UX MILK All Nightセミナー参加レポート
UX MILK All Nightに参加しました。とても勉強になったので、まとめます。
戦略からUIまで伴走するUXリサーチ
略歴
文化人類学を大学院で学び、リクルートでプロダクトマネージャー・UXデザイナーで定量分析、KPIモニタリングなども経験。その後、メルペイにUXリサーチャーとしてジョイン。JAISTでリサーチを学びつつ、リサーチに関する本を執筆中。
メルペイでの成果
スマホ決済顧客満足度第1位(ユーザーエクスペリエンスにこだわっている効果)メルカリのJP/US/UK事業でUXリサーチが根付いていた。プロダクトマネージャーがUXリサーチまで担うことがリソース的に厳しいため、専任体制に。
UXリサーチについて
UXデザインの一手法として・手段としてUXリサーチを行う。UXリサーチはUXデザインの範囲。
UXリサーチの対象
UXリサーチの抽象度(UX5段階モデル)とUXタイムスパンに準拠して行う。この2つを掛け合わせて、考えている。
メルペイのプロジェクトのフェーズ
メルペイのよげんの書
メルカリのCEOが策定した未来予想図(数年先の社会変化と企業戦略)を示した予言の書があり、それをアップデートするのが新規事業立ち上げの目的。
新規事業のチーム体制
Biz(2名) , UX(3名 UXリサーチ+プロダクトマネージャー+プロダクトデザイナー) , Tech(2名)
新規事業の際に行ったリサーチ
1)課題探索:デスクリサーチ → 大きな3つの課題を導き出してアイデアを生んだ
2)仮説検証:ユーザーテスト、アンケート、コンセプトテスト
分業の意識
前職はプロダクトマネージャーだったのでフルコミットはしたいが、フルコミットをすると横断組織としての強みが活かされないので、示唆を出したり、示唆を活かす部分をファシリテーションまでの、客観的な立ち位置での関わり方にしている。
社内啓蒙
ユーザビリティなどの後フェーズでの簡単なリサーチで成果を出して、信頼を作っていく積み上げが重要。社内啓蒙も重要で、戦略までのリサーチ領域もできる旨を全社定例で伝えたり、今までのリサーチデータを蓄積して、戦略レイヤーに関わっていった。確実にできる部分をやりつつ、手を広げていく。会社からの評価は、意思決定にどこまでリサーチが役立ったかという点で立てている。
まとめ
UXリサーチに関するプロジェクト
その他
オンラインセミナーの良さですが、その場でスピーカーがTwitterでリンクを拡散しているのが面白かったです。
登壇資料・グラレコ
大規模組織でのUXデザイン導入メソッド
経歴
デザイン・フロントエンド技術者としてUIに深く関わった後、リクルートに入社。その後、ニジボックスのデザインファーム事業を立ち上げ後、執行役員に。リクルートの新規事業部門から独立したのが、ニジボックス。ニジボックスの事業は、リクルートが60%、リクルート外の事業が40%。大規模組織導入メソッドは、リクルートとリクルート外の事業例の2点の経験を踏まえて解説。
導入できない理由
組織化してもらえない、投資をしてもらえない、継続してくれない。自分の組織が古い、売り上げ重視(UX短期的に効果が出ない)など。組織構造に起因する理由は、縦割りは組織の仲が悪い、横割りだと深いコミットができないなど。
導入方法
まずやることは、会社の中身を理解すること。時代の変化、組織構造、事業計画。なぜなら、経営レイヤーと道東の理解がないと共感はもたれない。
やってはいけないことは、デザイン組織の重要性だけ話すこと。上になるほど会社全体のバランスを考えるため、1要素の話をしても聞いてもらえない。
ポイント
会社の中身を理解して、どの部分で問題が起きやすいか整理。
ビジョン・ミッション・バリューの整理を行う。なるべく全員でやり、役職・職域ごとに目指す姿を整理する、半期/1年に一回は見直す。
マッキンゼーの7Sを使って理想の組織構造を議論し、現在の組織とのギャップを整理する。その際にUXデザインの重要性を説く。組織構造と合わせて整理。理想の組織像は、他社を参考にすると良い。
まず、事業計画から落としてKPIツリーを作って整理。(役職が高い人は事業計画を達成することが重要な仕事となるため、説得しやすい。)KPIツリーのどの部分が、UXデザインプロセスが必要となるかを説く。(調査結果を定量的な数値にして、数字で伝える)KPIが達成した場合は、投資金額を約束する。事業計画承認1ヶ月前には交渉する。投資予算の優先度順を整理すると、UXの重要性を伝えやすい。
まとめ
私が参加させていただいたものは以上です。とても勉強になりました。ありがとうございました。
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