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新潮社 「蜜月」 小池真理子著

少し物哀しくなる秋の夜には小池真理子さんの作品を読みたくなる。
彼女の作品たちは誰かを情熱的に愛した痕跡を表現している作品が多く、わたしの人生とは異なる世界へ運んでくれる。
情熱を持って人と関われる人は、とても魅力的だと感じる。その能力は全ての人に与えられているわけではなく、自分を愛することができる人にのみ訪れる生の歓びなのだろう。
人の魅力に倫理的範疇を超えて惹かれて自分を見失う時ほど「愛」を感じてしまう脳のバグを一度は経験したいような気もするし、そんなドラマティックなことが自分の身に起こったら、命がなくなるような気もする。
情熱を表現し、愛し合う主人公たちに寂しかが少し和らぐのだった。

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