目が充血するくらい
私が所属している機械部は営業と技術でグループが分かれており、日常点検以上の問題が発生したり原因不明のトラブルが発生した場合は技術グループがお客様のところに伺う。恥ずかしい話、技術面で私はド素人であり、普段エンジンを触っている現地のオペレーターさんの方がよく分かっている。
今回、私が担当している顧客で原因不明のエンジントラブルが起きたのだが、その機械を担当している技術者が代休(ここ数ヶ月ほとんど休んでいなかった模様)。そこで営業の中でも技術に詳しい人に助言をもらう、メーカーにも問い合わせるなどして動いていた。だが、真因にたどり着けない。原因不明トラブルの場合、エンジンを開けてみないと分からない部分も多いのだが、症状から原因をいくつか推定して「初動を間違えないこと」が重要である。
他のエンジニアや営業、オペレーターにまで聞いて聞いて、でもはっきりしないという作業を繰り返していた時、尊敬している先輩から掛けられた言葉が「目が充血するくらいパーツリストを読んだ?」というものであった。いつもは根性論など特に嫌う人なので「目が充血するくらい」という言葉が非常に引っ掛かった。
でも、それを聞いたときにこのトラブル対応で「他人ばかりを頼りにしている自分」に気が付いた。誰かが答えを教えてくれることを待っていた。しかし技術でも営業でも同じ人間。知識や経験に違いがあって実際に手を動かして作業は出来なくても頭を使って考えることは出来る。問題の本当の答えにたどり着けるのは、自分の頭で考えている人だけだ。それが求められている。そういえば、エンジニアに「自分の目で見てください」と言われたことを思い出した。
パーツリストやマニュアルを読み込み、2つの原因を考えた。①軽い故障でで時間も費用も少なめのもの、②重たい故障で時間も費用も多めのもの。まずは朝から①を試してもらい、完全に潰してから②に向けて作業する方針でオペレーターに伝えた。
このような問題は、自分にもそれなりの知識があって技術と対等でないと技術者からも信頼されない。信頼されなければこちらの言うことも聞いてもらえない。機械のことも分かってお客様の都合も分かり、お客様からも信頼され社内の人間からも信頼されることで信頼の和を強くしていくことが必要。今まで技術の人間のせいにばかりして自分自身に目が向いていなかったと反省。どんな場面であっても答えを誰かに求めるようではダメで、もちろん知見は借りつつも、自分の脳みそで考えて自分でそれを実行、間違っていたらやり直して、と繰り返していく。近道はない。変えることが出来るのはいつも未来と自分だけ。
課題をひとつひとつクリアすることでステップアップしていける。
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