子どもの成長は本人がどれだけ努力に時間を費やすか。なら、コーチは何をする? 【ミスの許容02/僕の仮説23】
ミスを許さないコーチが育成の現場に立ったらどうなるのか?
きっと「ミスをしてはダメだ」と縛られた選手が育ってしまう。そういう選手がこの多様な社会で生き抜くことができるとは到底思えない。そもそも子どもに対して1を教えたら、必ず1を学ぶとは限らない。
1教えたら1学ぶ子もいれば、2や3を学ぶ子もいる。逆に0.5しか学べない子もいるし、0(ゼロ)の子だっている。もちろん「その時は」という枕詞がつくが、ミスを許容できないコーチには「巻き返す」といった時間の概念も頭にないから子どもの成長に対して「1+1=2」という単純な足し算の価値観しかないだろう。
子どもの成長は「努力と時間の関係」によっておそらく曲線が描かれるのだろうが、それは一人ひとり違うし、必ずしも右肩上がりではなく、下がる場合だってある。だから、数式のような比例式で求められるものではないと私は思っている。
いずれにしろ、子どもの成長には「自らの努力による内的な要因」と「コーチのサポートによる外的な要因」とが起因しており、大人ができることに限りがあることだけは認識しておく必要がある。
そうすれば「オレがあのプロになった子を育てた」「オレがあの有名クラブに入った子を育てた」などと発言することが、コーチの怠慢であるかに気づく。そして、いかに自らの成長を止めてしまっているかにも気づくはずだ。
長年ジュニアを取材し続けている私から選手とお母さんお父さんに伝えられることは、「こういった成長意識を持てないコーチのもとで学ぶことだけは避けてほしい」ということである。
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写真提供=佐藤博之
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