絵本・白峰アカネの冒険/5. アカネ、「魔獣永劫封印ソバ」を御馳走になる
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老人:私のせいで、大変なことになって、本当に申し訳ない。この埋め合わせをさせて欲しい。
アカネ:お気になさらないでください。あなたのせいではありません。あの魔獣が掟を破って街に下りてきたせいです。
老人:しかし、私を助けたばかりに、あんたは大事な巫女の環を取り上げられてしまった。なにかしないと、私の気持が収まらない。
アカネ(心の中で):山から5時間歩いて来たところに役所と組長からダブルパンチ。疲れとショックでお腹がすいたわ。
アカネ(老人に):私はまるで土地勘がないので、このあたりで美味しいものを食べられるところがあったら、案内してください。案内していただければ、それで十分です。
アカネ(心の中で):それでもご馳走してくださるようだったら、お言葉に甘えちゃおう。
アカネ:すっかりご馳走になってしまって、ありがとうございました。おソバ、すっごく美味しかったです。
老人:気に入ってもらえてよかった。それより、ずっと重い荷物を持ってもらって、すまない。
アカネ:あ、気にしないでください。私たち魔祓いの巫女は、基本、力持ちですから。このくらい、軽いもんです。
老人:それで、あんたは、これからどうするのかね?
アカネ:白峰山に帰ります。ここにいても何もできません。向こうで、組長が巫女の環を送ってきてくれるのを待ちます。
男性の声:山には戻らない方がいい。
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