天才の思考が解説で全く拾えない件について
新著発売記念に無料記事にしました。
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昨日は雀王戦A1リーグの解説でした。
4着と200点差の3着目で迎えた堀選手のオーラス。
いくら両面が5枚見えとはいえ
平面ならペンチャン払いの一択問題です。
ところが天才の采配は――
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はぁ??
7pが特別良さげな根拠も無さそう。
25pは3枚、7pは4枚残り。まさか枚数で選んだ?
いやいや、リーチで着落ちするのに、1枚差ならピンフ確定のほうに受けるに決まってるやん!
これは解説に困るなぁ・・・
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役牌を重ねます。今度こそペンチャン外しだ!
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な、南だって?
この点数状況で役牌のトイツ落としする人・・・いますか?? しかも安全牌じゃないからね!
解説できないので「ペン7pに愛がある?」とか、テキトーなことを言ってしまいましたw 申し訳ない。
この後、ちゃんと堀選手本人に聞きました。
堀「木原さん、これはですね~」
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角谷選手の1副露目は白ポン、打1m
実はポンの後、小考して打1mだったのです。
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手出しの3m。カンチャンターツ落としに見えます。
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角谷選手の2副露目は7mチー、打5p
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堀「角谷選手に5p周りの愚形があるんですよ~」
なるほど、角谷選手は白ポンの打1m時に小考と、5pツモ切りの時も一瞬逡巡したのです。
ピンズが好形残りならマンズのカンチャン選択も、5p引き戻しの時も悩む
事は無いという予想です。
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堀「だから8pを切りたくなかったんですよね」
実際、角谷選手は779pと5p周りの愚形を持っている。いや、しかしテンパイとは限らないのでは?
堀「8pを切ってしまうと――」
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堀「菊地選手に8pを積極的に合わせられるのが嫌だったので――」
菊地選手はトップ目、できれば角谷選手にアガってもらい、終局させたい局面のはずです。
堀選手が8p打てば喜んで合わせてくるだろう。それを角谷選手にチーされるのを嫌がったということだ。
また、菊地選手は3900点は放銃できない。南は万が一を嫌って打ってこないはず。2600点なら放銃できるので――
堀「だから菊地選手は、角谷選手に7sをアシストする可能性があるじゃないですか」
確かに、角谷選手がイーシャンテン以下なら、ソーズの未完成ブロックは確実にありそう。
角谷選手がテンパイでも7sなら2000点で済む可能性も高く、菊地選手が比較的打ちやすい牌だ。
堀「菊地選手から打たれた7sは、ポンしようと思ってたんですよね~」
なるほど邪魔ポン、7sをインターセプトをしようと思っていたわけですね!
自分自身のアガリよりも
堀選手は、そんなことを考えていた模様です。
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堀選手は門前でテンパイを果たすと渋々リーチ。
凡人は2-5pダマテンか、南7sシャンポンダマテンが最終形になっていることでしょう。
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同巡、角谷選手もテンパイ。
両面ターツ落とし+役牌トイツ落としが入っている、堀選手のリーチに対して――
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角谷選手の7pが止まる訳も無く、無情にも堀選手の手牌へと一発で吸い込まれていくのでした・・・・
なんかマジックを魅せられたような1局でした。この記事で種明かしをしておきたいと思います。
え、これを解説しなきゃいけない??
ちょっとハードル高すぎじゃないですか???
と思った1日でした。
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