チームづくりの前に「個の成長とは、指導とは?」を見つめ直す必要がある。【個とチームの関係03/僕の仮説32】
個の力を高めるには、どんな方法があるだろうか?
私は「自ら努力できる」選手に育成したいと思っており、「個の力を高める方法は2つの軸がある」と考えている。それは内的要因にアプローチする方法と外的要因にアプローチする方法だ。
内的要因とは、選手自身が努力すること。また、外的要因とは、他者のサポートを受けることだ。
【個の力を高める2つのとらえ方】
①内的要因=努力
②外的要因=他者のサポート
私たちコーチの指導は外的要因にあたる。しかし、選手の成長度合いを大きく、成長速度を上げたいのなら圧倒的に「①内的要因=努力」にアプローチするほうが効率がいい。ただ難易度が高く、専門性も高いため、メンタル専門の外部コーチに依頼することが望ましいことは間違いない。最近では、街クラブでも少しずつメンタルコーチによるコーチングを受ける機会も増えつつある。
現実問題、経済的な負担があるため、選手がそういった専門コーチの指導機会を得られることは少ない。だからこそというわけではないが、サッカーコーチも多様に学んでほしい気持ちはある。だが、トレーニング以外の領域になると、かなりの数が一気に勉強意欲も減少するようである。
その理由は、サッカー以外の領域だと誤認しているからだ。個人的には、「内的要因へのアプローチこそサッカー指導の土台を形成している」と思うのだが、日本ではどうしても多くの大人がそれを管轄外に認定している。とても残念なことだが、これが現実だ。
私はジュニアサッカー専門のライターとして比較的に全国のいろんなコーチの指導を見聞きしているが、優秀なコーチほど内的要因へのアプローチがうまい。
たとえば、サッカーに詳しくなくとも子どもをやる気にさせることが上手で、内的要因へのアプローチに長けていてるから選手がどんどん実力を伸ばし、たくさんの良い人材を育てているコーチは数多く存在する。実は、そういうコーチがいるクラブのほうがジュニアユースやユースになっても伸び続けられる選手を輩出していたりする。ここはサッカー指導において大事なポイントだ。
なぜ「自ら努力できる」選手を育成したいのか?
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写真提供=佐藤博之
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