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子どものインプット時には「わからない」も許容してあげよう。【ミスの許容04/僕の仮説26】

人間の成長は「スパイラル状に少しずつ円が大きくなっていく」と、私自身は仮定している。

たとえば、その円を真っ二つに割ったら「写真にあるようなグラフを描くのはないか」と思う。仮に横軸を成長、縦軸をメンタルとした場合、人の成長過程においてはメンタルがプラスとマイナスの両方に触れることになる。誰もが実体験を持っているのではないだろうか?

成長において、人間は現金なものだ。

実感があると気持ちいいので、当然メンタルはプラスに振れる。しかし実感が持てないと、なんだかモヤモヤするので徐々にメンタルはマイナスに向かう。子どもの成長過程を想像し、コーチが指導している場面を思い浮かべてみるとどうだろうか?

子どもが実感を持ち、明らかにテンションが上がるときは「何かを得ている」状態のとき。たとえば、何かを発見したとき、新しい知識を得たとき、新しいプレーができたとき。つまり、自分の中に「何かを取り込んだ」とき=インプット時ではないだろか。

もちろんコーチの説明が長く、たとえ子どもにとってはインプットであっても、気持ちの中で「つまらない」と思えばメンタルはマイナスに向かう可能性もあるが、これはコーチが手短に端的に整理して話をすれば解消できることだ。この原因はコーチが未熟であることが招いていることであり、子どもが一方的に悪いわけではない。コーチング理論の勉強不足といえる。

日本の育成で問題視されるのは、子どものアウトプット時によるコーチの指摘ではないだろうか。

選手がトレーニングで一つミスをすれば、コーチがそればかりを言い続ける。いわゆる「ミスの許容」に関わる部分である。そもそもジュニア期は新しく学んだこと(インプット)をプレーとして表現する(アウトプット)ので、「ミスが当たり前」に起こるものだ。さらにプレーが成功する割合はジュニア期、また経験年数が浅いほど低いことを頭に置いておかなければいけない。

ジュニア期のアウトプットは、選手もうまくいかないことが多いから「実感が湧く」ことも少なく、ストレスを抱えることのほうが多い。そうであるならば、グラフで言うメンタル面を表した縦軸はプラス方向がインプット、マイナス方向がアウトプットだととらえられる。

この「僕の仮説」において、選手の成長に関わるのは2つの要素がある。

子ども自身が努力する内的要因と、コーチの指導による外的要因だ。ただ外的要因はあくまで成長のキッカケにすぎず、直接的な関わりを持つのは選手自身の努力。コーチは選手の成長環境を作ったり整えたりすることが伝えても、なかなか理解してもらえないので、このように独自の記事、独自のグラフを用いて説明している。

「あの選手はオレが育てた」
「プロになれたのはオレのおかげ」

いまだにこんな発言をするジュニアコーチが存在するのが信じられないが、これだけ情報化社会が進み、指導について自由に無料で学ぶ環境があるにも関わらず、自分の世界に閉じこもっていることに驚きしかない。すべてを専門的に理解する必要はないが、少なくとも一歩でも成長することに挑戦し続けるコーチでなければ、子どもを指導する資格はないとすら思う。

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写真提供=佐藤博之

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