子どもの「できない」をコーチが許容しないと、選手は成長できない。【ミスの許容05/僕の仮説27】
子どもの頃はすべてのことが初体験、そして初経験だ。
人間にはキャパシティがあり、すべてに限りがある。だから、インプットにも限界があり、アウトプットにも限界がある。学び続けたら心が壊れるし、遊び続けても体が壊れる。心も体も栄養が十分行き届いているから機能する。でも、栄養を与え続けたら人そのものが堕落してしまう。
つまり、インプットとアウトプットは両輪でバランスよく回り続けるからこそ人間は健康に生きられるのだ。
ここで、「ジュニア期のインプットやアウトプットとは何なのか?」を問いたい。これを理解しておくと、子どもたちが成長する過程での「大人の関わり方」が整理できる。たとえば最近のジュニアサッカーでは、ようやく選手のミスに対して許容することの理解が広まってきたが、よく考えると当たり前のことだ。
なぜなら冒頭にも書いたとおり「子どもの頃はすべてが初体験、初経験」なのだから。私は「プレー」という項目についてミスが認められる現象が起こっていると分析している。子どもにとって、プレーすることはアウトプットのこと。
だとすると、子どもは他にどんなアウトプットをしているのか?
たとえば、サッカーの指導現場では「コーチが質問して選手が答える」シーンを行うようになった。答えることもアウトプットだ。まずは子どもが日常生活の中で「どんなインプットやアウトプットをしているのか?」を把握することが、彼ら彼女らの成長をサポートすることにつながると思う。
「わからなくて当たり前」
「できなくて当たり前」
すべての子どもたちはこれが当たり前のスタートなのだから。先日、週末に放送されている「FOOT×BRAIN」を見ていたら精神科医・樺沢紫苑さんがインプットとアウトプットをすごく簡潔に定義していた。
▼インプット
・見る
・聞く
・読む
▼アウトプット
・話す
・書く
・行動する
これにプレーを当てはめると行動すること。そう解釈すると、ジュニア期の選手たちに対しては「この6つに関わる過程を優しく見守る心を持つことが必要不可欠だ」ということだ。特に育成コーチはこれを大前提に指導に取り組まなければならない。
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写真提供=佐藤博之
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