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黒衣でいたい私の裾を掴むひと

「正直、今回の紙面は興味のないジャンルだったのだけど、せっかくなので読んだの。そしたら、あぁ、この一文、この言葉に出会うために私は読んだのだわ。と思えたの。ありがとう。」


親世代に近く、教養高い目上の女性からそんな言葉をいただいた。

それなのに、私にはどの一文をおっしゃっているのか見当がつかない。

はて、と思いながら有難うございますと返す。


紙面として刷り上がる頃には、風に乗せて手放す感覚だ。

色々と思考を巡らせ人となりを表現し終えると、つぶさなことなど忘れてしまう。

まぁ、キャパが少ないのも大いに手伝っている。お恥ずかしい限りだ。


「さあさ、飛んでゆけ。必要な人のもとに、運ばれますように。」


受け方はそれぞれ。それぞれでいい。

飾り立てず、淡々と伝える中に、その人の空気感が伝われば。


取材を受けることで、励みになる方もいる。

それを読むことで励みになる方もいる。


万人受けしなくとも。だれかの元へ。深くに辿り着けたなら。


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「読むとね、そう。あなたの哲学にも触れているのよ。」と。

黒衣でいたい私の裾を掴む女性は言う。


白けてしまうような賛美などはせず、淡々と見たまま、聞いたままを伝えているはずなのに。

私が、そこにいるのだという。

「次も楽しみにしていますね。なーんて、そんなこと言ったらプレッシャーよねぇ?ふふ。」と、チャーミングな笑顔を浮かべて女性は私の肩を叩く。


いいえ、いつもどおりに。書かせていただきますよ。と少し、強がって見せた。

エンジンがかかった瞬間だった。



偶数月発行の「パレッターズ」は、高島を彩る女性のストーリーを紹介。

次号(2022年2月発行)の「たかしまを彩るひと」は、自主保育を運営している女性と「Go for it!」は、とあるフリーライターの女性の物語。

春を待ち望む空気感とともに、あなたの元へ彼女たちの暖かなストーリーが運ばれますように。

次号2月発行紙面も、ブログもどうぞお楽しみに。



 <物語のある暮らしを追って。> by SAORI KAWASHIMA.

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