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全員出場とサブが次の試合は先発という条件にすると自然にチーム意識が変わる【個とチームの関係07/僕の仮説48】

チーム力を高めるには、個人の成長が欠かせないものである。と同時に、各個人がチームとしてまとまるための支えが必要になる。

これは「個人とチームの関係性が向上していく」上で重要な相互関係だ。ただ、この考えは大人と子どもの世界=社会では少し違いがあることを、ジュニアコーチは理解しておかなければならない。

たとえば、大人は我慢してチームに対する奉仕を続けることができる。しかし、子どもは自己中心的な動物で、まだまだ未熟なので感情的な報酬もなく、チームのために奉仕することが難しい。

信じればどこまでも付いていくが、鞭が強すぎると思考を停止し、無感情で言いなりになる。これがスポーツ界でたびたび取り上げられる暴力や暴言の類に当てはまる。

子どもには「愛情」というわかりやすい飴が必要なのだ。その「飴と鞭」とのバランスにより「意欲」に対する揺さぶりをかけると小さな波が立ち、いずれは成長の琴線に触れることになる。

そうすると成長への大きな波動を生む。

みな一度は湯舟のお湯を前後左右に揺さぶり、大きな波を起こした経験があるのではないだろうか。原理としてはあれと同じ。初めは小さな揺さぶりであっても繰り返しているうちに大きくなっていく。個人に対する小さな意欲の揺さぶり、その積み重ねが子どもの成長につながる。

だが、成長とは、形なき物であるがゆえに「不安」との戦いでもある。ジュニア選手の場合、「試合に出場できない」「友達より成長が遅れている」「どうしても勝てない」など、勝負の世界に身を置くスポーツ選手の現実を少しずつ実感していくことになる。

成人した選手であれば、ある程度はこの厳しい世界から受ける不安やストレスを自分なりに処理して勝負に向かい合っていくが、子どもたちはその術を知らない。「安心」という心の栄誉を与えていく必要がある。

そのためには、2つの方法がある。

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