しい言動の数々は、傷心した玲奈を癒していく。しかし、徐々に玲奈にとってレンはただの癒しから、全てを捧げてもいいと思えるほどになり、依存の対象へと変化していく。
経済的困窮と青木の利用
玲奈は、レンと会うために節制節約に努めるも、レンへの依存は増すばかりで、とうとう経済的限界を迎えてしまう。それでも、レンへ会いたい気持ちをどうしても抑えられない玲奈は、職場の先輩である青木透に目を付ける。玲奈は青木から向けられている恋愛感情に前々から気づいており、これを利用しようと考えたのだ。
玲奈は食事を奢ってもらうだけなく、仕事の悩みや生活の困窮っぷり(もちろんホストの存在は秘匿)を自然にアピールし、直接的な資金援助も受けるようになる。
親友のサポートによりホスト依存からの脱却を目指す
田辺友香は玲奈の中学時代からの親友であり、お互い社会人になって以降も関係が続いている数少ない友達の一人でもあった。ある日、友香は玲奈の秘密―ホストクラブでの浪費、レンへの依存―を偶然知ってしまい、不安に駆られると共に、玲奈を救いたいという強い気持ちが芽生える。友香は既にどっぷりハマってしまっている玲奈を、自分一人で助けだすことは不可能だと思い、カウンセラー佐藤真理子のもとに連れていく。カウンセリングで玲奈は、結婚詐欺被害が発端にあったこと、その矢先にレンと出会い好きになってしまったことを冷静に話そうと努めるも、やがてレンへの感情が爆発し、佐野と口論のようになってしまい涙を流す。経過観察のため、面談は継続して行うことに決め、初回のカウンセリングは終了する。
抜け出せないホスト依存
玲奈は、カウンセリングや友香の自分に対する想いを痛感し、ホスト依存から脱却しようと一時は決意するも、時間経過とともにむしろ以前にも増してレンへの気持ちが強くなる。友香から度々送られてくる自身を心配するメッセージも、次第にレンとの間を引き裂こうとする障壁のように感じてしまう。そこで玲奈は、表向きはレンへの依存から抜け出すために努力している風を装いながら、レンとの時間を楽しむようになる。経済的な問題は玲奈に常につきまとうが、また青木を利用すればなんとかなると楽観的に考えていた。
青木が目にした玲奈の裏側
青木は、玲奈が知らない男(レン)と二人きりで、おしゃれなイタリアンで、仲睦まじそうに食事をしているところをこっそり目撃してしまう。見たことのない玲奈の笑顔を目の当たりにした青木は、自分が玲奈に利用され続けてきたことに気づき、深い失望を感じると共に玲奈との決別を心に決める。
一方、そんなことをつゆ知らない玲奈は、今まで通り資金調達という真の目的のためだけに青木を食事に誘うが、初めて断られる。青木は、あえて本当の理由を告げず適当な言い訳をして断ったため、玲奈は多少の違和感こそ抱くも、たまたまだと思い、核心部分には気づかないでいた。
親友をも利用しようとする玲奈
玲奈は、適度に間隔を空けながら、青木に食事を誘うも断られる。青木からの資金援助が途絶え、レンと会えなくなるどころか、食べることにすら困る日が続く。そこで玲奈は、友香の自分を心配してくれるやさしさに漬け込み、定期的に食事を奢ってもらう。しかし、青木のように直接的な資金援助はさすがに望めないので、玲奈のレンに会いたいという禁断症状は頂点に達する。そして玲奈は禁断の一手で、青木からお金を引き出そうと企む…
#15へ続く
(この物語はフィクションです。実在する名前及び団体とは一切関係ありません。)
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