コーチの評価は選手が定期的に! そうすれば学ばざるを得ない仕組みになる。【筆者の思考整理帳08/僕の仮説45】
「ファンは推しに似る」
アイドル界には、こんな言葉があるそうだ。これは日向坂46の影山優佳さんが「FOOT×BRAIN」で語っていたことだ。ようは、アイドルとそのファンは価値観とか思考性とかそういうところが「好き」をキッカケにどんどん通じ合っていくという意味だと、私は解釈している。
街クラブと選手、街クラブと保護者、何より街クラブとコーチとのには、「なんか意味をはよくわからないんだけど、好きなんだよね」と応援したくなる関係がなければいけない。
今、多くの育成コーチが「ゲームモデル」という方法を通じて「街クラブ×コーチ」との関係性の構築を求めているとしているが、それは無駄足に終わる可能性をはらんでいる。なぜなら「ゲームモデルは手段」であって、実行のするのはコーチであり、人の感情を無視しているからだ。
結局、人が愚痴を言いながらも行動する理由は「人」のためでしかない。
物事のために行動するには「お金」などのメリットがなければ、人は動かない。日本のコーチのほとんどが、この「人の感情」を度外視してクラブの仕組みを作ろうとするから魅力あるものにならないのだ。
人が行動するには、感情と具体的な指針が両立されることが前提条件だ。
その内容が、先日の放送内で取り上げられていた「ユヴェントス」の取材に盛り込まれていた。クラブに関わるすべての人が「最後まで諦めない」という感情を持ち、「勝利を目指す」ために自分ができることに集中するからこそ実現できた9連覇ではなかろうか。
選手が練習からその精神を持ち、試合の中でプレーとして表現し、それが伝播した先にファンもどんどんクラブにのめり込んでいく。その空気感、関係性が作り出すものの結果に前人未踏の10連覇を目標にできる場所にたどり着いたのだ。
ユヴェントスと日本の街クラブとの話は違わないし、仕組みとしては同じだ。きっと全世界中で共通する合言葉みたいなものだろう。
「具体的なサッカー」と「クラブが好き」とが両立され、初めてクラブ内部で人が有機的に働き出し、しっかりと機能していく。
最近は、具体的なサッカーを「ゲームモデル」と表し、どんなコーチも当たり前のように小難しい言葉を使っているが、当然そのレベルに追いついていないコーチも存在するわけで、そこを含めてクラブの仕組み設計は行わなければならない。
私自身も八王子のある地域のクラブデザインをコンサルタントとして3年関わっているが、どこにでもある街クラブを本気で変えようと思ったら時間がかかることだけは、この場で誤解なく伝えておく。それほど根気がいる作業だし、心身の体力を必要とするし、「ゲームモデル」を作ったからとうまくいくほどクラブ経営は甘くない。
最低限、その現実だけは知って、学びを続けることを切に願っている。
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