K-ichi@読書/映画

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読了した本や観賞した映画について、ゆるーく適当に書いています。内容は保証しませんのであしからず。

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青年は失った記憶を取り戻すことができるのか

夢野久作の作品を読んで、巻末にある解説なんかを読むと、夢野久作の代表作といえば『ドグラ・マグラ』が有名だ! とよく見るので、いつかは読んでみたいと思っていた。 そもそも「ドグラ・マグラ」ってどういう意味? って感じだったんですが、作中でちゃんと解説されていました。 「ドグラ・マグラ」とは、明治維新前後までキリシタンが使う現魔術のことを言った長崎地方の方言だそうで、今でいうところの手品とカトリックといった意味なのだそう。 漢字に当てると「堂廻目眩」「戸惑面喰」のような感じになる

    • 期限付きの恋愛に、切ない痛みが突き刺さる

      中盤まではめちゃくちゃいい話で、恋愛って美しいなって思うんだけど、後半からまさかの展開で、やっぱりそうなってしまうんだ、出会いがあれば別れもある感じなんだね、と物悲しくなってしまった。 冒頭の出だしも含めて、〜だった、と基本過去形で語られていくから、終わった恋なんだなあと薄っすらと思っていた。 けれど、やっぱりそうなるのかあという思いと、最初かな叶わぬ恋だとわかっていての恋愛だったんだな、というのがわかると、それはそれで切なさが倍増する。 主人公の「僕」が抱く好きな人への気持

      • 夢や目標を共有して、力を貸してくれる人を探す

        どちらかというと自分は秘密主義な方で、自分の考えをあまり人にベラベラとしゃべるのが好きじゃない。 自分はこういうことを考えているとか、こういう野心があるとか、こういう夢を持っているとか、自分のことをあまり人に知られるのが好きじゃない。 何でもかんでもおおっぴらにしゃべる人もそれはそれで魅力があるけれど、この人は一体どんなことを考えているんだろう? って謎が多いミステリアスな雰囲気の人もまた、惹かれるところがあるじゃないか。 別に狙っているわけじゃないけど、性格的にも自分の本心

        • 老年になってようやく自分の人生を歩み始める

          ただ生きるための仕事として暗殺者になった女性。 別になりたかったわけでもなく、ただ必死に生きようとしていた頃に出会った人が、その手の仕事を秘密裏に受けていたまでのこと。 それがだんだん評判が広まっていって、暗殺を行う実行者として訓練され、会社の創設メンバーにして優秀な暗殺者として育てられた女性。 それから時が経ち、高齢者となった今も現役で活躍し続ける彼女。 でも、老化というものは確実に体を蝕み、昔ほどの優雅さや美しさや身体の強靭さは失われてしまう。 関節がきしみ、手の震えや老

        青年は失った記憶を取り戻すことができるのか

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          各国の空気感がひしひしと伝わってくる旅のエッセイ

          息をするように旅をする。 旅をすることが、自分の中の本能として、プログラムされているんじゃなかろうか、というぐらいに、本当に旅が好きなんだなと、感じさせられた。 旅に行くと決めてから、実際に空港で飛び立つまでに不安にかられたりするし、何十回と旅に出ても未だに旅慣れしない、ともいっているし。 それでも旅することをやめない、それが自分の一部だから、みたいなものを感じて、とてもかっこいい。 旅って人を魅了にさせる何かがあるんだろうなと、感じずにはいられない。 ぼくも旅をしてみたい

          各国の空気感がひしひしと伝わってくる旅のエッセイ

          業界のビジネスが根底から変わることが本当のDX

          サービス業や飲食店など、対人の業種の人には当てはまらないかもしれないが、パソコンがあれば仕事ができてしまう IT系の会社は、コロナ禍で在宅勤務が強制されてしまった。 もともと世界的な動きとしては、オフィスに出勤せずに、オンラインでコミュニケーションをとっていけるのでは? という風潮が広まり、徐々に非同期コミュニケーション (チャットツールなど) をに移行しようとする流れがあったらしい。 しかしコロナによって、そのスピードが一気に加速することになった。 在宅勤務をすることは初

          業界のビジネスが根底から変わることが本当のDX

          時代を先駆けるのは常にベンチャー企業だ

          本書のタイトルである「Shaper」とは、「何か新しいものを形作る人」という意味があるらしい。 この本は、若者向けに書かれている。 特に新卒を控えた大学生など、就職を控えた意欲ある学生が読むべき本ではないだろうか、と感じた。 もちろん、社会人の人でも事業のこととか、働き方とか、クリエイティビティの面で参考になることは多い。 しかし、読み手が若ければ若いほど、特に学生であるほど良いだろうと思うのだ。 なぜかというと、新卒で入社するには、大企業よりもベンチャーの方が将来性がある、

          時代を先駆けるのは常にベンチャー企業だ

          どうせ仕事をするなら、楽しめるような環境でやりたい

          社長であり著者の橋本さんは、自身の体験から、みんなが仲良くわいわい言って楽しめるようなグループにしたい、という思いが強かったそうで、それを会社で実現している。 会社といえば、固くかしこまっていて、無機質で面白みもなく、楽しさよりも真面目さ、とう感じで働いていて楽しくない、みんなピリピリしていて話しかけづらい、お互いをライバルだと思っていてギクシャクしている、なんてネガティブなイメージがある。 これはかなり偏った見方かもしれないけれど、個人的には、会社というものは面白くないもの

          どうせ仕事をするなら、楽しめるような環境でやりたい

          「誰か」と一緒にやるほうが、自分一人でやるよりも効率的

          自分の夢や目標を実現させるとか、仕事のプロジェクトを実現させたいときに、僕たちは大体「どうすれば上手くいくだろう?」と考える。 より良い方法論を考え出し、時には実践しつつ軌道修正しながら、実現のための舵取りを行う。 世の中には「どうやるか」という考え方が蔓延している。 でも、僕たちが本当に考えないといけないのは方法論ではなく、「誰に頼めば解決してくれるか」の方がより大事で手っ取り早い、と本書では勧めている。 アレをするにはどうしたらいいんだろう、コレをするには何が必要なんだ

          「誰か」と一緒にやるほうが、自分一人でやるよりも効率的

          再び蘇った怪物を葬るために再集結した仲間たち

          前作でペニーワイズに一撃を放ち、退治できたかに思われた。 しかしあれは一時的に退散させただけで、ペニーワイズを根本から葬り去ったわけではなかった。 「ルーザーズ」たちは、また何かあったら再び立ち上がろうと絆を深めたあの日、再会する時が決戦になるとどこかでわかっていたのだろう。 エンドクレジットで流れた『 IT chapter one』の文字は、ペニーワイズの恐怖はまだ終わっていないことを物語っていた。 そして 27年後、ペニーワイズは再び子供を狩るために姿を現した。 その怪物

          再び蘇った怪物を葬るために再集結した仲間たち

          何が本当で何がウソなのか、情報を見分けるのは難しい

          SNSは誰でも簡単に、すぐ始めることができるし、自分と同じ趣味を持つ人を簡単に探し出すことができる。 昔は同士を探すのだって一苦労だったのに、SNSの登場で、割とあっさり見つけてつながることができる。 それだけでなく、誰もが手軽で簡単に情報を発信できることが、SNSの魅力じゃないだろうか。 そして最大の特徴といえば、情報の拡散力。 誰にでも簡単に情報を発信できるということは、情報の拡散を狙って戦略的に発信する者も中にはいる。 広まりやすい情報の性質を逆手にとって、意図的に情報

          何が本当で何がウソなのか、情報を見分けるのは難しい

          消えた弟の捜索が、町の秘密を解き明かすきっかけに

          下水道に潜む不気味なピエロが、子供を誘惑して喰い殺すというすごく残酷で怖いホラー。 見た目はピエロのような格好をしているけど、中身は人間ではなくて、何か得体の知れないこの世のものではない生き物。 少年少女を恐怖に怯えるのを楽しみながら、じっくりと追い詰めて、ピエロの顔の下から無数の牙が生えた何かが子供を喰い殺す。 そのピエロは 27年ごとに子供達を餌にして生きながらえているという設定。 その子供が一番怖いと思っているものを幻覚で見せて怯えさせ、ピエロの姿を見てしまったらもう逃

          消えた弟の捜索が、町の秘密を解き明かすきっかけに

          身の回りの誰かは、実は他の惑星から来た異星人かもしれない

          母星で戦争が起こり、地球に難民として現れた惑星難民 X。 地球に助けを求めてきた彼らは温厚な性格で、基本的に争いを好まない種族。 地球人たちに危害を加えることは少ないと判断したアメリカの政治家たちは、難民を受け入れることに賛成する。 1度だけ使えるというスキャン能力によって人間へと変身し、あたかも普通の人間として社会に溶け込んでいく。 という結構壮大な設定から物語は始まる。 異星人を難民として受け入れようと決まったとき、社会にはどんなうねりが巻き起こり、どんな問題が出てくる

          身の回りの誰かは、実は他の惑星から来た異星人かもしれない

          最悪の状態でも、倫理観を決して失わなかった者たち

          地球に彗星が迫ってきていて、当初は衝突することはないだろうとの見方だったけれども、やっぱり地球に衝突して、隕石となって地上に降り注ぐのは避けられなくなる状況に陥ってしまう。 隕石の衝突は、大昔は地上の覇者だった恐竜を絶滅させたほどの被害をもたらす。 今回の衝突で人類が滅亡するのは避けなければならないため、極秘に選ばれた人たちはシェルターに避難するように誘導させられる。 建築家のギャリティーは、避難民に選出されたため、家族を率いてシェルター行きの飛行機に乗り込むために出発する。

          最悪の状態でも、倫理観を決して失わなかった者たち

          好きになった人を振り向かせるための努力は楽しい

          この著者の『バター』という小説を前に読んだことがあるのだけど、その小説と同じく、この小説も喉を唸らせるような、唾液が口いっぱいに広がるようような、ご飯を美味しそうに頬張りながら食していく情景が何度も繰り返されるので、ご飯欲が刺激されて良い意味で悪い小説だ。 『バター』のときは文字通りバターをこれでもかとふんだんに使った濃厚でコクの深い味わいの料理を表現し、今回の小説では「高級鮨」のとろけるようなネタが描写され、手に届かないような存在だからこそ、生きているうちに一度は「本物」の

          好きになった人を振り向かせるための努力は楽しい

          情にほだされた研究者は、犯罪者の青年を救おうと試みる

          青年はなぜ両親を殺したのか。 彼は捕まってからごく少数の人としか話さず、保護観察で釈放されるまでの 6年間、ほとんど口を開かず沈黙を貫いてきた。 知能が高く賢い彼は一体何を考えているのか。 両親を殺したとされる彼の精神状態はどうなっているのか。 そんな彼を解明しようと、一人の精神研究者の女性がチームを率いて、彼を四六時中観察する研究を始める。 家のあらゆる場所に監視カメラを仕掛け、公共の監視カメラにアクセスし、彼の行動を探る。 青年の足首に付けられた GPS装置で場所を追跡し

          情にほだされた研究者は、犯罪者の青年を救おうと試みる