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フットボールヴィセラルトレーニング 無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論[実践編]


◆Recommended people

  • 選手の認知学習がどのように促進されるか興味がある人

◆book theme

  • ヴィセラルトレーニングとは無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論である

    • ヴィセラルトレーニングは常に試合であり、豊かなアナリティックトレーニングをベースにしている。

    • トレーニングをサッカーの固有な自然な状況の中に配置することで、試合での無意識での実行を向上することができる。

◆Why so?

  • 基本的には、知覚─認知トレーニングを設計する際には、トレーニングと試合のパフォーマンス間に高いレベルの類似性と一致が必要であるということを示唆している。

    • 例えば、画面を使った認知向上トレーニングなどがあるが、それが実際にサッカーのパフォーマンスを上げると言う確実な研究成果はない。

    • 他にもサッカーという神経科学という名目でじゃんけんや数学の問題を活用した知覚と意思決定のトレーニングがあるが、それはグラウンドで行ったからとしてもサッカーの特異性を担保できるわけでない

  • 解決策をプレーするのではなく、問題をプレーする必要がある。

    • 解決策をプレーすることはギャンブルである。試合で同じ問題が起きなかったら解決ができないし、相手に妨害されて中断される。解決策すらプレーできない。

    • 練習では、問題をプレーすることで選手の創造性を促し、解決策を探索することができるのである。問題をプレーすることには、始まりも、道筋も、終わりも必要ない。始まりは多くあり、道筋も多く、終わりも多くある。

◆How?

  • ヴィセラルトレーニングとは既存の要素の組み合わせで行うことができる

    • 新しいものは既存の要素の掛け合わせに過ぎない

  • タスクを複数のレイヤー(層)に分けて重ねる

    • 最初にトレーニングを構築する基本的なタスクを決定する(レイヤ1)

      • その後に追加のタスクを設計していく(常にタスクを追加する仏ようはない)

    • タスクの量

      • 増加、減少、増加⇄減少

    • タスクの順序性

      • 安定、不安定

    • タスクの時間的継続性

      • 対照的、非対称的

◆So what?

  • 選手たちに対して命令に対する抑制(禁止されて罰せられるからやらない)はと探究的による抑制は本質的に異なる。

  • 実行における制約は極力避け、タスク(問題)による制約や認知的な負荷の増減によって選手の無意識状態の判断やプレーを向上させていく。

    • 「2タッチ制限」などの実効の過剰な制約をトレーニングに組み込む場合は、その制約により、失っていること(1タッチ、ドリブルなどの状況に応じた有効な無限の選択肢の中から最適な選択をする)を留意する必要がある。

    • であれば、コートサイズを狭くする、人数を増やすなどの制約を活用して、自然と2タッチが最適なプレーになるような環境を作り上げることが重要である。

    • サッカーにおいて大切な「いつ、どこで」を発見できるようになる

    • 例えばトーマストゥヘルはダイヤモンドのピッチを作成してゲームをすることで斜めのパスを促したが義務ではなかった。

  • 解決策、決まりきったパターンを行うようなトレーニングでは選手の無意識下での判断は向上しない。解決策ではなく問題をプレーすることによって「試合のフロー(ある活動に完全に没頭し、集中できるような心理状態) に身を委ね、起こり得ることにオープンな態度で対応することで、非自動化された自動化によって応答することができるようになる

  • アナリティックトレーニング(いわゆるパターン練習)は一定有効であるが、過剰に重ねると選手にとって容易すぎるために認知的な向上がもたらされない。

  • 練習でも常に「試合」の文脈を持ってプレーする。

    • 例えば「10 回のパスを回したら1点」のようなゲームは楽しいものだが、それはただ1つの結果、「ボールを 10 回パスすることだけ」を目指す制約である。言い換えれば、それは試合ではなくルールをプレーしている。


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