日本一に輝いた「FCトリアネーロ町田」の特徴はオフ・ザ・ボールの縦スライド【筆者の思考整理帳10/僕の仮説47】
9月からジュニアサッカーの現場取材を再開したが、「立ち位置」を見失った。
これまで当たり前のように関東で開催される全国大会や国際大会に足を運び、目の前で見たものを「多くのサッカー関係者に伝えるために汗を流してきたが、それも意味があるのか」という思いが頭の中を駆け巡っていたからだ。
この有事があったから日本サッカー界はITのインフラ化が驚くほど進んだ。これは歴史的にも負から生まれる正の連鎖として新しい時代が切り開かれ構築されていくものだから自然な成り行きだ。きっと正しい時代の変化だと思う。
これ自体はとても喜ばしいことだと認識している。
しかし、自分が「いざ元に戻ろう」と座っていた腰を上げたとき、僕自身がこれまでやってきたことをそのまま続けることに「どれだけの意味があるのだろうか」という思いが沸き起こり、立ち止まることにした。
ありがたいことに数人のコーチから「今年も全日本U-12サッカー選手権大会の取材に行かれるんですか」と期待の声をいただいた。心強い言葉だった。何より「人のためになる」ことは心の支えになるから本当に感謝しかない。正直、私たちライターは今やメディアにすら都合のいい時しかポジティブな声をかけられることはなくなったから、直接ポジティブな言葉をかけられると応えたい気持ちにもなる。
ただその称賛の言葉をそのまま実行に移すことと、私が未来に向けて見据えている景色は異なる。良くか悪くか、実際に時代は変わったのだ。だからこそ自分が原稿を書くことも変えなければならない。新型コロナウイルスの感染拡大が始まってからルーティーンのTwitter配信などを使い、毎日試行錯誤をしている。
これまでの大会取材の原稿は、大会全体の試合傾向を中心に課題点を綴り、改善点を添えることが多かった。その理由は現場で観戦することができないコーチや選手、保護者がほとんどだったからだ。しかし、今や全日本U-12も、ジュニアサッカーワールドチャレンジもインターネットを通じてLIVE中継されるようになった。
つまり、それぞれの人が自分の目で見て試合分析をできる時代になったのだ。
だから、私がわざわざ試合解説を行う必要がない。時代が先に進んだからこそ、自分の役割も次のステップに前進させなければならない。そんな時代の流れと格闘し、「来年からどうジュニアサッカーと関わるべきか?」が少しずつ見えた2020年だった。
単なる事象の解説は、もはや不要だ。私自身はもう一つ前に踏み込んで初心者コーチやジュニア選手でもわかる戦術解説、そして発育発達を加えた理由を原稿に落とし込むことを試みなければ存在価値がないと思っている。
私が示すことは「なぜそのプレーに至ったか」という背景や理由を明確に伝えることだと捉えている。そうすれば指導現場で役立つものになる。私は、外野でサッカーを語る人ではなく、現場でサッカーに携わる人たちの味方にあり続けたい。
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