筋肉をつけることよりも、今ある筋肉を活かす方法を知る
先日インナーマッスルとアウターマッスルの役割の違いを記事にしました。簡単にいうとインナーマッスルは骨頭を求心的に引き込んで関節を安定させる作用があるということです。
さらにもう一つ大事な理由があることを忘れていました。それが今ある筋肉を活かすことができるということ。
インナーマッスルが働いていない状態は、関節の動きに不安定さや制限がかかりやすくなります。
例えば股関節の外旋に引っかかりが出ているとスクワットや開脚に制限が起こり、100%の力を発揮できるところを50%くらいしか発揮できないとか余計なエネルギーを使ってしまうことに。
ここでアウターのトレーニングばかり頑張ってもエネルギーのロスが大きくて、なかなか土台が広がっていきません。
インナーマッスルが働いていると関節がしっかりとはまり込んでいるので制限がおこりづらく、これまで50%だったところが解放されて70%とか80%まで伸びていきます。
この状態でアウターを鍛えていけば土台が広がりやすくなります。
アウターのトレーニングは重いものを持ち上げて頑張らないといけない、というイメージがあるので、体が大きくならなかったり、重いものが持ち上がらないとモチベーションを保てないという方もいらっしゃいます。
特にご高齢の方やトレーニング初心者の方にとっては継続することが第一。そしてトレーニングがリスクになり得ることも考えないといけません。
トレーニング指導者にとっては体を鍛える方法を教えることも大事ですが、まずは力を発揮できる環境を整えてあげること。
力を発揮できる環境とは、関節に起きている制限を取り除いてエネルギーのロスなく力を伝えられる状態のことです。
これはおそらく専門家の目がないと本人の自覚では難しいこともあるので、しっかり見てあげた方がいいでしょう。
重いものを持ち上げていればOKとか、難しい動きをすれば能力が上がると思いがちなので、それができる土台を作ってあげることがトレーナーに求められていることかなと思います。