いつか忘れられる詩
久々、自分の心の位置にフィットしてくれる本との出会い。
詩集「いつか忘れられる詩」。
作者の富田京子さんは、かつてポップ音楽で数々のヒット曲を世に送った有名女性バンドのドラマーを務められていた方であるとのこと。そのグループの楽曲も、パフォーマンスも、これまで殆ど触れたことがなかった。それでいて、時空を超えて現れてくれたのが詩集で、それが今の自分に響いてくれたという奇異な巡り合わせのあり方が、不思議であり、それがまた居心地良くも感じられる。
そして、富田さんは私と同世代の人である。
綴ってくれた言葉と言葉の抑揚の間で、微かに共有した時代の音が鳴ってくれているのを感じ取ることができるというのは、確かな歓びの現れである。
本に出会って、触れて、読み終わって抱きしめたくなる一冊。
久々に、そんな本に出会えた。