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コーチをどう評価するかは「コーチが選手の何を見ているか」に通ずる。 【コーチの評価02/僕の仮説15】

非常事態宣言によって、ほとんどの街クラブは機能が止まった。

もちろんオンラインを活用し、子どもに体を動かす機会、座学を通じて成長を促す機会をなんとか作っているクラブもある。ただ、その活動も限界がある。知り合いのコーチは「希望者のみ、個々に巡回指導を考えている」と言っていたが、サッカーは集団スポーツがゆえに本質的なものを学ぶには程遠い。

しかし、悪いことだけはないと、私は思う。

今後、街クラブの経営は多様化の時代を迎える。実際に、ここ10日間ほどで10名近い人と「1on1ミーティング」を行ったが、「街クラブを立ち上げたい」との思いを持つ経営希望者はデジタルサービスの提供について積極的な考えだった。私は「積極活用すべきだ」との意見を以前から公表している。

今後、コーチにはデジタル対応が必須になるのは間違いない。

それは「映像分析や動画編集などができたほうがいい」との意味ではない。私が言うデジタル対応は「それを使って、どうコーチや選手、保護者とコミュニケーションを生むか」という活用の先にある意味の作り方を指す。

現在、デジタルマーケティングの専門家やさまざまな企業経営者の無料ウェビナーに参加しているのだが、全員が「テレワークに対応することが本質ではなく、そのことを業務や事業、経営にどう反映させ、顧客を満足させられるかがデジタル化で重要なこと」と口をそろえて語る。

サッカーコーチはよく海外からメソッドを学ぼうと躍起になっているが、大事なのは「そのメソッドをどうやって選手の血肉にしていくか」である。そう捉えると、コーチを評価することは実にシンプルだ。それは「子どもと良い関係を築き、選手たちの楽しい、うまくなりたいとの心を満たして、毎回少しでも成長できた」と思えたら十分に評価に値する。別に強いチームに勝ったとか、トレセンに何人選ばれたとか、そういうことで評価が決まるわけでも、高まるわけでもない。

もし、そういう査定基準を持つ街クラブ、代表者がいるのなら大きな過ちを犯している。

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