新人セールスマンが読んでみて参考になったテレアポ本を紹介しますVol.2
どうもうみんちゅです。
先日から新人セールスマンとしてインプットした本の中でも実践してみて効果のあったものを紹介しております。
ちなみに前の記事も掲載しておりますので、お読みいただけますと幸いです。
今回は第3弾ということで、前回に引き続きテレアポに関する本を紹介いたします。
吉野真由美(2007)『たちまち7倍アップ! テレアポ魔法の絶対法則―誰でも驚くほどアポが取れる』ダイヤモンド社
本書は、ストレスなく、誰にでもでき、お客様の心の動きに合っているという3つの観点から開発されたテレアポの手法を紹介した本です。本書を読んでまず参考になったのが、1回きりの架電でアポイントを獲得するという考え方以外にも3つのステップを踏むアプローチ方法があるということです。下記のステップでアポイントへ繋げていきます。
このアプローチ方法は、一見すると遠回りに見えますが、お客様との接触回数を増やすことで信頼感を獲得する、という意味では心理学に基づいた効率的な方法と言えます。このアプローチは大きく3つのポイントがあります。
まず1点目が「資料送付」という言葉を使っている点です。実際にテレアポをやってみると、本に書かれている色んなテクニックを行使する前に、そもそも担当者に繋いでもらえないなんて事がざらにあります。「○○さん(ご担当者様)いらっしゃいますか?」と言うと「何のご用件でしょうか?」と返され、「営業なら結構です」「新規のお取引は致しておりません」といって終電してしまう。これはテレアポ経験のあるセールスマンなら誰しも1度は経験があるのではないかと思います。その点、「資料送付の件でお電話しました」と言えば、最終的な着地点はあくまで「資料送付」なので、相手側としては「ものを売りつけられる」「営業される」というイメージが薄れ、心理的なハードルも下がります。そして担当者に繋がった場合にも「資料送付」という言葉は同様の効果を発揮します。資料送付を断られるようならそもそも見込みが薄いので無駄なアプローチに工数を割く手間が省ける訳です。
2点目が「情報収集」という言葉を使用している点です。ネットに転がっているトークスクリプトや私がテレアポをするにあたって会社から渡されたスクリプトはどれも、商品のストロングポイントを簡単に伝えてからアポイントを迫るものが多いのが実情でした。しかしどんなに商品の良さを伝えてもそれが相手の利益にならなければ、響きません。前回紹介したテレアポの本にもあったベネフィットの話です。その点、有益な情報を先取りした人がビジネスで勝利を収めるという意識が誰にでもあるため、「情報収集」という言葉は相手の利益に視点を置いた優れた言い回しなのです。加えて、「営業マンから話を聞く理由は情報収集のためだ」との意識をもってもらえれば、少しでも興味のある方はアポイントを承諾してくれやすくなります。
3点目がアポイントを訴求する場面で言葉を疑問形にするのではなく、言い切っている点です。「資料が届いたことと思います。」というのは確実なことなので、相手も言葉をはさむ余地がありません。ここで「資料は届きましたでしょうか?」「資料は見ていただけましたか?」等の無駄な質問をしてしまうと、「まだ見ていない」「忙しくて」との返答に対し、「では見ておいてくださいね」と言って終電してしまい、「資料を見ていないから、あの人は見込みが薄い」と自分自身で勝手に判断してしまう危険性があります。その点、「資料が届いたことと思いますが、まだお忙しくてご覧になれていないかと思います」と言い切れば、Noと言われることもなくスムーズに会話を続けることが出来ます。そして「情報収集のひとつとして、まずはお話を聞いてみてください」と言い切れば、相手のNoを引っ込めやすいのです。なぜなら「~していただけませんか?」と言われればYes or Noの2択を相手に与えることになりますが、言い切れば選択肢は1つです。1つの選択肢に対してNoを言うには、断り文句を探す手間がかかるので2択から選ぶよりもYesが出やすいという訳です。
以上が資料送付を使った3ステップのアプローチ方法ですが、このアプローチ方法を取るかどうかは架電以前のリスト作成時に検討するのが良いと思います。例えば人材業界なら架電先企業のホームページの採用ページを見れば、相手のニーズは明確なので、このアプローチを取る取らないの判断が出来ます。もちろん業界にもよりますが、企業を貯めていきながらアプローチ方法も一緒に記載してリストを作成しても良いかもしれません。
さて、ここまで資料送付の3ステップアプローチを見てきましたが、本書では「成功するアポ取り9ステップ」という方法も紹介されていました。こちらは前述の資料送付3ステップのアプローチも含まれています。では具体的なフローをみていきましょう。
①いきなり用件を言っても聞き入れてもらえないので、開口一番にまず謝ることで相手の態度が軟化する。「お忙しいところすみません」
②堂々と分かりやすく名乗る。「会社名+名前」
③「資料送付」か「情報収集」という言葉で用件を切り出す。要件とメリットは最初から明確にして話すことで、相手に「何の用だろうかと気になって話を聞いていない」という状態を避ける。「資料送付」と「情報収集」は前述の通り。「○○の資料をお送りいたしたく、お電話しました」「○○の件で情報収集のひとつとして、ぜひ一度お話を聞いてみてください」
④お客様はまだこの時点では疑心暗鬼なので、ここでの目的はアポに持ち込むことではなく、⑤⑥のトークを使って切り離す。
⑤明るい未来が予測でき、それを手に入れたいと思わせる言葉をかけ、こころざしが高い状態になってもらう。「御社がこれからどんどん発展される過程で~」「一層のご発展のスタートを切るために~」
⑥相手が普段考えていることをズバッと言う。「○○だと思っていらっしゃるのではないですか?」
⑦この時点でもアポに繋がらない場合が多いので、⑧のトークへ
⑧お客様にも断る権利があることを明確に伝える。お客様がアポを断る心理とは「話を聞いて、(気に入らないのに)断れなくなるのが嫌だ」ということに尽きる。そのため「もしご覧になっても、いいなと思わなければ、どうぞはっきりお断りください」
⑨2者択一で質問して日時を設定する。出来るだけ近い日時を提示する。「〇曜日の○○時と▲曜日の▲▲時でしたらどちらがよろしいでしょうか?」
本書を読んだ後、この「成功するアポ取り9ステップ」を実践しました。所感としては、⑧の断りトークはアポイントを取ることだけが目的の場合、つまり自分がテレアポ専門のアポインターなら良いのですが、僕のようにテレアポから契約やアフターフォローまでを一気通貫で担当するセールスマンの場合には、「断ってもよい」と相手に言ってしまうことで、自分で自分の首を絞めてしまう危険性もありました。つまり無事アポイントは取れたが、商談後にフェードアウトされてしまっては、せっかくテレアポに割いた工数も無駄になってしまうということです。
前回の記事で紹介した『契約率76.2% 営業・即アポ ~6万5026時間の会話分析からわかった! ~』と今回紹介した『たちまち7倍アップ! テレアポ魔法の絶対法則―誰でも驚くほどアポが取れる』では、アプローチ方法に共通点がありました。用件と相手にとっての利益(商品のストロングポイントではなく相手のベネフィット)を早い段階で切り出すという点、二者択一で近い日付を提示する点、3回訴求するという点です。これを踏まえて最後に、2冊のアプローチ方法を組み合わせた僕なりのテレアポ方法を紹介します。
まずは相手への配慮、自己紹介、用件、提案までをワンセットで言います。「お忙しいところすいません。株式会社○○の▲▲です。○○の件でお電話いたしまして、情報収集のひとつとしてぜひ一度お話を聞いてみてください(○○の資料をお送りいたしたく、お電話しました。資料を送付してもよろしいでしょうか)」⇒※情報収集の提案アプローチの場合、多分この段階では断られます。
次に1回目のアポ訴求に移ります。一旦は同意して話を流し、「ちなみに」という言葉を使って質問します。そして質問の回答を持っている旨を示唆して、アポ訴求をします。「忙しいので」とか「今は大丈夫です」等言われることが多いと思いますが、そこに対して「そうですよね~。お忙しいですよね(お忙しそうですからね)~。ちなみに○○については現状いかがですか?※ここでは相手の回答が意図できる質問を投げかけます。」(回答に対して)「なるほど~。それでしたら有益な情報をご提供できると思いますので、情報収集のひとつとして、お時間をください」⇨この1回目のアポ訴求も反射的に断られます。
2回目のアポ訴求に移ります。ここでは断る具体的な理由を質問した上で、ベネフィットを伝え、アポ訴求をします。「そうですか。ちなみに弊社のサービスは〇〇という特徴があり、御社の〇〇に対して〇〇できるので、情報収集のひとつとしてぜひお時間をください。」⇨警戒心から断られますが、情報収集という言葉を使っているので、心理的ハードルは下がってきています。
3回目のアポ訴求です。ここでは、断られた理由に対して、ちょうどよかったと言って、その理由を述べ、二者択一でアポを訴求します。ちょうどよかった理由はもちろん相手のベネフィットです。「あ、(断る理由)なんですね。ちょうどよかったです。(断る理由)な方(企業様)程〇〇という利益がございますので、是非〇〇日か▲▲日にお時間をください。」
まだこのアプローチ変えてから3日間しか経っておりませんが、10回担当者に通電したら1回はアポを獲得出来るまでに精度が高まりました。
仕事でテレアポをやられる方は是非とも試してみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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