K.Ishi@生成AIの産業応用

主にコード生成技術や生成AIの産業応用をテーマとして書き進める。東北大学飛び級卒業&a…

K.Ishi@生成AIの産業応用

主にコード生成技術や生成AIの産業応用をテーマとして書き進める。東北大学飛び級卒業&総長賞。スイス連邦工科大学(EPFL)コンピュータサイエンス学科修士課程卒。専門は機械学習と自然言語処理。AIベンチャーのCTOとして自然言語処理技術の研究及び製品開発を統括。

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AGI(Artificial General Intelligence / 汎用人工知能)と呼ばれるものが、なぜ近い将来に現れるのか。そんなものはSFだと思っている人たちに、この話を極めてシンプルな論理で納得してもらいたい。 近い将来のAGIの到達を予見する考え方は、次の3つの主張からなる論理によって構成される。 AGI到達のためのシンプルな論理時間と共に利用可能な計算量が増える 計算量を増やせばAIの性能は向上する したがって、時間と共にAIの性能は向上する AG

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      • コード生成技術から考える、人とAIの共生

        AIがソースコードを書く時代プログラミングを始めた頃、ソースコードをAIが書くような世界が訪れるなどとは全く思っていなかった。現在のまるで魔法のように何でも理解するAIと比較すると、かつてのAIはファジーなものを扱うことにはあまり向いておらず、どちらかというと極めて論理的な代物であった。なので、人々の中には、コンピュータというのは処理を忠実に実行する装置であり、コンピュータに何をどう実行するのかを正確に命令するのが人間だという認識があった。コンピュータは融通が聞かない道具で、

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          生成AIの登場により、プログラミングのあり方が大きく変わろうとしている。AIが自動でソースコードを書くという一昔前では見られなかった光景が一般的になり、AIの書いたコードを利用して開発する新たなコーディングスタイルが生まれた。AIがコードを自動生成してくれるおかげで、開発効率が飛躍的に向上したなどの報告もあり、その経済的影響は計り知れない[1][2]。また、コード自動生成は進歩が非常に早いのも特徴である。OpenAIのGPT-4やGoogle DeepMindのGeminiを

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